デザインコンパスブログ「ポッカポカ日和」

ブティックのようなクローゼット

2022-7-22

暑中お見舞い申し上げます。
illustrated by HIYORI
イラストレーター曰く、ビーグル犬スヌーピーが涼をとっているところだそうですが、実際のビーグル犬は・・・

はい、この通り元気にしております^^
流石の暑さにシニア犬ポッカはエアコン、我々は空調服で施工を頑張っています。
皆様も水分と栄養を充分補給してくれぐれもご自愛ください。

さて、コロナ禍で納期が2カ月以上かかりましたB様のクローゼットをご紹介させて頂きます。

設置スペースは、4畳半弱の正方形のお部屋です。
大きな下がり壁があり、その下は暗い影が出来ています。
このスペースにL型のクローゼットをご希望でした。


クローゼットのような大きな家具は箱状にするとエレベーターで搬入が出来ないので、全てパネル状にして現場で組み立てていきます。


一台一台、組み立てては設置していきます。
側面に見えるコードは間接照明のために予め仕込んでいる配線です。
全て床上の台輪の中で配線されています。


右側面の本体が納まりました。
こちら側は引出しとハンガーの衣類クローゼットになります。

 
簡単に設置されているようですが、間接照明を仕込みながらの作業のため片面の家具だけで一日かかりました。
テープライトだけですと写真右のように光のドット(粒)が目に入り陰影も強すぎるので、左写真のようにアクリルカバーを付けています。


2日目の午前中。左側面の設置まで終えました。
これから装飾を施していきます。
ちなみに、左側面の手前側はアクリルカバーを付けていて、左側面の奥側は付けていない状態です。
奥側だけ強烈に光のラインが見えてますね。後できちんと取付けますが、違いが分かる良い例でした。


ハンドルやハンガーパイプ、引出しなどが付きました。
これだけでも充分完成!と言っても良い圧巻のクローゼットですが、この後にガラスの扉が付きます。
先にディテールをご紹介したいと思います。


左側はバッグ類の棚メインの収納になりますが、一部アクセサリー類の収納を設けています。
強化ガラスの天板はちょうど、上からの間接照明で内部が良く見えるようになっています。
3段ある引出しが気になるところです。


上段は、無垢板で仕切られたアクセサリー専用引出しです。
細かい仕切りには時計など、2列の仕切りには眼鏡やサングラスが入る予定です。


中段は、フリースペース。
上段と同じく滑り止めにもなる黒いベロア素材の布を貼っています。


そして下段は、スカーフ類のハンガー引出しになっています。
畳むとシワになる物もこうして吊下げると上から色柄も分かり易くさっとと取り出せますね^^


高さはそこまでスペースを取らず細かいアイテムがギュッと整理された多機能スペース。
佇まいも美しく納まりました。

 
引出しのつまみやハンドルも吟味してセレクトさせて頂きました。
小さなことですが、印象がガラリと変わる大事なアイテムです。


そしてついに、完成しました。
ガラス扉が取付くだけで更に洗練されたブティックのようなクローゼットになりました。
通常の太い枠のガラス扉では実現しなかった空間です。
B様が一番に優先されたこの扉はドイツ製の丁番を使用しています。

 
見慣れない金物ですが、扉一枚に対してこの細い丁番が上下にたった2つで開閉ができるようになっています。
複雑な孔加工が必要ですが、おかげでガラスがメインの細い枠扉が実現しました。


デッドスペースになりがちなコーナーも無駄にせずスラックスハンガーを設けています。


内部の間接照明がないと全体的に影になって寂しい印象ですが・・・


点灯することで、イメージがガラリと変わります。
元々あった大きな下がり壁も全く気にならなくなりました。
やはり空間づくりに光の要素は欠かせないなぁと思わせてくれる2日間でした。
衣類や鞄などが入るとより一層素敵な空間になるのではと思います。

納期の遅れを快く受け入れて頂き、B様本当にありがとうございました。
そして新しいことにチャレンジさせて頂けて造り手と共に感謝しております。
これからもどうぞ、よろしくお願い致します。

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