デザインコンパスブログ「ポッカポカ日和」

形に残るものづくりをしてみませんか?

2022-6-28

デザインコンパスを始業して10年。これまでずっと二人で歩んできましたが、
9月の工場引っ越しを機に、家具職人として一緒に働いてくれる方を募集します。

単純に家具を造るだけの仕事ではありません。
既製品のように誰が使うか分からない物を大量生産することはなく、
そこに住まう人使う人が居て、その人とその場所に合った家具と空間を造ります。
だから同じ物を造ることはなく、その人だからこうなったという家具を造ります。
また造り付ける家具が多い為、下地の状況を把握して隙間なく家具を納めたり、照明や様々な仕上げ材を取り入れたり、建築知識も学べます。
目の前で空間が変わっていく様子は何年経っても毎回感動させられます。
そしてお客様に喜んで頂けることが糧になり、また良い物をつくりたいと思えます。
人が居て、心があって、作品に繋がります。
知識や技術はその後についてきますので、未経験の方でも大丈夫です。

子供のころに図工が得意だった方、プラモデルに夢中になった方、物づくりが大好きな方、きっととても遣り甲斐のある一生のお仕事になるかと思います。
工場までの交通機関が整っていないため車通勤が可能な方と、工場で燃える資材が多いためタバコを吸わない方だけが条件です。

ご興味のある方はお問合せよりメールにてご連絡ください。

おかげさまで10周年を迎えました。

2022-4-2

2012年4月1日にデザインコンパスという名前で起業して10年。
お客様に導いて頂きながら、歩んで来ることができました。

当時は何の当てもないのに独立なんてと二人で踏み切るまでに時間がかかりました。
最初は compass ではなく、文房具のコンパスをkに見立てた kompass 。
刺さると痛そうなとげとげしたデザインの名刺でリフォーム業から始めました。
家具を造るにはそれなりに広い場所と機械も要るのでなかなか踏み出せなかった時に、今の場所に出会いました。
トイレもエアコンもないコンパクトだけど私たちにはこれ以上ない最適な場所。エイヤー!で desgin compassを始めることができました。

たくさんの人に支えられてあれから10年。
新たな場所に製作の場を移すことになりました。


といっても測量図のない田んぼの土地に構想してから一年以上。
地元の方の同意や農地転用、開発行為、建物の構造や設計、初めてのことばかりで試練も多く、
各分野のスペシャリストの方々に本当にお世話になっております。

これから完成までに半年間。
更にたくさんの方に喜んでもらえるよう、ポッカポカな気持ちで取り組みたいです。

「僕の運動場もできるのかなぁ。引越しは僕が元気なうちにしてね。」

愛犬ポッカも13歳。運動場はできませんが連れていける日が楽しみです^^

新たな目標に向かって、「ヤー!」
これからのデザインコンパスもどうぞよろしくお願いします。

整理整頓しやすい空間

2021-11-26

気付けば1カ月更新を怠っておりました。
ただいま年末年始にお届けの家具を毎日製作中です。
ご提案とお届けを少々お待たせしておりますが、フル稼働しておりますのでどうぞよろしくお願い致します。

昔お世話になった方のご紹介でO様のリフォーム工事をさせて頂きました。
築25年のマンションで初めてのリフォーム工事です。

和室や他の洋室があるものの暗く、荷物を押し込むスペースとなってしまい、有効利用が出来ていませんでした。

キッチンカウンター周りもつい物を置いてしまうスペースに・・・。
掲示物もバラバラで見辛く、ダイニングテーブルの背後にはパソコンデスクがポツンと置いてある状態でした。

そこで、図のようにLDKで就寝以外の全てのことが整うように、充実した収納を設けさせて頂きました。
床繋がりのワンルームで物の居場所が決まるとおのずと片付け易くなります。

工期は約3週間。浴室やキッチンも取替えるので、期間中はお近くに仮住まいして頂いて施工させて頂きました。

O様には高過ぎて殆ど使えていなかった吊戸棚。
キッチンはメーカー品で対応させて頂きます。


暗かった和室を解体すると、押入だった奥まで光が入るようになりました。


キッチン側面の腰壁を撤去して、以前より10cm程広いキッチンを設置します。
大きな梁は築年数が経ったマンション程つきものです。


床、壁、天井ともにコンクリートの下地です。
解体が終わった後の、床のフェルト剥がし、壁紙の剥がしと下処理は大変でした。
職人の皆様、本当にありがとうございました。


ようやく完成しました。
ダイニングの目立つ梁は敢えて色を入れ、壁面に目が行くようにアクセントクロスにさせて頂きました。
キッチンカウンターに物を置かなくて済むようカウンター下にスペースを設けています。


開口部の高さに合わせてコルクボードを設置しました。
掲示物はこの中に納めて頂くとスッキリ見えそうです。


スチール製のパソコンデスクは処分して頂いて、収納を兼ねたデスクカウンターでスッキリ見えるようになりました。
ダイニングテーブルから振り向けば、椅子はそのまま利用して頂けるパソコンデスクに。無駄が無いゼロ動線です。


キッチンの吊戸棚は10cm下げて、且つ収納が電動で降りてきます。
キッチンメーカーならではの良いアイテムを活用させて頂きました。
キッチン側面の腰壁がなくなったことでより明るく見えます。


以前の和室でした場所にウォークインクローゼットを設置しました。
ミラーが付いた面と可動棚が付いた部分まで以前は押入でしたが、壁の凹凸も無駄にならずに済みました。
左のハンガーは極力見通せるように既製品を使用しています。
壁がコンクリートで固定が難しい点もありましたが、箱状の家具で製作するより省スペースでウォークインクローゼットには最適でした。


右側は押入代わりの中段と枕棚を設置しています。
中段下には扇風機や季節物の家電が入るような高さ設定です。
押入の襖があると出し入れし辛いですが、こうして見通せると物の居場所が一目瞭然。
リビングから必要な物がすぐに取り出せそうです。

ここ数年はお陰様で家具のボリュームが大きく、リフォーム工事まで手が回らない現状ではありますが、
家具だけでは改善されない場合ももちろんたくさんあります。
柔軟に対応できるようアンテナをピンと張って努めたいと思っておりますので、どうぞよろしくお願い致します。

O様、この度は大変お世話になりました。

キッチン空間のイメージチェンジ

2021-10-21

N様のキッチンを新しくリフォームさせて頂きました。
といっても、完全に新しくさせて頂いたのはカップボードです。
キッチンのベースはそのままに、扉と壁面を新しくして全体のイメージチェンジをさせて頂きました。


L字型のコンパクトなキッチンです。
人工大理石の天板の取替えはなかなか大変ですし、食洗機を組込んだりシンクを大きくしたり等の機能面での変更が寸法的に出来ませんでした。
そこでキッチン側は扉とタイルの壁面を新しくして、気持ちがUP↑するキッチン空間を目指します^^


カップボード側は、レンジがギリギリ乗る限られた奥行きです。
ガスコンロ側の奥行きは更に狭まっていて、入口近くの寸法で製作するとガスコンロ横の扉が開かなくなりそうです。
そして手前に大きく下がった梁も・・・空間を最大限に利用したいと思います。

工事は3回に分けて入らせて頂きました。
まず初日はカップボードの設置です。

ガスコンロ側は少し奥行きを控えて製作しています。


でもそんな違和感を感じさせないよう、天板は美しく滑らかなラインで枠ギリギリに納めています。


吊戸棚の設置も、現場の状況に合わせた造り方をしています。
手前に大きく下がった梁に合わせて、高さの違うキャビネットを分割して設置していきます。


カップボードが完成しました。
吊戸棚を分割して設置したはずですが、その後に化粧材を一枚貼り付けているため、普段見えない底面ですが全く継ぎ目が見えません。
ダウンライトも点いて美しく納まりました。
そして、キッチンの下台の扉も新しく変わっています。
段々とテンションが上がっていきます^^


その後、一期工事でキッチンの吊戸棚を撤去しました。
下地の状況を把握して美しく納めるには、撤去をしないと製作寸法が出ません。
しばらくご不便をお掛けしましたが、この状態で採寸して製作期間を頂きました。


そして、二期工事です。
キッチンの吊戸棚を設置しました。
継ぎはぎになっているタイル面には、調味料棚を取付けるための下地を入れています。


最後の三期工事。
レンジフードを一旦外してキッチンパネルを施工していきます。
タイルの上から施工が出来ますが、凹凸や歪な形状に合わせて加工するため時間もかかります。


ようやく完成です。
真っ白なパールトーンの扉にダークな石調のパネルが映えるモダンなキッチンに生まれ変わりました。
最初から誂えたコの字型キッチンのようです。


以前と同じアングルで。
キッチン側の機能面は殆ど変わっていないのですが、以前の暗いイメージが一掃されてまるでホテルの空間に居るようです。
水栓金具や照明器具も新しく変えさせて頂きました。


カップボード側は天井まで隙間なく、そしてカウンターと吊戸棚のラインを揃えることで、以前よりぐんと広く見えるようになりました。
パネルを合わせたことも視覚的な効果に繋がっている気がします。


奥行き40cmしか確保できなかったガスコンロ側のスペースですが、炊飯ジャーを横向きに置くことで空間を有効活用しています。
炊飯ジャーを下に組込めたことで、カウンター上に今まで無かった盛付けや一時置きのスペースが生まれました。


手前右側の壁に埋め込まれた書棚は、5年前。
手前左側の壁面収納は4年前に製作させて頂いた家具たちです。
一斉に工事をしていたら・・・おそらくそれぞれこの形にはならなかったかもしれません。
その時々のご家族の状況と、不便に感じていることや必要な収納など、その都度真剣に向き合って頂いたことで、よりN様らしい空間に近づけたと思っています。

N様、この度も大変お世話になりました。
少し寂しい気もしますが、またいつでもお声掛け下さい^^

キッチン収納あれこれ

2021-10-4

気付けば1カ月ぶりの更新です。
只今通常よりもプランニングにお日にちを頂いております。
お待たせ致しますが、順にご案内しておりますのでどうぞよろしくお願い致します。

さて、昨年お世話になりましたN様宅のキッチン収納をリフォームさせて頂きました。
昨年ご紹介できなかった部分も含めて、ご紹介させて頂きます。

もともとパナソニックさんの立派なL字型オーダーメイドキッチンに、ダイニングに面してカウンターが誂えてありました。
一見、かなりの収納量と収納場所がありそうなイメージでしたが、細かく拝見すると使い辛い点も見えてきました。


例えばカウンター下のスペース。おそらく食事ができるカウンターとして造られたのだと思います。
ただ空いているだけなので、根菜や食品ストック用の木箱を置かれていましたが、重たい箱を擦らせて出し入れされていました。


こちらはダイニング側。
やはり空いているだけなので見せたくない物が見えてしまい、また右奥の収納も天板よりかなり奥まっていて上手く使えていませんでした。


大きなレンジフード横の棚も出来れば見せたくないものの、調味料やレードルなど手元で使いたいアイテムがたくさんあります。

そこで、カウンター周辺の収納を大幅にリニューアルさせて頂くことになりました。

オペ中・・・いえ、カウンター下をごっそり抜いた状態です。
今となっては懐かしく思いますが、当時はお住まいながらN様はもちろん、職人皆様にご苦労をお掛けしました。
人工大理石の天板はそのままに、その下の収納を充実させる予定です。


天板と同じ形状で台輪を設置していきます。
奥のガスレンジ横もごっそり無くなっている状態です。


本体が取付きました。
上部はダイニングからの小引出しになっていて、キッチン側からも同じように奥行きの浅い引出しになります。
下はキッチン側からの収納を優先して化粧パネルになります。


何事もなかったかのように美しく納まりました。
コーナー部分は敢えてリブパネルを使用してお部屋のアクセントとさせて頂きました。
レンジフードやキッチンパネルも新しくなっています。
まだこの時点ではガス周りがリビングから丸見えですが・・・。


完成しました。
以前の記憶が思い出せない程、最初から誂えたようにぴったりの収納が出来上がりました。


ガス横はレードル類と調味料、それぞれ引き出したまま調理が出来るのでとても便利になりました。
見えていても整理されているので逆にインテリアになりそうです。


こちらはダイニングから隠すためのトールキャビネット。
上部は両面ハッチになっていて、どちらもガラス扉なのでお気に入りのカップ&ソーサーなど並べて頂くと出し入れはもちろん、見せる収納になります。
コーヒーメーカーや電子ポットは、見せたくないので背面を隠していますが・・・


ダイニングからはこんな風に開けることができます。
キッチンへまわらずにスマートにお茶やコーヒーを淹れることができそうです。


以前、根菜の木箱を置かれていたスペースがこんなに便利なゴミ箱スペースになりました。
引出しを開けると同時にフタが開いた状態のゴミ箱が引き出され、ソフトクローズ式で閉めると同時にフタが閉まるしくみです。


以前は収納スペースはあるものの、その殆どが奥に何が入っているか分り辛い開き扉でした。
今回、全て使い勝手の良い引出しになったことで、鍋ふた専用スペースまで出来ていました^^


以前は丸見えだったガスコンロ周りもトールキャビネットが出来たことで、死角になるだけでなく空間に締まりが出来たような気がします。
ここまでは昨年ご紹介できなかったキッチンリフォームでしたが、先日シンク周りのプチリフォームをさせて頂きました。


シンク上の吊戸棚は、N様には高過ぎて殆ど使わない頻度の低い物しか収納されていませんでした。


吊戸棚の下に、目線で出し入れできるアイレベル収納を設けました。
片手で軽く開いて、閉める時もゆっくり閉まるので出し入れのストレスがありません。
一番左は水切り棚になっているので、洗った食器の一時置きに便利です。


そして今まで届かずに使えていなかった吊戸棚に昇降棚を設けました。


収納面積は減るものの、殆ど使わない収納場所から良く使うアイテムの収納場所になりました。


そしてその横にはトレイの専用スペースを設けました。
トレイは薄いけど場所をとるので、意外に収納場所に困るアイテムかもしれません。
どうせ届かず使い辛い場所ならこんな使い方もアリですね。
仕切り板は自由に抜き差しできるので、トレイ以外の用途にも融通が利きそうです。

キッチンのシンクや天板は変えずに収納だけをリフォームさせて頂きました。
収納面積はそれ程変わっていないはずですが、上から見下ろせて一望できる引出しや、目線で見える高さなど、使い勝手の面で劇的に変わったような気がします。
適材適所―。物に対しては使わない言葉かもしれませんが、その用途に合った居場所とその容量が出来たことで、予想以上のパフォーマンスを発揮してくれているようです。

N様、ちょうど一年越しでしたが、大変お世話になりました。
また家具共々末永くよろしくお願い致します。

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