デザインコンパスブログ「ポッカポカ日和」

ショート丈の吊戸棚

2023-5-12

H様とS様のカップボードを製作させて頂きました。
どちらもショート丈の吊戸棚でしたが、それぞれ全く違うご要望でした。

こちらはH様のご提案。
上はお会いする前のご提案、下はお住まいを拝見してからのご提案です。
黒い家電が印象的でしたので、モノトーンの配色で。
隠す収納と見せる収納のバランスを意識してご提案させて頂きました。


製作期間を頂いて、図面の通り完成しました。
見せるものが整然と並んでいて、表に出していてもスッキリと美しく見えます。


真っ白に見えますが、キッチンに合わせた白い木目の扉です。


吊戸棚のオープンスペースにはダークグレーのバスケットがジャストサイズで納まっています。
こちらは設計段階で調度良い色とサイズのものを探してお客様に取寄せて頂きました。


引出しは一列だけになりましたが、天板高さを高めに設定したことで予想以上の収納力でした。
ご依頼頂くまで、キッチンメーカーなどかなり探されてご希望に沿うものが無く、オーダー家具をご検討されたそうです。
最初のお問合せの時点でご要望が明確でしたので、お打合せもスムーズでした。
H様、ご依頼頂きありがとうございました。


こちらはS様のカップボードです。
同じくハイカウンター収納とショート丈の吊戸棚ですが、全く違った雰囲気です。

 
吊戸棚は扉下の削ぎ面に手を掛けて上に開けて、閉めるときはゆっくりソフトに締まります。


天板と扉の色柄をかなり悩んで決めて頂きましたが、ホテルのような高級感ある組合せになったような気がします。
S様、製作に至るまで熱心に参加して頂いてありがとうございました。

ショート丈の吊戸棚は収納量こそ少なくはなりますが、上部に抜きが出来ることで横長くスッキリ見える効果があります。
下台とのバランスも頭でっかちにならず、圧迫感が解消されて垢抜けてみえるかと思います。
フラップの扉はご身長によって使い易い高さが違うので、機能とデザイン、色々な面でご提案できればと思います^^

5m超のキッチンダイニング収納

2023-5-2

先日、S様のキッチンからダイニングに繋がるカウンター収納を造作させて頂きました。


雰囲気があってとっても素敵なダイニングキッチンでしたが、収納力や使い勝手に問題がありました。

 
ご新築時に大工さんが造り付けられた棚は食器収納に向かず、スペースはあっても収納としてはあまり機能していませんでした。
食器はキッチンから遠いダイニング側の食器棚まで出し入れされていて、毎日となるとかなり負担になる家事動線です。
反りが激しくお手入れがしづらい無垢材のカウンターもお悩みの種でした。ファンヒーターのガスコックも考えたいところです。


左の壁から冷蔵庫まで、間口は約5.1m。この幅を活かさない手はありません。
収納力はもちろん、スッキリとお部屋がより広く見えるようなご提案をさせて頂きました。
以前は左側面の壁に置かれていたテレビもカウンターの上に乗せて、LDKに必要な収納を全て組込みたいと思います。


製作期間を頂いていよいよ施工の日です。
既存の造り付け収納はS様ご依頼の大工さんに撤去して頂きました。


こちらはダイニング収納。テレビ台も兼ねた一番左側にはレコーダーが入る予定です。


キッチン側の収納も連結させました。高さが揃うだけで感じる広さが違います。


長い長いカウンター。スリスリしたくなるほど気持ちが良いです。
格子天井と木目がリンクしていて良いアクセントになっています。


完成しました。
爽やかな風が通り過ぎていくような清々しく心地良いダイニングキッチンです。
施工の直前まで白で良かったのか不安で・・・と仰られていましたが、断然良かったと思います^^
以前よりも既存の格子天井と飾り棚が映えて、シンプルながらも名脇役な家具になりました。

 
機能も充実しています。
ガス式の炊飯ジャーの為、ガスコックのホースが極力邪魔にならないよう、下のスライドカウンターに落しています。


以前は目の高さの食器棚に重ねて収納されていた平皿や大皿類。
今度は引出し収納になったので、お皿を立てて収納できるアイテムがピッタリ入るサイズに設計させて頂きました。
キッチンを振返るとすぐ使いたいお皿が取り出せる・・・なんて気持ちが良いんでしょう!


まるで列車のような引出たち。意味もなく開け閉めしてしまいそうです。
キッチン側の引出しはハンドルを付けてゆっくり閉まる機能を、ダイニング側の引出しはプッシュオープン式で凹凸なくスッキリと。
S様のご要望がかたちになりました。

 
そして一ヶ所だけ台輪がない扉には、ガスファンヒーターを収納できるようになっています。
ずっとここで使用される物なので、一年中の定位置です。わざわざ別の場所にしまいにいくこともありません。
冬は内部のガスコックに差したまま、扉下の隙間からホースだけを出してスマートにご使用頂けます。
すぐ横の台輪部分にコンセントを仕込んでいるので、ファンヒーターはもちろんホットプレート等にも何かと重宝して頂けそうです。


カップボードとTVボード、リビング収納、全ての要素がこのカウンター収納に集約されました。
在宅されている時間のほとんどがここで過ごされると仰られていたので、より居心地の良い場所になっていると嬉しいです。
今はまだ出来たてホヤホヤで家電やテレビも緊張気味ですが、これから色々なアイテムやS様らしさが加わってどんどん素敵になっていくと思います。

S様、この度は大変お世話になりました。
これからのお家時間もたくさん楽しんでください^^
今後ともよろしくお願い致します。

和モダンなカップボード

2023-4-24

先週末、W様のカップボードを設置させて頂きました。

最初は、既製品の食器棚のサイトと共に「こんな感じで費用はどのくらいかかりますか?」というお問合せでした。
お会いする前に、W様の設置寸法とご要望に合った仕様でご提案をさせて頂きました。


吊戸棚と引出しともに縦格子の和を感じるデザインでしたが、既製品に比べるとやはり費用がかかります。
でも置き家具ではなくピッタリサイズで造り付けをご希望でした。
そこで、現在お困りな事や使用感などお伺いするために、実際に拝見させて頂きました。


天井は高いものの一部凹凸があり、作業台の高さや引出しの数(それぞれの必要高)、ゴミ箱の容量など、W様だけの仕様がありました。
既製品だとあるものに自分を合わせなければいけませんし、何より天井高や梁など設置状況に合わせることは難しかったと思います。


最終的には当初とは全く違う、右下の仕様で製作させて頂くことになりました。
天板高は1m15cm、引出しは5杯など、背の高いW様だけの仕様になっています。
デザインは、和モダン且つお部屋に合う素材で・・・とうことで、上部に格子を用いることになりました。

製作期間を頂いて、いよいよ施工の日です。

以前と冷蔵庫の位置を変えて、奥側に家具を設置していきます。


コンセントを増設しながら下台を設置しました。


冷蔵庫上にも吊戸棚を設置します。
天井が高いので、ここだけでもかなりの収納量が期待できそうです。


凹凸のある天井に合わせて隙間なく設置していきます。


完成しました。
格子扉が印象的な趣きのあるカップボードです。


下台はタモの天然木突板、吊戸棚はタモの無垢材を格子状にしています。
上下共に格子にする案もありましたが、リビングから見える上部だけに用いました。
細い格子にすることで、モダンなインテリアにも違和感なく調和しつつ、しっかりと和の風合いを感じます。


引出しもかなりの収納量です。
5段それぞれ、W様が収納し易い食器の高さに合わせています。
以前は奥のパントリーにしまわれていた食器も、これなら出番が増えること間違えなしです^^

 
ゴミ箱もスッキリ納まりました。ゴミ箱の容量に合わせて引出しの寸法を決めました。


引出しの木目を合わせた美しい納まりです。
取っ手の凹凸がないほうが・・・ということで、J型の引手加工が施されています。


吊戸棚を細格子にしたことで扉の境目が目立たず、全面が大きなパネルのようにも見えます。
よりスッキリ、幅が広く感じるようになりました。


W様だけの使い易さとこだわりが詰まった特別なカップボードになりました。
ほんのキッチンの一角ですが、このスペースが変わるだけでお部屋全体の気や物の流れが変わります。
お仕事でお忙しい日々も、キッチンに居る時間はちょっと気分が違う ♪
元気を充電できるような場所になると良いなぁと思います。

W様、この度は本当にありがとうございました。
これからも家具共々、お付き合いをよろしくお願い致します。

グレーのキッチンカップボード

2023-4-15

先日、M様のご新築マンションに合わせてカップボードを設置させて頂きました。
最初にお問合せ頂いた時点では、セミオーダーの既製品と迷われているとのことでした。

平面図を拝見させて頂くと、間口が2.48mとマンションにしてはかなり広い間口です(実際は2.5m超でした)。
既製品では2.4m迄で隙間が空くかフィラーで隠すことになるので、それはかなり勿体ないことです。
是非ともお役に立ちたいと思いました。

その後、素材のショールームと現地とでお打合せをさせて頂き、特に素材は真剣に悩んで頂きました。

上部の圧迫感解消の為に、一時は壁紙に近いオフホワイトで壁化させる方向で、壁パネルの色をご検討頂きました。
最終的にはやはりキッチンと同色のグレーで統一して、壁パネルは同じグレー基調で雰囲気のある素材で決まりました。

シンプルに見えますが、内部の有効高さや奥行きは全てM様仕様です。
間接照明も、この間口の広さをより活かす為に採用して頂きました。

製作期間を頂いて、いざ設置です。

図面の通り、間に小壁があります。


予め電気配線を行っています。


下台が付きました。


天板と壁パネルを一体化させています。


一体化させたことで、壁パネルを正面からコーキングする必要がなく、美しく仕上がります。


梁の下の吊戸棚まで、凹凸も隙間も無くフラットに仕上がりました。


完成です!
シンプルな中にも研ぎ澄まされた静寂さを感じます。


揃えられた引出しのラインがより奥行きを感じさせてくれます。


壁と天板の境目も、予め接続して設置したおかげでコーキングもなくスッキリしました。
天板のスイッチコンセントは白、壁のコンセントはグレー、それぞれ目立ちにくくしています。


ダイニングからの景色です。
扉の色をキッチンと合わせました。
それだけだと無機質で寂しい印象ですが、正面の壁に重きを置くことで、全く違った印象になりました。
幻想的な光が浮遊感を感じさせてくれます。
食後のリラックスタイムにゆっくり眺めながらホッと一息・・・家事プラスαの時間も楽しんで頂けたら嬉しいです^^


キッチンとは天板の高さも素材も異なりますが、そんなことは全く気になりません。
それ以上に、スッと奥まで伸びる掘込み引手と光のラインの美しさに心地良さを感じます。


冷蔵庫の上まで同じ素材で統一したことで、LDKの空間がよりダイナミックに広がりました。
当初予定されていた吊戸棚を明るい色で壁化する案も良かったとは思います。
でも全てグレーにしたことで、よりアクセントの壁が際立ち、リビングダイニングを大きく取り込んだ空間になりました。

ご入居に間に合わせるために少し急かしてしまいましたが、真剣に熟考して頂いた結果ご満足頂けて本当に良かったです。
オーダー家具は規格品のように実物を見て頂くことが出来ないので、皆さん悩まれます。
でも真剣に悩んで頂いた程、完成した時の感動と、お気に入りに包まれる満足度が大きいような気がします。

M様、短い間でしたがお付き合い頂きありがとうございました。
これからもどうぞよろしくお願い致します。

 

ナチュラルホワイトのカップボード

2023-2-20

ブログをもっと頻繁に書いて~とご指摘を受けてます高瀬です^^;
心と頭の栄養補給にはランニングが一番良いと知り、昨日から始めました。
ブログがよく更新されるようになったら、効果が出ているんだなぁとご想像ください。
日々の感性アップに繋がりますように。

さて、先週T様のご新築マンションに合わせてカップボードを設置させて頂きました。
お声掛け頂いたのは昨年の8月。
平面図上でお好みをお伺いして、何度かご提案をさせて頂きました。

ライト系のナチュラルカラーがお好みでしたが、天井まで木目だと圧迫感を感じるので、上部は淡い色で壁化する方向です。
ハンドルや木目の粗さ等、お好みを一つ一つ伺いながら辿っていきます。


色づかいはアイボリーをベースに、天板と中間吊戸の木目をアクセントにする方向で決まりました。
ハンドルが違うだけで印象が随分違ってきそうです。
ゴミ箱は引出しの中に収納する方向でスッキリ見せたいと思います。


施工当日。
内覧会の時に把握していますが、冷蔵庫スペースは広めに取ってあり、ちょこっと梁があります。


限られた設置スペースで、無駄に冷蔵庫横が空くのは勿体ないので、9cm壁を足して設置していきます。


次に中間棚です。これだけでもデザインとしては良さそうですが、これから収納量が増えていきます。


急に大きく見えます。これで終わってしまうとただ圧迫感が増したように思えますが・・・


冷蔵庫上まで繋がると圧迫感から遠近感へ、奥行きが出て幅がより広く見えるようになりました。
梁下もちゃんと納まっています。


完成しました。
上部の扉がつくと、照明が反射してより明るいカップボードになりました。
クロスにかなり近いグレーベージュの扉で、左の壁と同面に納めているので壁が繋がっているようにも見えます。


ナチュラルテイストと相性が良いダウンライト。
ライン照明も人気ですが、ほっこりとした可愛らしさがタイルにも良く馴染んでいます。
ハンドルもギラギラしていない艶消しのゴールドで、丸みを帯びたものからお選び頂きました。


ゴミ箱も2つ並んで納まる寸法設定です。現物を直送して頂いてそれに合わせて引出しを製作しました。


奥行きは45cmと決して広くはありませんが、開けると一目瞭然、77cm幅の引出が4杯。
収納も充実しています。


ナチュラルテイストの落着きと、シャキッとした佇まいがとても心地良いカップボードになりました。
リビングダイニングから見えるのは、キッチンよりもこの景色です。
一つ一つ、T様のお気に入りを集めて作らせて頂いたので、日々のお家時間がよりワクワクしたものになると嬉しく思います。

T様、昨年から大変お世話になりました。
これからもどうぞよろしくお願い致します。

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