デザインコンパスブログ「ポッカポカ日和」

おかげさまで10周年を迎えました。

2022-4-2

2012年4月1日にデザインコンパスという名前で起業して10年。
お客様に導いて頂きながら、歩んで来ることができました。

当時は何の当てもないのに独立なんてと二人で踏み切るまでに時間がかかりました。
最初は compass ではなく、文房具のコンパスをkに見立てた kompass 。
刺さると痛そうなとげとげしたデザインの名刺でリフォーム業から始めました。
家具を造るにはそれなりに広い場所と機械も要るのでなかなか踏み出せなかった時に、今の場所に出会いました。
トイレもエアコンもないコンパクトだけど私たちにはこれ以上ない最適な場所。エイヤー!で desgin compassを始めることができました。

たくさんの人に支えられてあれから10年。
新たな場所に製作の場を移すことになりました。


といっても測量図のない田んぼの土地に構想してから一年以上。
地元の方の同意や農地転用、開発行為、建物の構造や設計、初めてのことばかりで試練も多く、
各分野のスペシャリストの方々に本当にお世話になっております。

これから完成までに半年間。
更にたくさんの方に喜んでもらえるよう、ポッカポカな気持ちで取り組みたいです。

「僕の運動場もできるのかなぁ。引越しは僕が元気なうちにしてね。」

愛犬ポッカも13歳。運動場はできませんが連れていける日が楽しみです^^

新たな目標に向かって、「ヤー!」
これからのデザインコンパスもどうぞよろしくお願いします。

梁の凹凸にフィットするカップボード

2022-3-27

先月末にお届け致しましたM様のカップボードをご紹介させて頂きます。

以前、テレビボードを製作させて頂いてから約7年ぶりのお伺いでとても嬉しかったです。
当時小さかったお子様が大きくなられていて、我が子もそうですが月日が経つ早さに驚かされます。
3人のお子様の育児と仕事と家事を頑張っておられるMさまのお役に立てるよう、色々とご提案をさせて頂きました。

今回お声掛け頂いたのはカップボードですが、梁の凹凸があることで既製品の購入をずっとためらわれていたそうです。
梁とダクトスペースの下がり壁で2段の凹凸になっていて、どこで合わせるかが難しいところです。

天井いっぱいまで設けると吊戸棚で凹凸が出き、下がり天井までの高さに合わせると左側の梁で凹凸が出きてしまいます。
その後も何度かご要望をお伝え頂いて、下のようなプランで製作させて頂くことになりました。


ストック類の収納を冷蔵庫上に、吊戸棚は天井いっぱいまで設けられたいということで、このような形になりました。
冷蔵庫上収納を吊戸棚の奥行きに合わせて浅くすると、冷蔵庫が干渉してなかなか開閉できないので、手が届く位置まで奥行きを深くしています。
そして冷蔵庫上収納の右側面を、下がり天井に合わせることで、横から見たときの凹凸を極力少なくしています。

製作期間を経て、いざ施工です。
(ドイツ製ハンドルの入荷がコロナの関係で遅れてしまい、大変お待たせ致しました)

図の通り、梁と下がり天井の凹凸がかなり目立ちます。


下台は冷蔵庫に近い幅で、吊戸棚は下がり天井までピッタリ設けます。


冷蔵庫上に扉がつくと、予想以上にスッキリ見えてきました。


完成しました。
吊戸棚の面積が大きいため圧迫感が心配でしたが、マットな白が光を反射して明るく広く感じます。


ゴミ箱のサイズに合わせて最小限のゴミ箱スペースを設けています。


なかなか入荷しなかったハンドルですが良いアクセントになっています。
ハンドルレスのシンプルな扉よりも個人的には好きなデザインです。


冷蔵庫上の収納は、食品ストックや調理器具など多目的な収納に。
奥行きが深いので収納力が期待できそうです。


全体が真っ白も良いですが、天板にアクセントが入ることでメリハリが出来て垢抜けた印象です。
天板・タイル・扉の組合せをいくつかピックアップして選んで頂きました。
フローリングとも相性が良いカラートーンで、やわらかで温かみのある雰囲気になりました。


吊戸棚と引出し収納の幅が違うのですが、ほとんど違和感なく納まりました。
コンパクトでも収納力抜群のMさまらしいカップボードです。

Mさま、お打合せから楽しい時間をありがとうございました。
またこれからも家具共々お付き合いをどうぞよろしくお願い致します。

 

木目と白の爽やかカップボード

2022-3-18

仰げば尊し~
卒業や新たなスタート、色々な節目の季節ですね。
娘の卒業式、6年間の想い出に込み上げるものがありました。
激動の時代だからこそ、いま生きていることに日々感謝したいと思います。

さて、随分更新が遅れてしまいましたが先月施工させて頂きましたF様のカップボードをご紹介致します。
カップボードの設置場所は、リビングから見て奥まった左側のスペースです。
お伺い前にお写真を送って頂きました。

クローゼットやキッチンの扉が床に近いミディアム調の木目です。


同じく設置場所左横にも木目の扉が面積を占めていました。

全体を木目にすると重たい印象になってしまいそうですし、真っ白なカップボードも少し浮いてしまいそうな印象です。
お部屋の雰囲気とリンクしつつ、上部の重たさを軽減したプランで2案ご提案をさせて頂きました。

カウンター下はキッチンの木目に合わせて、吊戸棚をガラスや白い扉で抜きをつくるプランです。
異素材のタイルが入るとより垢抜けた印象になりそうです。

その後、F様のお好みのタイルを探して頂いて、何度かやり取りをさせて頂きました。

最終的に選んで頂いたのは青磁色で特徴のある形状のタイル。
貼る方向によって、印象も変わります。
バナナの葉型にも見える左下の貼り方向にてご準備させて頂くことになりました。

そして製作期間を経てお届けの日。

間接照明の配線や、コンセントを増設して下台を設置しました。


吊戸棚を天井にピッタリ設置して、タイルを貼っていきます。
間接照明が点くとテンションが上がります^^


左側の壁に合わせて天板を納めています。
下の巾木の形状に合わせて側板を切りかいでいるので、隙間が生じず美しく見えます。


完成しました。
青磁色のタイルに間接照明の光が映えて、マイナスイオンを発しているような爽やかさを感じます。


天板上のコンセント横の小さな丸ボタンを触れるだけで照明の入り切りが出来ます。
点灯するとタイルの凹凸が際立って、更に奥まで広く長く見えます。


キッチンと色味を合わせてもそれはそれで素敵かと思いますが、少し飽きを感じたかもしれません。
何より、F様がお気に入りのタイルに囲まれて特別な空間になったような気がします。


F様、大変長らくお待たせを致しました。
新生活、たくさん楽しまれてください^^
これからもよろしくお願い致します。

シンプルモダンなリビング家具

2022-2-28

先月納品させて頂きましたK様の家具をご紹介させて頂きます。

ご新築マンションにご入居されて間もなく、お声掛け頂きました。
リビングとダイニングの壁それぞれに腰高のローボードをご希望でした。

お伺い当初は最終的なイメージが固まらず、持ち帰って図面にさせて頂きました。
その後もK様のイメージされている画像をいくつか送って頂きご要望を形にしていきます。
K様お好みのテレンス・コンランのデザインをイメージして、無駄を削ぎ落したシンプルながらも美しい空間を目指します。


左はダイニング側、右はリビング側の家具です。
共にシンプルな白い家具ですが、天板の厚みや引戸と天板の凹凸を極力少なくする等、ディテールにこだわったご要望を頂きました。
ダイニング側は、卓上のテレビを乗せてカーブを描いた形状に。
リビング側は、お手持ちのスピーカーを収納し、他の4スパンの収納はフラットな引戸が左右に行き来する予定です。

製作期間を経て、いよいよお届けの日です。
リビング側から設置させて頂きました。

3.2m以上の広い間口に隙間なくローボードを設置します。


マンションで長物の搬入が出来ないので、天板の真ん中をジョイントします。


見た目にほぼ気にならない程度に密着しました。
隙間なくスッと伸びるカウンターは、明るさはもちろん視覚的にも広さを感じます。


両サイドのスピーカーが入る部分には、内部コンセントを設けています。
その他は可動式の収納棚、そしてオープン部分には猫ちゃんのトイレが入る予定です。


スピーカースペースには、前面にスピーカーネットを巻き込んだパネルがスッと入ります。
スピーカーネットもK様から直送して頂きました。


完成しました。スピーカースペースがアクセントになったシンプルながらスタイリッシュなローボードです。


中央4枚の引戸を左右にスライドすると収納の出し入れが出来るようになっています。


通常引戸はレールの関係で天板よりも1cmは奥まって納まるのですが、天板と引戸扉が極力フラットに見えるように納め方を変えています。
僅かなことですが、色々と工夫をさせて頂きました。


そのままでも充分素敵なスピーカーですが、こちらがスピーカーネットの中に納まる予定です。
確かにカウンターの下にそのままスピーカーが見えている状態よりも随分スッキリとモダンに見えます。
K様のイメージ通りに仕上がりました。


その後、ダイニング側も設置させて頂きました。
美しいカーブ状のハーフカット蒲鉾!! ではなく、こちらがオープン側に取付きます。


こういう形状です。
キッチン側の収納に干渉するので、間口いっぱいの家具は付けられませんでした。
そこで、滑らかなアール状にすることでグッとこなれた雰囲気に変わりました。
半端な寸法で箱型のキャビネットがプツンと終わるより、とても優しい印象です。


ダイニングテーブルのカーブと仲良くリンクしています。
白といってもたくさんある中から一番テーブルに近い白を選んで頂きました。


リビング側と同じく、天板と扉と本体、全て下から上までフラットになるような納まりです。
シンプルなデザインほど、納まり一つで受ける印象が随分違ってくると改めて勉強させて頂きました。

K様、この度は大変お世話になりました。
猫ちゃんとの新生活を陰ながら応援しております^^

落着きのあるナチュラルなカップボード

2022-2-17

なかなかタイムリーに更新が出来ず反省の日々です。
先月お届け致しましたIさまのカップボードをご紹介します。

お引越して2年程、以前からの既製品食器棚を使用されていたIさま。
本当はナチュラルテイストがお好みですが、ダークブラウンの存在感ある食器棚に使い辛さを感じてお声掛け頂きました。
色々とご要望をお伺いしてご提案をさせて頂きました。

冷蔵庫上まで収納を繋げ、ゴミ箱や炊飯ジャーはカウンター下に収納。
木目を活かしたナチュラルテイストなイメージで・・・など大事なキーワードを頂いて段々と形になっていきます。
上は木目とグレーのバランスやハンドルの仕様など仕上げの段階でご検討頂いたイメージ図です。
最終的に、中間の収納を扉をなくした見せる収納で少し抜きを作って製作させて頂くことになりました。


年末から年を越して、いよいよ設置の日です。
タイル面にあるコンセントの移設から行っていきます。


下台が取付きました。明るい木目にテンションが上がります。


冷蔵庫上までぴったり収納が設けられました。
一気に幅広く見えます。
オープンの棚は、棚だけがスッキリ見えるように予め下地を入れています。


タイルも貼って、完成しました。
グレーベースにしたことで、ナチュラルだけど上品で落ち着きのあるカップボードになりました。


奥の見せる収納部分は、トースターがピッタリ入るサイズのスライドカウンターになっています。
使用中は引出して頂く前提ですが、使っていない時はスマートにスッキリ見えます。


ゴミ箱もジャストサイズで納まりました。
あらかじめ新しく使用されるゴミ箱を送って頂いて、それに合わせてサイズ設定をさせて頂きました。
色もバッチリでした^^


引出しの高さも慎重にご検討頂きました。
全て同じ高さだと融通が利きにくいですが、高めと低めの引出しがあると便利です。
浅い内引出しにはタッパーや調理器具の小物など、深い引出しには水筒や背の高い保存容器にも重宝して頂けそうです。


一番手前の4段引出しには、ホットプレートがピッタリ入りました。
こちらも取っ手までのサイズと底面のサイズをわざわざ測って頂いて引出しの幅と高さを合わせました。
グレーの色や取っ手のゴールドまで誂えたようにピッタリで、収納した後で相性の良さにビックリした程です。


冷蔵庫上も驚きの収納量です。
元々冷蔵庫の壁が奥まっているので深い奥行きが確保できています。
頻度が低い物の収納にはもってこいですね。見た目の効果もそれ以上です。


壁面には明るく爽やかなエコカラットを貼りました。
白いクロスの壁よりも、凹凸した表情のある素材が入ることでガラっと雰囲気が変わります。
少しのことですが、キッチンに立つ間の気持ちが全然違うと思います。
一番長く居る場所なので、ワクワクするって大事ですね^^


ハンドルも真鍮色の中から選んで頂きました。
サテンのゴールド色が上品で大人っぽい印象になりました。


以前のお写真を撮り忘れてしまいましたが、ダーク系の暗い雰囲気から随分明るく広く見えるようになりました。

可愛い赤ちゃんとワンちゃんに癒されながら本当に楽しい一日でした^^
I様、この度は大変お世話になりました。
今後ともお付き合いをどうぞよろしくお願い致します。

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