デザインコンパスブログ「ポッカポカ日和」

機能的な収納とプライベートな空間づくり

2022-4-27

Tさまのご新築マンションに合わせて、機能的な収納とプライベートスペースの雰囲気づくりをさせて頂きました。
昨年秋に初めてお会いして何度かやり取りさせて頂いて半年、お引越し前の先月にお届けすることが出来ました。
遅くなりましたが、ご紹介をさせて頂きます。

まず、機能面での家具はキッチンとクローゼット。
キッチンは引違いの扉だけ既に備わっていましたので、内部を造作させて頂きました。

扉を外した状態です。
なかなか引戸の中のこのスペースを既製品で工夫しようとなると、メタルラックを組み合わせて置くなど空間利用が難しいかもしれません。


お手持ちの家電や食器、食品ストックなど綿密にお打合せさせて頂きました。
左側は食器用の4段引出しと作業台、上部は可動棚になります。


右側はレンジ、トースター、炊飯ジャー、ゴミ箱等、それぞれ特等席を設けています。
中央の仕切りが分厚いのは、引違い扉の重ね代になります。


完成してお引越し直後に拝見しましたお写真です。
居場所が一目瞭然、気持が良いくらいスッキリ整理されていました。
左側にもお手製の大切な食器やアイテムを美しく収納されていて、こちらまで嬉しくなりました^^


多目的な収納場所になるフリースペースにも可動棚を設置させて頂きました。
ご新築でお引渡し後でしたので、棚を受けるレールは下地がある場所に直付けでしたが、フレキシブルに棚の高さが調節できるのでとても便利です。
右側の浅い奥行きには、正面掛けのコートハンガーが上下に数枚掛けられて自由な高さに設定ができます。

機能的な収納とは別に、リビングの装飾もさせて頂きました。

大画面テレビを壁掛けにされるのに、内覧会の際に画面サイズの紙をご用意して頂きました。
おかげさまで高さ設定などのやり取りがとてもスムーズでした。
テレビ面にエコカラットタイルをということでしたので、左側の折り返し壁まで貼らせて頂くことになりました。


大判のタイルを美しく貼っていきます。
正面だけ貼るよりも格段にお部屋が広く美しく見えます。


将来バータイプのスピーカーを置くかもしれないとのことで、テレビ画面より少し幅広い棚も設置させて頂きました。
テレビの機器類は背面壁裏の多目的スペースに格納できるよう配線処理がされています。
何もない白い壁にテレビ画面があるよりも遥かに素敵に見えました。

お仕事スペース兼寝室になるプライベートスペースにも造作させて頂きました。

コーナーに壁の凹凸がありますが、L字型にカウンター収納を設けていきます。


一体では到底入らないので、組み立てながら設置していきます。


窓側にはデスクカウンター、左サイドには書棚が設置されます。


Tさまがこだわられたウォールナット無垢の天板。
コーナーのジョイントが難しい形状でしたが、美しく納めていきます。


完成しました。
天板がL字に繋がったことで、何も無い空間に比べてより広がりを感じます。
無垢の滑々した手触りが気持ち良いTさまの大切なワークスペースです。


こちらもお引越し後にお写真を撮らせて頂きました。
すっかりTさまの空間になっていてとても嬉しかったです。
ふと自分のデスク周りを振返ってしまいました(汗)

Tさま、お母様、お打合せ時からたくさんのお心遣いをありがとうございました。
施工直後よりもお引越し後、お伺いする度に愛情がたくさんのお部屋が喜んでいるようで、こちらまで嬉しくなりました。
これからも家具共々、お付き合いをよろしくお願い致します!

タモ材と白。唯一無二のカップボード

2022-4-23

今月初めにお届けしましたEさまのカップボードをご紹介させて頂きます。

最初にお会いした時は、こちらにお越し頂いて、お話しだけお伺いしました。
その時は、「漆喰の壁なので、カップボードは白で、壁の凹凸を解消したい」というおおまかなご要望だったように思います。
そして最初は下のようにシンプルなデザインでご提案をさせて頂きました。

冷蔵庫の後ろの壁が凹んでいるので、カウンターもそれに合わせた旗竿型に。隙間なくスッキリ広く設置する方向です。
上部は扉のない箱状の棚のみ。見せるボックスを置かれては?とお話ししました。
極シンプルな家具に、飾られる物が映えるカジュアルな印象です。

後日、ご自宅にお伺いしてその印象が変わりました。
漆喰の壁と無垢の床、玄関からリビングに入るまでのワクワク感、大きなFIX窓から見える木々の景色、趣きのある薪暖炉。
新建材で作られた空間とは違うゆっくりした時間の流れを感じました。
その場で、白を基調にした中に天然木を入れましょう!ということで、ご提案をさせて頂きました。

フォルムは大きく変わりませんが、上部の棚受けは、Eさまのご希望で金物ではなく無垢材で造ることになりました。
オープンスペースに棚受けと同じタモ材を使用することで、当初のプランよりぐっとEさまのお部屋に近づいた気がします。
食器がどれだけ入るかのシュミレーションから、ミリ単位で高さ設定もさせて頂きました。


製作期間を頂いて、施工当日。
冷蔵庫後ろの壁が凹んでいるのが分かります。


造り手が閉じ込められているようですが、こんな形状で壁にぴったり造り付けます。


壁に設置しました。
以前はこの凹み部分が使えないデッドスペースになっていましたが、天板が伸びるだけで広い作業スペースになりました。
天板上にコンセントも増設します。


天板下は見えないところも美しく、壁の出隅に合わせてタモ材を使用しています。


棚を取付けました。
このブラケットは木の厚さや高さ、形状にも悩みました。
下台とのバランスから大き過ぎても不格好になります。かといって滑らかで華奢なラインでは雰囲気が合いません。
あえて無骨さを残して、コンパクトなサイズで製作しました。


完成しました。
爽快で清潔感を感じる白の中に、木目が映えるEさまだけのカップボードです。
たくさんある白の中からダイニングテーブルや漆喰に合う白を選んで頂きました。
天板の厚みもEさまのご希望で薄くしたことで、洗練された印象です。


収納量もたっぷりです。
内引出しには低い土鍋を入れられるとのことで、高さ設定をしています。


取付け直後、さりげなく棚の上に乗せられた蒸籠がそのままディスプレイのようで素敵でした。
お庭の草花を一輪挿すだけでもグリーンが映えて絵になりそうです。

Eさま、この度は大変お世話になりました。
これから益々、ご家族団らんが賑やかで楽しい時間となりますように・・・。
今後ともどうぞよろしくお願い致します^^

シンプルで機能的、清々しい家具

2022-4-13

桜の季節が終わり、寂しさを感じる間もなく色とりどりの花が咲き始めました。
「散歩中、いろんなところでお花の香りがするよ。全部食べられるといいのになぁ」(ポ)
「拾い食いはやめましょうね~」(主)

我が家のモッコウバラもポツポツ開き始めました。
植物の生命力に元気をもらえます。日々、頑張っていきたいと思います。

さて、ご紹介が遅れましたが先月施工させて頂きましたF様の家具をご紹介致します。

ご新築マンションに合わせてカップボードとテレビボード、クロスやタイル工事などご依頼頂きました。
カップボードは間接照明を取り入れるため、予め電気配線から行いました。


吊戸棚がついて、間接照明が点灯されました。


タイルも施工して無事完成しました。
吊戸棚が木目で下台が白という組合せです。
圧迫感を解消するために逆のパターンはありますが、上部に重きをおいた配色は少ないかもしれません。


でもダイニングから見た時に納得しました。
インパクトのあるキッチン扉に調和するタイル、フローリングに色調が近い吊戸棚、そこから白い天板に下りてくる間接照明。
やわらかい反射光でキッチン全体が包まれるような雰囲気になりました。
キッチンの扉が難しいお色目でしたが、だからこその組合せだったような気がします。


収納内部もシンプルですが、機能的です。それぞれ使い易い高さ設定にさせて頂きました。


シンプルで凹凸がないフラットな扉は気持ちが良いです。
引出しの配置を考慮しつつ、ラインを通してスッキリ見せています。


リビングの壁面も装飾させて頂きました。


F様がセレクトされたライトグレーのクロスにテレビボードを宙に浮かせて施工致しました。
こちらも間接照明を仕込んで、シンプルながら幻想的な雰囲気です。


収納は両サイドが引出し、中央が前に倒れる扉になっています。


配線が表に見えないよう、壁掛けテレビの配線は上下の配線孔を通して収納内部に入ります。

当初はカップボードだけのご依頼でしたが、クロスを貼替える前の下地工事や配線工事など、先行できて良かったです。
何より、カップボードと色柄をリンクできてお部屋の統一感が生まれました。
お写真は撮れませんでしたが、F様がご購入された同系色の木枠ミラーが更に2つを繋いでいるようでとても素敵でした。

玄関ホールにも真っ白な清潔感のあるタイルを貼らせて頂きました。
爽やかで良い運気がたくさん入って来そうですね^^
F様、昨年から大変お世話になりました。
これからもどうぞよろしくお願い致します。

おかげさまで10周年を迎えました。

2022-4-2

2012年4月1日にデザインコンパスという名前で起業して10年。
お客様に導いて頂きながら、歩んで来ることができました。

当時は何の当てもないのに独立なんてと二人で踏み切るまでに時間がかかりました。
最初は compass ではなく、文房具のコンパスをkに見立てた kompass 。
刺さると痛そうなとげとげしたデザインの名刺でリフォーム業から始めました。
家具を造るにはそれなりに広い場所と機械も要るのでなかなか踏み出せなかった時に、今の場所に出会いました。
トイレもエアコンもないコンパクトだけど私たちにはこれ以上ない最適な場所。エイヤー!で desgin compassを始めることができました。

たくさんの人に支えられてあれから10年。
新たな場所に製作の場を移すことになりました。


といっても測量図のない田んぼの土地に構想してから一年以上。
地元の方の同意や農地転用、開発行為、建物の構造や設計、初めてのことばかりで試練も多く、
各分野のスペシャリストの方々に本当にお世話になっております。

これから完成までに半年間。
更にたくさんの方に喜んでもらえるよう、ポッカポカな気持ちで取り組みたいです。

「僕の運動場もできるのかなぁ。引越しは僕が元気なうちにしてね。」

愛犬ポッカも13歳。運動場はできませんが連れていける日が楽しみです^^

新たな目標に向かって、「ヤー!」
これからのデザインコンパスもどうぞよろしくお願いします。

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