デザインコンパスブログ「ポッカポカ日和」

星空のクロス

2020-6-25

少し前になりますが、築33年になります自宅のクロスを貼替ました。
10年前に中古で購入してから前オーナーさんも一度も貼替えていなかったので、二部屋だけですが新築ぶりの貼替えということになります。


「久しぶりに見たね~、この感じ(笑)」とクロス職人の北嶋さん。
そうです。通常はこんな風にはなりません。裏紙も剥がれてパテも入らない状態です。


それでも綺麗に貼って頂きました。
こんなに下地が悪いと分かっていてデザイン重視の薄いクロスを選ぶ私たち。
普通のクロス屋さんでしたら(なんでこんなクロス選ぶん!?)となりますが、「ごめんね~。これが限界やん」と北嶋さん。
いやいやこちらこそすいません!いつも本当にありがとうございます。


小さい監督さんの部屋も予想を裏切らず同じ状況でした。


監督さんが真っ先に選んで譲らなかった☆柄のトリム。(アクセントになる帯状のクロスです)
最初はこれを全面に貼りたいとかビックリ発言をしていましたが、このパステルカラーのトリムに合うクロスを2人で選びました。


一面だけ爽やかなストライプ柄で、その他は全面落ち着いたブルーのクロスです。
「なかなかいいやん、誰が選んだと?」と北嶋さんに言われて上機嫌の監督さん。
無口な娘が貼替中ちょくちょく見に行っては話しかけてもらっていました。


天井も綺麗に貼ってもらいました。普通のクロスに見えますが、夜消灯すると光るクロスです。
「消灯式、呼んでよ。心配せんでもおいちゃんつまみはちゃんと持ってくるけん!」
「よ~っと見とって!たまに流れ星が出るよ。」
本当に常に笑いが絶えません。

私も実際に蓄光クロスを見るのは初めてでしたが・・・

消灯するとゆっくりポツポツと星が浮かび上がってきて、まるでラピュタに出てくる洞窟の中の飛行石のようでした。
草原で仰向けになって夜空を眺めているようです。
流れ星は見えませんでしたが、オーロラが見えました。

翌日、嬉しくて北嶋さんに消灯式の報告したかったのですが既読にならず、御礼を伝えることもできませんでした。
未だに信じられませんが、私たちの自宅が最後の現場となってしまいました。
独立して8年余り、年に数回しかも少しの面積しか依頼が出来ませんでしたが、快く引き受けて頂いてどこの現場に行ってもお客さんからも動物からも好かれるお人柄でした。
心のこもったお仕事と周囲を明るくしてくれたニャンちゅうのような笑顔に心から感謝の気持ちを送ります。


北嶋さん、今まで本当にありがとうございました。
北嶋さんの笑顔を忘れずに現場仕事も頑張りますからね。
心より心よりご冥福をお祈りいたします。

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