デザインコンパスブログ「ポッカポカ日和」

カフェのような古木調のカップボード

2021-3-21

Mさまにお届けしましたカップボードをご紹介させて頂きます。
お問合せ当初は収納をカウンター下だけにするか迷われていましたが、お会いして今のお悩みなど色々とお話し頂きました。
長年使用されたカップボードのコンセント不良がきっかけだったそうですが、改めて考えると使い辛いところが多かったそうです。

吊戸棚は奥行きが深すぎて、奥の物の出し入れができず殆ど手前を使っていたり、
下の開き扉は食器収納にはざっくりとし過ぎて、積重ねてしまったり・・・。
容量はあるけど使い辛さを感じていたそうです。
お悩みはもちろん、お手持ちのアンティーク調家具やお好きな食器など、Mさんのお好みをしっかりお伝え頂いたので、ご提案もスムーズでした。


冷蔵庫を左に移動して、引出し収納を充実させた上で、上部の収納をどのようにされるかご検討頂きました。
以前は上部収納が使い辛いこともあり、平皿の一部を下の方の取り出しにくい場所に収納されていらっしゃいました。
引出しに大皿や平皿を入れるとその上に食器を重ねていく結果、毎回下からヨッコイショと取り出すか、面倒で使う頻度が少なくなります。
引出収納がある上で、大皿や枚数のある平皿などは目線で枚数が見える高さ、そして高さを調整できて何が入っているか一目瞭然な棚収納があるとベストです。

そこで、右上のプランで製作させて頂くことになりました。
上部収納の開閉方法やカウンターの高さ、引出し内部の高さなど、こちらにお越し頂き使用感をご確認頂きました。
メーカーさんのショールームと違って実際に生活している空間なので、良い意味でリアルにイメージして頂けたら幸いです。

製作期間を経て、いざ施工当日。

採寸の際に冷蔵庫用のコンセントを移設させて頂いていたので、製作期間中に冷蔵庫を動かして頂きました。
以前の食器棚より75cm広いカップボードになる予定です。


壁の下の方にしかなかったコンセントから、炊飯ジャー、間接照明、レンジ用のコンセントへと分岐して設置していきます。


無事点灯しました。電気配線のために開口した壁にタイルを貼って・・・。


完成です。温もりがあってMさまらしいカップボードになりました。
チェッカーガラスと黒いハンドル、古木調の木目が雰囲気づくりに役立っています。


そして圧倒的な収納量。
市販のカップボードはカウンターの奥行きよりも随分控えた浅い引出しが一般的ですが、確保できる奥行きを目一杯使用しているので、引出し一つだけでも収納量はかなりアップしています。
引出しの高さもそれぞれ、収納するモノの居場所に合わせて設定させて頂きました。

吊戸棚は、当初は引違いの扉をご希望されていましたが、扉を閉めたときにフラットにならないことと、開けたときに全開しないデメリットがあります。
リフトアップ扉は全開するとここまで内部が一目瞭然。軽く開いてどこでも好きな位置で留まり、ゆっくり閉まります。
こちらも一番大きな大皿に合わせて無駄のない奥行きにさせて頂いたので、圧迫感を感じません。


以前より幅が広くなった分、ちょっとした書き物やちょっと一息ができるデスクスペースが出来ました。
目の前の天板に照明のスイッチを設けているので、レシピを見たり盛付け時にもすぐ点灯できます。
スイッチの横のコンセントはスマホの充電やノートパソコン、ハンドミキサーなどなど、レンジやトースターとは別にあるコンセントは本当に便利です。
デスク下の可動棚は、スペースはとるけど厚みのないトレイや、もしかすると読みかけの本など・・・あるかもしれません^^
Mさんのとっておきの場所になると良いなぁと思います。


吊戸棚がなければ貼る必要もなかったタイル。ですがやはりクロスの壁より気分が上がります。
照明を点けると陰影ができて本当に綺麗です。加えて空気をキレイにする効果もあるので良い事づくしです。


リビングに入ってきたときの景色もこの通り。
ナチュラルな雰囲気のお部屋に調和して、にっこり笑って出迎えてくれているような気さえします^^

お会いしたときに、「新築時に細部まで考えられなかったから・・・」と少し後悔されてありましたが、今のタイミングだからこそ理想の形になったかもしれません。
家は住む人に合わせて一緒に成長していくので、その時々の節目に必要とされるものも変わっていくような気がします。
きっかけは故障や不便さ、違和感などマイナスなことかもしれませんが、それ以上にワクワクをプラスして、お役に立てると嬉しく思います。

Mさん、打合せからとっても楽しい時間をありがとうございました。
少々寂しさもありますが、家具共々これからもお付き合いをよろしくお願いします^^

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