デザインコンパスブログ「ポッカポカ日和」

お気に入りだけが詰まった空間づくり

2022-5-9

N様ご夫婦の新しいお住まいに合わせて、カップボードとテレビボードなど製作させて頂きました。
最初のお打合せは一昨年だったのですが、お引越後しばらく住まわれてからご検討されたいとのことで、本格的なお打合せは3月に入ってからでした。
でもその時期をずらして頂いたご決断が大正解でした。

大きな一戸建てからマンションへのお引越しということで、少しでも収納量を確保するために壁量が多い西面で計画をしていました。
図のようなプランで間口3.8m。どこに何を収納するか、隠すものと見せるものなど諸々イメージして頂いていました。
でもいざお引越しされると、テレビは東面でソファーは西面の方がゆっくりリラックスできるとのことで、仰られる通りでした。

こちらは東面です。西面に比べて1.2m間口が狭くなりますが、こちらの壁面を雰囲気が良くなるようご提案させて頂くことになりました。


以前のプランを残しつつ収納量を確保しようとすると上のようなイメージになりますが、お伺いした時にはお荷物をかなり片付けていらっしゃいました。
そして壁面に貼るタイルもセレクトして頂いていたので、そこから波及して下のようなイメージでご提案をさせて頂きました。
使う素材も既存のドアに相性の良いチーク材で統一感と高級感を図ります。


製作期間を経て施工当日。
壁掛けテレビの為の補強や電気工事などを済ませ、設置していきます。

窓側の壁からドア枠まで、隙間なく美しく納まりました。

以前はご近所のお客様に「ピッタリ王子」と名付けられていましたが、今は「ピッタリ親父」でしょうか・・・。
怒られそうなので素敵なあだ名を募集します。(笑)


冗談はさておき、着々と進んでいきます。
N様セレクトのタイルが貼られると随分雰囲気が出来上がってきました。


完成しました。
以前とは雰囲気がガラリと変わって、木と土の自然を感じる心地良い空間に生まれ変わりました。


洋室の出入り口ドア横はサイドまで無垢材のボーダーが美しく繋がって見えます。


どこで分かれているか見た目で分かりませんが、無垢材の高さに合わせて引出しを大小に分けています。
プッシュオープン式で軽く押すとほぼ全開に近いところまで飛び出してくる引出しです。


チーク材の美しい木目によって視線が自然と遠くへ向かいます。
以前とは比べられないほど広く感じられるようになりました。

そしてカップボードも、新しくなりました。

電気工事を経て、下台を設置していきます。
冷蔵庫スペースだけ奥に凹んだ壁面がどうなっていくでしょうか。


中間の吊戸棚を借り付けしました。


天井いっぱいまで吊戸棚を設置しました。
ここまでですと、幅よりも高さが強調されて多少の圧迫感を感じます。


冷蔵庫上の収納が繋がると、不思議なほど幅広くそして圧迫感も感じなくなりました。
前面は揃っていますが、冷蔵庫上だけ奥に広い収納庫になっています。


その後、間接照明やタイルを施工して仕上がりました。
リビングとまた違ったモダンでラグジュアリーなカップボードの完成です。


中間のガラス扉には、カップ&ソーサーが5組入れられるようにということで、奥行きの設定をしています。
奥行きを確保しつつ、頭を打たず取り出しやすい高さの折合いがお一人お一人違うので、大事なところです。
ガラスの透け具合、そして内部の色味も細かくお打合せさせて頂きました。


幅154cmと限られた作業台にレンジとトースターが乗るので、簡易的に引き出せる作業台をご希望でした。
こちらは2度目の採用となりますが、軽く引出せてロックがかかる作業台です。
解除も横のレバーと軽く上げるだけで引出しと同じようにゆっくり閉まる優れた機能でとても喜んで頂けました。


冷蔵庫の上は扉幅が大きいので、下から上に上がる扉です。
壁側の固定扉は、神棚が取付く予定なので棚の奥行き分を避けています。


タイルや間接照明が入るだけで一気に空間が華やぎました。
人工大理石の天板に照明が跳ね返り、より気分が高まりそうです。


最後にレンジフード裏のこのスペースにも収納を設置しました。
対面キッチンが主流になってよく見られるスペースですが、上手く利用すると良いディスプレイコーナーになります。


梁の凹凸や天井の段差も気にならない、元々あったような一体感のある収納になりました。
ガラス棚にすることで圧迫感なく、飾りたいものだけに目がいきます。


横から見てもピッタリです。
テレビボードとカップボードも含めて、LDK全体で隠すものと見せるものの収納がバランス良く配置されたような気がします。

N様、お会いして長い期間、大変お世話になりました。
たくさんの熱い思いをかたちに出来て安堵しましたし、喜んで頂けてとても嬉しかったです。
これからもどうぞよろしくお願い致します。

タモ材と白。唯一無二のカップボード

2022-4-23

今月初めにお届けしましたEさまのカップボードをご紹介させて頂きます。

最初にお会いした時は、こちらにお越し頂いて、お話しだけお伺いしました。
その時は、「漆喰の壁なので、カップボードは白で、壁の凹凸を解消したい」というおおまかなご要望だったように思います。
そして最初は下のようにシンプルなデザインでご提案をさせて頂きました。

冷蔵庫の後ろの壁が凹んでいるので、カウンターもそれに合わせた旗竿型に。隙間なくスッキリ広く設置する方向です。
上部は扉のない箱状の棚のみ。見せるボックスを置かれては?とお話ししました。
極シンプルな家具に、飾られる物が映えるカジュアルな印象です。

後日、ご自宅にお伺いしてその印象が変わりました。
漆喰の壁と無垢の床、玄関からリビングに入るまでのワクワク感、大きなFIX窓から見える木々の景色、趣きのある薪暖炉。
新建材で作られた空間とは違うゆっくりした時間の流れを感じました。
その場で、白を基調にした中に天然木を入れましょう!ということで、ご提案をさせて頂きました。

フォルムは大きく変わりませんが、上部の棚受けは、Eさまのご希望で金物ではなく無垢材で造ることになりました。
オープンスペースに棚受けと同じタモ材を使用することで、当初のプランよりぐっとEさまのお部屋に近づいた気がします。
食器がどれだけ入るかのシュミレーションから、ミリ単位で高さ設定もさせて頂きました。


製作期間を頂いて、施工当日。
冷蔵庫後ろの壁が凹んでいるのが分かります。


造り手が閉じ込められているようですが、こんな形状で壁にぴったり造り付けます。


壁に設置しました。
以前はこの凹み部分が使えないデッドスペースになっていましたが、天板が伸びるだけで広い作業スペースになりました。
天板上にコンセントも増設します。


天板下は見えないところも美しく、壁の出隅に合わせてタモ材を使用しています。


棚を取付けました。
このブラケットは木の厚さや高さ、形状にも悩みました。
下台とのバランスから大き過ぎても不格好になります。かといって滑らかで華奢なラインでは雰囲気が合いません。
あえて無骨さを残して、コンパクトなサイズで製作しました。


完成しました。
爽快で清潔感を感じる白の中に、木目が映えるEさまだけのカップボードです。
たくさんある白の中からダイニングテーブルや漆喰に合う白を選んで頂きました。
天板の厚みもEさまのご希望で薄くしたことで、洗練された印象です。


収納量もたっぷりです。
内引出しには低い土鍋を入れられるとのことで、高さ設定をしています。


取付け直後、さりげなく棚の上に乗せられた蒸籠がそのままディスプレイのようで素敵でした。
お庭の草花を一輪挿すだけでもグリーンが映えて絵になりそうです。

Eさま、この度は大変お世話になりました。
これから益々、ご家族団らんが賑やかで楽しい時間となりますように・・・。
今後ともどうぞよろしくお願い致します^^

シンプルで機能的、清々しい家具

2022-4-13

桜の季節が終わり、寂しさを感じる間もなく色とりどりの花が咲き始めました。
「散歩中、いろんなところでお花の香りがするよ。全部食べられるといいのになぁ」(ポ)
「拾い食いはやめましょうね~」(主)

我が家のモッコウバラもポツポツ開き始めました。
植物の生命力に元気をもらえます。日々、頑張っていきたいと思います。

さて、ご紹介が遅れましたが先月施工させて頂きましたF様の家具をご紹介致します。

ご新築マンションに合わせてカップボードとテレビボード、クロスやタイル工事などご依頼頂きました。
カップボードは間接照明を取り入れるため、予め電気配線から行いました。


吊戸棚がついて、間接照明が点灯されました。


タイルも施工して無事完成しました。
吊戸棚が木目で下台が白という組合せです。
圧迫感を解消するために逆のパターンはありますが、上部に重きをおいた配色は少ないかもしれません。


でもダイニングから見た時に納得しました。
インパクトのあるキッチン扉に調和するタイル、フローリングに色調が近い吊戸棚、そこから白い天板に下りてくる間接照明。
やわらかい反射光でキッチン全体が包まれるような雰囲気になりました。
キッチンの扉が難しいお色目でしたが、だからこその組合せだったような気がします。


収納内部もシンプルですが、機能的です。それぞれ使い易い高さ設定にさせて頂きました。


シンプルで凹凸がないフラットな扉は気持ちが良いです。
引出しの配置を考慮しつつ、ラインを通してスッキリ見せています。


リビングの壁面も装飾させて頂きました。


F様がセレクトされたライトグレーのクロスにテレビボードを宙に浮かせて施工致しました。
こちらも間接照明を仕込んで、シンプルながら幻想的な雰囲気です。


収納は両サイドが引出し、中央が前に倒れる扉になっています。


配線が表に見えないよう、壁掛けテレビの配線は上下の配線孔を通して収納内部に入ります。

当初はカップボードだけのご依頼でしたが、クロスを貼替える前の下地工事や配線工事など、先行できて良かったです。
何より、カップボードと色柄をリンクできてお部屋の統一感が生まれました。
お写真は撮れませんでしたが、F様がご購入された同系色の木枠ミラーが更に2つを繋いでいるようでとても素敵でした。

玄関ホールにも真っ白な清潔感のあるタイルを貼らせて頂きました。
爽やかで良い運気がたくさん入って来そうですね^^
F様、昨年から大変お世話になりました。
これからもどうぞよろしくお願い致します。

梁の凹凸にフィットするカップボード

2022-3-27

先月末にお届け致しましたM様のカップボードをご紹介させて頂きます。

以前、テレビボードを製作させて頂いてから約7年ぶりのお伺いでとても嬉しかったです。
当時小さかったお子様が大きくなられていて、我が子もそうですが月日が経つ早さに驚かされます。
3人のお子様の育児と仕事と家事を頑張っておられるMさまのお役に立てるよう、色々とご提案をさせて頂きました。

今回お声掛け頂いたのはカップボードですが、梁の凹凸があることで既製品の購入をずっとためらわれていたそうです。
梁とダクトスペースの下がり壁で2段の凹凸になっていて、どこで合わせるかが難しいところです。

天井いっぱいまで設けると吊戸棚で凹凸が出き、下がり天井までの高さに合わせると左側の梁で凹凸が出きてしまいます。
その後も何度かご要望をお伝え頂いて、下のようなプランで製作させて頂くことになりました。


ストック類の収納を冷蔵庫上に、吊戸棚は天井いっぱいまで設けられたいということで、このような形になりました。
冷蔵庫上収納を吊戸棚の奥行きに合わせて浅くすると、冷蔵庫が干渉してなかなか開閉できないので、手が届く位置まで奥行きを深くしています。
そして冷蔵庫上収納の右側面を、下がり天井に合わせることで、横から見たときの凹凸を極力少なくしています。

製作期間を経て、いざ施工です。
(ドイツ製ハンドルの入荷がコロナの関係で遅れてしまい、大変お待たせ致しました)

図の通り、梁と下がり天井の凹凸がかなり目立ちます。


下台は冷蔵庫に近い幅で、吊戸棚は下がり天井までピッタリ設けます。


冷蔵庫上に扉がつくと、予想以上にスッキリ見えてきました。


完成しました。
吊戸棚の面積が大きいため圧迫感が心配でしたが、マットな白が光を反射して明るく広く感じます。


ゴミ箱のサイズに合わせて最小限のゴミ箱スペースを設けています。


なかなか入荷しなかったハンドルですが良いアクセントになっています。
ハンドルレスのシンプルな扉よりも個人的には好きなデザインです。


冷蔵庫上の収納は、食品ストックや調理器具など多目的な収納に。
奥行きが深いので収納力が期待できそうです。


全体が真っ白も良いですが、天板にアクセントが入ることでメリハリが出来て垢抜けた印象です。
天板・タイル・扉の組合せをいくつかピックアップして選んで頂きました。
フローリングとも相性が良いカラートーンで、やわらかで温かみのある雰囲気になりました。


吊戸棚と引出し収納の幅が違うのですが、ほとんど違和感なく納まりました。
コンパクトでも収納力抜群のMさまらしいカップボードです。

Mさま、お打合せから楽しい時間をありがとうございました。
またこれからも家具共々お付き合いをどうぞよろしくお願い致します。

 

木目と白の爽やかカップボード

2022-3-18

仰げば尊し~
卒業や新たなスタート、色々な節目の季節ですね。
娘の卒業式、6年間の想い出に込み上げるものがありました。
激動の時代だからこそ、いま生きていることに日々感謝したいと思います。

さて、随分更新が遅れてしまいましたが先月施工させて頂きましたF様のカップボードをご紹介致します。
カップボードの設置場所は、リビングから見て奥まった左側のスペースです。
お伺い前にお写真を送って頂きました。

クローゼットやキッチンの扉が床に近いミディアム調の木目です。


同じく設置場所左横にも木目の扉が面積を占めていました。

全体を木目にすると重たい印象になってしまいそうですし、真っ白なカップボードも少し浮いてしまいそうな印象です。
お部屋の雰囲気とリンクしつつ、上部の重たさを軽減したプランで2案ご提案をさせて頂きました。

カウンター下はキッチンの木目に合わせて、吊戸棚をガラスや白い扉で抜きをつくるプランです。
異素材のタイルが入るとより垢抜けた印象になりそうです。

その後、F様のお好みのタイルを探して頂いて、何度かやり取りをさせて頂きました。

最終的に選んで頂いたのは青磁色で特徴のある形状のタイル。
貼る方向によって、印象も変わります。
バナナの葉型にも見える左下の貼り方向にてご準備させて頂くことになりました。

そして製作期間を経てお届けの日。

間接照明の配線や、コンセントを増設して下台を設置しました。


吊戸棚を天井にピッタリ設置して、タイルを貼っていきます。
間接照明が点くとテンションが上がります^^


左側の壁に合わせて天板を納めています。
下の巾木の形状に合わせて側板を切りかいでいるので、隙間が生じず美しく見えます。


完成しました。
青磁色のタイルに間接照明の光が映えて、マイナスイオンを発しているような爽やかさを感じます。


天板上のコンセント横の小さな丸ボタンを触れるだけで照明の入り切りが出来ます。
点灯するとタイルの凹凸が際立って、更に奥まで広く長く見えます。


キッチンと色味を合わせてもそれはそれで素敵かと思いますが、少し飽きを感じたかもしれません。
何より、F様がお気に入りのタイルに囲まれて特別な空間になったような気がします。


F様、大変長らくお待たせを致しました。
新生活、たくさん楽しまれてください^^
これからもよろしくお願い致します。

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