デザインコンパスブログ「ポッカポカ日和」

ミントグリーンの子供室インテリア

2024-6-25

先日、A様のデスク収納を製作させて頂きました。
大きな窓があるため壁に書棚が設けられず、脚を入れるスペースが狭いことがネックでした。

お嬢様がお好きなミントグリーンの壁紙とレースシェードに合わせて、爽やかで清々しい空間にしたいと思います。
 
シャーベットのような色の組合せ。
ちょっと柄を入れてワクワクする空間を目指します。


製作期間を頂いて、取付の日です。
1.9mの間口いっぱいカウンターを設けます。
これで教えてもらいながらのお勉強もゆったり余裕が出来そうです。


ちょっとした収納も、単色の扉よりもずっと垢抜けて見えます。


シェードの楕円模様と引出しの引手の形がリンクして、心地良い空間が出来上がりました。
デスクだけですが、間口いっぱいにスッキリ設けたことで、以前よりも随分お部屋が広く感じられます。

最近ある方に、とても嬉しいお言葉を頂きました。
「大事に作られた家具に囲まれていると、自己肯定感が生まれるんです」と。

居・食・住、どれも同じことが言えると思いますが、住に特化している立場として意識していきたいなぁと思います。
お子様が過ごす空間は特に、自己肯定感が生まれる空間づくり、もちろんワクワクもプラスして繋げていきたいです。

機能性とデザイン、どこにもない受付家具

2024-5-22

数年前に住宅の家具でお世話になったS様より、診療所の受付を作れますか?とご相談頂きました。
自動精算機の設置がきっかけでしたが、輸入住宅でクラシックなお部屋に合わせて素敵な雰囲気にされたいとのことでした。

 
今までは、165㎝のクラシックなテーブルにパソコン2台とプリンターを置かれていました。
同じサイズのままで自動精算機を乗せるととても窮屈で作業が難しい状態です。
足元が見えるテーブルなので床置きの配線機器を別の家具で隠すしかなく・・・何とかしたいと思います。

患者さんから足元や手元が隠れて且つ、デスク周りもスッキリと。
収納スペースと配線を隠すとなるとある程度のサイズが必要になりそうです。

左が以前の配置、右のようにL型でスタッフの方が二人座られても椅子が当たらないようにご提案させて頂きました。
何度もやりとりをさせて頂いて、このレイアウトに行き付きました。

患者さんからはお部屋のイメージに合わせた雰囲気に、スタッフさんからは機能的で明るく清潔感のある雰囲気に。
もちろん配線ルートも対策して、いざ製作です。
製作開始まで随分お待たせしました。

 
こちらは塗装前です。形になると私達もテンションが上がります。
コーナーは通常デッドスペースになりがちですが、貴重なスペースです。
ここに配線機器を集約する予定です。

※余談ですが、工場に隠れポッカが2ヶ所潜んでいます
(エアコンを使わない時だけ見えるダクトカバー・・・本当に余談でした^^;)


そしていよいよ設置の日。
塗装前とは別人のようです^^
搬入経路や将来的なことを考慮して分割して製作しました。


それぞれに置かれた機器からの配線がコーナーに集まる予定です。


完成しました。
どちらも患者さんから手元が見えにくい設計ですが、それぞれ意味のある高さになっています。
以前と比べてかなり大きな面積を占めていますが、むしろ以前よりスッキリ広く感じます。

 
一番動線が交わりやすい部分をアールにしたので、見た目の印象もやさしくなりました。


こちらはスタッフさんからの景色です。
引出しの数、作業台の広さ、見えない配線、どれも以前から随分改善されました。
院長先生を通してスタッフさんのご意見をお伝え頂いたおかげで、快適な空間が実現しました。
スタッフさんの居心地が良いと患者さんにも伝わって増々良い気が流れそうです^^


こちらは自動精算機設置後です。
院長先生が写真を送って頂きました。本当にスッキリ、シャキッとして素敵です^^
この自動精算機を囲うカバーも製作しました。
もちろん配線が見えにくいしくみになっています。


診察室へ行くドアと調色しているので、まるで新築時からのように違和感なく溶け込んでいます。
左のカウンターは診察券を出しやすく圧迫感の無い高さ、右のカウンターは近くを通る患者さんから見えにくい高さ。
用途に合わせての高さ設定でしたが、一緒にするより空間に変化が生まれて良い結果になりました。

設置を終えて、スタッフの方がわざわざ外まで感想を伝えに来てくださって、逆に私たちが感動しました。
こちらこそ昨年から随分お待たせしたにも関わらず快くご対応頂き、本当にありがとうございました。

行橋市のさかき矯正小児歯科の皆さま、大変お世話になりました。
ますますのご清栄をお祈りしております。

勾玉型のダイニングテーブル

2024-4-18

昨年11月、B様からご相談のお電話を頂きました。
ご新築マンションの入居前に、どうすれば快適な空間になるかのご相談でした。

一番は、ダイニングのレイアウトでした。
確かにダイニングの間口はゆっくりあるけど、窓との距離が狭く、難しい間取りです。

<左側:モデルルームのレイアウト>
〇長さがあるので、横幅はゆっくりプライバシーを保ち易い。大人だけのDinks向きレイアウト
▼向かい合う事ができない為、鍋物や焼き肉などでの団らんが取り辛い

<中央:一般的なダイニングテーブル>
〇向かい合っての食事がし易い 横向きにすれば窓側も広く使える
▼通常の配置だと窓側が狭い 横向きにすると短辺方向で向き合うため落ち着かない

<右側:今回のご提案テーブル>
〇全てが円弧になっているので座る場所を選ばない
〇窓との距離が確保できる
〇大きな弧の中心がLDKの中央に向くので、LDK全体の区切りがなく空間を広く感じられる

ということで、変形ですがメリットづくしの勾玉型テーブルをご採用頂きました。
この間取りのこの場所だけに合わせたBさまの為のダイニングテーブル。
規格の材料で最大確保できるサイズで製作させて頂きます。


大事な製作途中写真を撮り忘れて、お届けの日です^^;
この変形の勾玉型は、周囲を木端を小刻みにつなぎ合わせてから少しずつ削っていって形になります。


↑こちらは以前製作した楕円のテーブルですが、同じ様にこんな角角の状態から滑らかになるまで削っていく地道な作業です。
大量生産の規格品とは全く違う作り方になります。


さて、これはどこの何の写真でしょう・・・

テーブルの脚が極力干渉しないで済むよう2本脚にする分、それを壁側で支えるための仕掛けです。
白い板がテーブルの天板、アリ溝加工された木が壁に固定する受け桟です。
下から突き上げても簡単に外れないよう、職人高瀬のアイデアです。


受け桟にもテーブルと同じ化粧をして、天板をはめた状態で壁に取付けます。
この長い受け桟の間で、リビング側と腰窓側の左右にスライドができるような仕掛けです。


無事、取付きました。
円弧側の2席が、リビングに入ったときのこちら側に向いているので何とも温かい気持ちになります。


こちらは逆に、円弧側からの景色です。
LDK全体を見渡せる、一番の特等席。
行ってらっしゃい、お帰り、いらっしゃい・・・全ての声掛けをこの場所からしたくなります(勝手な妄想でスミマセン)
以前も書きましたが、円弧は気持ちを丸く和やかにする効果があります。
ご家族やお友達皆さんが楽しく過ごせる場所になりますように。
家具もなんだか嬉しそうです^^

次は書棚をご紹介します。

 

丸テーブルとシンボルタワー

2024-3-28

昨年、設計施工をさせて頂きましたマンションの空間づくり。
全貌は設計デザインサイトのブログでご紹介しておりますが、こちらでは家具の詳細をお伝えしたいと思います。
桜が開花して今が一番良い季節ですね^^

ダイニングテーブルを省スペースに配置するとき、アールの形状にすると上手くいくことがあります。
長方形だと座る位置が決まってしまいますが、丸いテーブルだとどの部分にも座ることが出来るからです。

こちらは盾のような形状ですが、テーブルの骨組みです。
こうやって小さな無垢材を角角に繋ぎ合わせてから、削って削って丸くしていきます。


滑らかになりました。
今回は縁の部分は無垢材に、天面は傷や汚れにもストレスのないメラミンを使用します。


こちらが設置場所。
急に宙に浮いた壁?と思いますが、是非全貌からご覧ください。


なぜテーブルの端に柱?
とお思いでしょうが、これでテーブルが自立することになります。


テーブルの設置場所に何やら頼もしいベースがスタンバイしています。


ここにじわじわとテーブルを挟んでいくわけです。
柱と土台と一体化したテーブルを、上の壁と挟むので更に強固になります。


こちら側が食卓スペース。
天井のダウンライトの入り切りとテーブル上で利用して頂けるコンセントを設けます。


それからインターホン周りの装飾を施して、上下が素敵に繋がっているように見せます。


完成しました。
キッチンからは、以前が「撤去できないネックになっていた壁」とはとても思えない素敵なシンボルタワーになりました。


リビングに入ってすぐの景色です。
明るい窓面に、ダイニングスペースのプライバシーが程良く守られています。
以前は個室だったので、この窓の光が全く入って来ない暗いキッチンでした。


コンパクトながら、空間を最大限に利用した楕円のテーブルです。
これが長方形のテーブルだと、こうはいきませんでした。
滑らかな円弧部分にお二人の座るスペースを、腰壁には10cm程の浅い収納を設けています。


この10cm程の浅い収納、限られた条件がなければ普通は作ることがありませんが、かなり便利なんです。
右側はSさんの「振り返ればドレッサー」スペースなのですが、その横はメイク道具。
そして中央はダイニングで使用するBOXティッシュや箸や調味料などなど‥
一歩も踏出さずにすぐとれて、開けると一望できる素敵な収納。
設計時はデザイン的な見え方重視で、それ程の効果は期待していませんでしたが、たくさんメリットがありました。


普段はかがまないとあまり見えないテーブルの脚ですが、こちらもSさんにこだわって頂きました。
サイドボードの框扉とお互いを引き立てあっているようです。

コンパクトですがふんわり優しく囲まれているようで、とても大好きな空間になりました。
その他の家具も次回またご紹介させて頂きます。

グレイッシュなお仏壇 & お揃いの拡張テーブル

2023-3-11

昨年末にお世話になりましたK様。
テレビボードを含むリビング空間が出来上がった直後に宿題を頂いておりました。

製作させて頂いたテレビボードに合うお仏壇 と、来客時のテーブルを考えて欲しいというご依頼でした。
製作に至るまで少し遠回りになりましたが、K様だけのオリジナルな家具をお届けすることが出来ました。

最初のご提案は、何か特別なものを造らなくては・・・と波紋状の扉や難しい仕掛け扉など、天然木にてご提案をさせて頂きました。
でもK様がご用意されているモダンなガラスの仏具や真鍮のお鈴(おりん)を見せて頂いて、方向性が決まりました。

フォルムはテレビボードと同じライトグレー、内部はワントーン深いグレー、そして背面には布地のような素材を使用する方向です。
お仏壇の扉も今まで閉めたことがほとんど無いということでした。
それならば、常にご対面できる状態で、空間にもご家族にも溶け込むデザインにしましょう!
とうことで、K様の特注お仏壇の製作です。


こちらは背中の姿。背面まで布地のような化粧板で仕上げています。


そして正面はこんな佇まいになりました。
グレイッシュでモダンなお仏壇。木目よりも仏具やご本尊様がより引き立って見える気がします。


お線香などの収納と、元々製作させて頂いていたお供えの一時置きカウンター。
どちらも重宝して頂けそうです。


テレビボードの設計当初は、テレビの横にお仏壇かぁ、困ったなぁというのが正直な感想でした。
お仏壇をインテリアに馴染ませるというのが、どうやっても難しいように思えたのですが、とても勉強になりました。
お仏壇は人目に付かない和室の隅にあるようなイメージでしたが、こちらの方が断然ご家族と一緒に居られてご先祖様も喜ばれていると思います。
背面の格子やタイルに差し込まれた変形のカウンターも、お仏壇を置いたことでまた活きたデザインになりました。

そして、もう一つのご要望でしたテーブルも同じ素材で製作させて頂きました。

こちらはご主人の書斎にデスクとして使用して頂く状態です。


折り畳んでいたパネル状の脚を広げます。


そして折り畳んでいた天板をパタンと倒します。


あっという間に90cm×140cmの大きなテーブルに早変わりしました。
来客時にリビングに移動してご利用頂く予定です。


お仏壇と同じく布地のような素材を使用しています。
布のような素材感ながらアルコール除菌水も使えて傷にも強い、良いとこ尽くしの天板です。


お孫さんが角にぶつかっても痛くないように、天板の周囲は面取りをしています。
メラミンだと貼り合せになってしまうので、無垢材を加工してエナメル塗装を施しました。
こちらもお仏壇内部のグレーに合わせて調色しています。


来客時にはテレビボードの前にテーブルを置かれるので、お仏壇とリンクしたデザインに驚かれるでしょうかそれとも気づかれないでしょうか・・・。
いずれにしてもK様らしい空間にまたアレンジさせて頂けて、本当に光栄でした。
昨年の仕上がったばかりの何もない空間よりも、生活される方のらしさが加わって空間が生き生きしているように思います。
K様、楽しいお仕事をさせて頂いてありがとうございました!
これからもお付き合いをよろしくお願い致します。

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