デザインコンパスブログ「ポッカポカ日和」

勾玉型のダイニングテーブル

2024-4-18

昨年11月、B様からご相談のお電話を頂きました。
ご新築マンションの入居前に、どうすれば快適な空間になるかのご相談でした。

一番は、ダイニングのレイアウトでした。
確かにダイニングの間口はゆっくりあるけど、窓との距離が狭く、難しい間取りです。

<左側:モデルルームのレイアウト>
〇長さがあるので、横幅はゆっくりプライバシーを保ち易い。大人だけのDinks向きレイアウト
▼向かい合う事ができない為、鍋物や焼き肉などでの団らんが取り辛い

<中央:一般的なダイニングテーブル>
〇向かい合っての食事がし易い 横向きにすれば窓側も広く使える
▼通常の配置だと窓側が狭い 横向きにすると短辺方向で向き合うため落ち着かない

<右側:今回のご提案テーブル>
〇全てが円弧になっているので座る場所を選ばない
〇窓との距離が確保できる
〇大きな弧の中心がLDKの中央に向くので、LDK全体の区切りがなく空間を広く感じられる

ということで、変形ですがメリットづくしの勾玉型テーブルをご採用頂きました。
この間取りのこの場所だけに合わせたBさまの為のダイニングテーブル。
規格の材料で最大確保できるサイズで製作させて頂きます。


大事な製作途中写真を撮り忘れて、お届けの日です^^;
この変形の勾玉型は、周囲を木端を小刻みにつなぎ合わせてから少しずつ削っていって形になります。


↑こちらは以前製作した楕円のテーブルですが、同じ様にこんな角角の状態から滑らかになるまで削っていく地道な作業です。
大量生産の規格品とは全く違う作り方になります。


さて、これはどこの何の写真でしょう・・・

テーブルの脚が極力干渉しないで済むよう2本脚にする分、それを壁側で支えるための仕掛けです。
白い板がテーブルの天板、アリ溝加工された木が壁に固定する受け桟です。
下から突き上げても簡単に外れないよう、職人高瀬のアイデアです。


受け桟にもテーブルと同じ化粧をして、天板をはめた状態で壁に取付けます。
この長い受け桟の間で、リビング側と腰窓側の左右にスライドができるような仕掛けです。


無事、取付きました。
円弧側の2席が、リビングに入ったときのこちら側に向いているので何とも温かい気持ちになります。


こちらは逆に、円弧側からの景色です。
LDK全体を見渡せる、一番の特等席。
行ってらっしゃい、お帰り、いらっしゃい・・・全ての声掛けをこの場所からしたくなります(勝手な妄想でスミマセン)
以前も書きましたが、円弧は気持ちを丸く和やかにする効果があります。
ご家族やお友達皆さんが楽しく過ごせる場所になりますように。
家具もなんだか嬉しそうです^^

次は書棚をご紹介します。

 

丸テーブルとシンボルタワー

2024-3-28

昨年、設計施工をさせて頂きましたマンションの空間づくり。
全貌は設計デザインサイトのブログでご紹介しておりますが、こちらでは家具の詳細をお伝えしたいと思います。
桜が開花して今が一番良い季節ですね^^

ダイニングテーブルを省スペースに配置するとき、アールの形状にすると上手くいくことがあります。
長方形だと座る位置が決まってしまいますが、丸いテーブルだとどの部分にも座ることが出来るからです。

こちらは盾のような形状ですが、テーブルの骨組みです。
こうやって小さな無垢材を角角に繋ぎ合わせてから、削って削って丸くしていきます。


滑らかになりました。
今回は縁の部分は無垢材に、天面は傷や汚れにもストレスのないメラミンを使用します。


こちらが設置場所。
急に宙に浮いた壁?と思いますが、是非全貌からご覧ください。


なぜテーブルの端に柱?
とお思いでしょうが、これでテーブルが自立することになります。


テーブルの設置場所に何やら頼もしいベースがスタンバイしています。


ここにじわじわとテーブルを挟んでいくわけです。
柱と土台と一体化したテーブルを、上の壁と挟むので更に強固になります。


こちら側が食卓スペース。
天井のダウンライトの入り切りとテーブル上で利用して頂けるコンセントを設けます。


それからインターホン周りの装飾を施して、上下が素敵に繋がっているように見せます。


完成しました。
キッチンからは、以前が「撤去できないネックになっていた壁」とはとても思えない素敵なシンボルタワーになりました。


リビングに入ってすぐの景色です。
明るい窓面に、ダイニングスペースのプライバシーが程良く守られています。
以前は個室だったので、この窓の光が全く入って来ない暗いキッチンでした。


コンパクトながら、空間を最大限に利用した楕円のテーブルです。
これが長方形のテーブルだと、こうはいきませんでした。
滑らかな円弧部分にお二人の座るスペースを、腰壁には10cm程の浅い収納を設けています。


この10cm程の浅い収納、限られた条件がなければ普通は作ることがありませんが、かなり便利なんです。
右側はSさんの「振り返ればドレッサー」スペースなのですが、その横はメイク道具。
そして中央はダイニングで使用するBOXティッシュや箸や調味料などなど‥
一歩も踏出さずにすぐとれて、開けると一望できる素敵な収納。
設計時はデザイン的な見え方重視で、それ程の効果は期待していませんでしたが、たくさんメリットがありました。


普段はかがまないとあまり見えないテーブルの脚ですが、こちらもSさんにこだわって頂きました。
サイドボードの框扉とお互いを引き立てあっているようです。

コンパクトですがふんわり優しく囲まれているようで、とても大好きな空間になりました。
その他の家具も次回またご紹介させて頂きます。

グレイッシュなお仏壇 & お揃いの拡張テーブル

2023-3-11

昨年末にお世話になりましたK様。
テレビボードを含むリビング空間が出来上がった直後に宿題を頂いておりました。

製作させて頂いたテレビボードに合うお仏壇 と、来客時のテーブルを考えて欲しいというご依頼でした。
製作に至るまで少し遠回りになりましたが、K様だけのオリジナルな家具をお届けすることが出来ました。

最初のご提案は、何か特別なものを造らなくては・・・と波紋状の扉や難しい仕掛け扉など、天然木にてご提案をさせて頂きました。
でもK様がご用意されているモダンなガラスの仏具や真鍮のお鈴(おりん)を見せて頂いて、方向性が決まりました。

フォルムはテレビボードと同じライトグレー、内部はワントーン深いグレー、そして背面には布地のような素材を使用する方向です。
お仏壇の扉も今まで閉めたことがほとんど無いということでした。
それならば、常にご対面できる状態で、空間にもご家族にも溶け込むデザインにしましょう!
とうことで、K様の特注お仏壇の製作です。


こちらは背中の姿。背面まで布地のような化粧板で仕上げています。


そして正面はこんな佇まいになりました。
グレイッシュでモダンなお仏壇。木目よりも仏具やご本尊様がより引き立って見える気がします。


お線香などの収納と、元々製作させて頂いていたお供えの一時置きカウンター。
どちらも重宝して頂けそうです。


テレビボードの設計当初は、テレビの横にお仏壇かぁ、困ったなぁというのが正直な感想でした。
お仏壇をインテリアに馴染ませるというのが、どうやっても難しいように思えたのですが、とても勉強になりました。
お仏壇は人目に付かない和室の隅にあるようなイメージでしたが、こちらの方が断然ご家族と一緒に居られてご先祖様も喜ばれていると思います。
背面の格子やタイルに差し込まれた変形のカウンターも、お仏壇を置いたことでまた活きたデザインになりました。

そして、もう一つのご要望でしたテーブルも同じ素材で製作させて頂きました。

こちらはご主人の書斎にデスクとして使用して頂く状態です。


折り畳んでいたパネル状の脚を広げます。


そして折り畳んでいた天板をパタンと倒します。


あっという間に90cm×140cmの大きなテーブルに早変わりしました。
来客時にリビングに移動してご利用頂く予定です。


お仏壇と同じく布地のような素材を使用しています。
布のような素材感ながらアルコール除菌水も使えて傷にも強い、良いとこ尽くしの天板です。


お孫さんが角にぶつかっても痛くないように、天板の周囲は面取りをしています。
メラミンだと貼り合せになってしまうので、無垢材を加工してエナメル塗装を施しました。
こちらもお仏壇内部のグレーに合わせて調色しています。


来客時にはテレビボードの前にテーブルを置かれるので、お仏壇とリンクしたデザインに驚かれるでしょうかそれとも気づかれないでしょうか・・・。
いずれにしてもK様らしい空間にまたアレンジさせて頂けて、本当に光栄でした。
昨年の仕上がったばかりの何もない空間よりも、生活される方のらしさが加わって空間が生き生きしているように思います。
K様、楽しいお仕事をさせて頂いてありがとうございました!
これからもお付き合いをよろしくお願い致します。

シンプルエレガントなテーブル&TVボード

2023-3-6

一昨年カップボードでお世話になりましたT様。
今度はテレビボードとダイニングテーブルでご相談頂きました。
テーブルは当初既製品をご検討されていましたが、テレビボードとお揃いでインテリアに合う色にされたいとのことでした。

テーブルは丸テーブルで、脚は出来るだけ座ったときに干渉しない形状で。
そして脚の色はシャンパンゴールドをご希望でした。

こちらは無垢材で製作した脚です。
3本脚をご希望でしたが、強度を保つと太くなります。
木目だとそれが良い印象になりますが、シャンパンゴールドは金属質が強く出そうです。
色や質感によって似合う太さが変わってくるので、とても難しく正直なところ正解が分かりませんでした。


こちらは色見本です。
シャンパンゴールドと一口に言っても人によって想像する色が違うので、ニュアンスを伝えて作ってもらいまいした。
本当は白っぽい絹ような色をご希望されていましたが、メタリックに白が入ると単色に近くなるそうで、塗装屋さんを悩ませました。
天板の色がほんのりピンクが入っているので、相性の良い一番左のシャンパンゴールドで製作させて頂くことになりました。
いつも頼りになる塗装屋さんです^^


設置させて頂きました。
遠方にお住まいでメールでのやり取りでしたのでとても心配でしたが、気に入って頂けました。
天板は削ぎ面にすることで、くびれた脚ともバランス良く美しい佇まいになりました。


ほんのりピンクのやさしい石目柄がエレガントでやさしい印象です。
奥のテレビボードもお揃いで製作させて頂きました。


シンプルですが、こちらも脚はテーブルとお揃いのシャンパンゴールドで統一されています。


シンプルですが、色や細かい形状にこだわって頂いたことでT様らしい家具になったような気がします。
これからお引越しされてアイテムが増えてもきっと良い役割をしてくれると思います。
T様、昨年から大変お世話になりました。
素敵な新生活となりますようにお祈りしております^^

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