デザインコンパスブログ「ポッカポカ日和」

ずっと眺めていたいカップボード

2022-12-5

先月、K様のカップボードを施工させて頂きました。
随分前からキッチン全体のお悩みをご相談頂いて、ゆっくりとじっくりと理想形に近づけていきました。
 
窓に面した独立型キッチンで、明るく本当に素敵な空間なのですが、盛付けや調理をする作業台がないことがお悩みでした。
面積は充分にあるものの、キッチン側は家電置きにスペースを取られてしまい、お料理上手なK様にとって少々ストレスを感じるキッチンでした。
カップボード側とキッチン側両面を改善するべく、色々とご提案をさせて頂きました。


こちらは最初のご提案です。
冷蔵庫をキッチン側に設置して、家電・食品庫・ゴミ箱・作業台をカップボード側に集約させたプランです。

キッチン横には作業台を確保されたいということで、冷蔵庫はカップボード側に設置する方向でプランを進めていきます。
これではまだ作業台が足りない印象です。


最終的に、カップボード側はこんなイメージで製作させて頂くことになりました。
キッチン側はカップボードが出来ると用途が少し変わるかもしれないので、敢えて時期をずらして計画をさせて頂きます。


製作期間を頂いて、施工当日です。
既存のカップボードは別の場所に移設して、下台から設置していきます。


初日、電気工事と共に下の収納を設置しました。
これだけでもテンションが上がります^^


手の届く高さで日常使いが出来る吊戸棚を設置します。


上部の吊戸棚も取付きました。冷蔵庫上まで一本繋がることで、ぐんと奥行きができて空間が広く感じます。

 
納まりもデザインの一つ。細部の納まりが美しく感じる大事な要素になります。


2日半頂いて、完成しました。
ずっと眺めていたくなるような素敵なカップボードになりました。


重たい大皿は市販のアイテムを利用して下段の引出に。
開けてすぐ一目瞭然。必要な一枚だけをサッと取り出せます。

 
奥行きを目一杯活用した引出しの上段は豆皿の収納に。
今まで重ねたお皿の断面しか見えていなかったものが上から絵皿を眺められるようになりました。
引出して、選んで、取り出して・・・所作の全てが楽しみになりそうです^^
下段の深い引出しの2つは、内部に浅い引出しを設けて無駄のない収納になっています。


こちらは設計を具体化する前からイメージにありましたゴールドのタイル。
通常はいくつか絞って選んで頂くのですが、K様の印象にぴったりでしたので無限にあるタイルの中からこの一択でした。
正方形がひし形に角度が変わっただけでグッと優雅に感じる不思議なデザインのタイルです。

 
天井近くの収納は入れたら最後、二度と取り出さないということになりがちです。
今回カップボードのご提案でも、脚立を収納に組込んだり、昇降式の棚など試行錯誤しました。
でも大事な収納が犠牲になって本末転倒という結果に・・・。
そこで市販の軽量脚立をご用意させて頂きました。
畳めばわずか5cmの隙間に入り、上る時もグリップがあるので高所も安全に出し入れできました。
高い所の収納は多く頂くお悩みですが、シンプルな解決策の一つかもしれません。


今回一番の目的は、キッチン周辺の作業スペースと収納の確保でした。
でもそれ以上に解放感と心地良さを感じられる空間になったような気がします。
カップボードが充実したことで、キッチン横のスペースの使い勝手が少し変わってきそうです。
段階を踏んで、より理想に近づけたらと思います。

K様、引き続きどうぞよろしくお願い致します^^

 

 

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