デザインコンパスブログ「ポッカポカ日和」

エレガントモダンな空間づくり

2022-1-28

先週は、M様の家具を施工させて頂きました。
ご新築マンションに合わせて昨年から打合せを重ね、テレビボードとカップボードが形になりました。
いつものように過程からご紹介させて頂きます。

初めのお問合せは、シンプルな白い扉でテレビ周りを囲う壁面収納にするとどのくらいの費用でしょうか?という内容だったかと思います。
とりあえず平面図から想定したラフプランをご案内させて頂きました。

その後、お会いしてご要望やお好みをお伺いしました。
今後はこんなイメージにしたいというお話しや、購入予定のテーブルなどを拝見してご要望に近づけていきます。
フェミニン過ぎず、エレガントだけどモダンでスタイリッシュなイメージでいくつかパターンを作成しました。
現地を拝見するまではしっかりした框扉でグレー系とホワイト系でご提案させて頂いて、あとは現地に伺ったときのインスピレーションで決めましょう!ということで。


カップボードも同じく4パターンに絞ってご準備させて頂きました。
同じフォルムでも上はエレガント、下はクール、左はラグジュアリー、右はシックな印象を受けるかと思います。
仕上げの素材や装飾によって全く違った空間になるので大事なところですし一番楽しい部分でもあります。

その後、内覧会で現地に伺いました。
お部屋の雰囲気から、テレビボードは装飾の少ない細框の扉に。
キッチンの天井高が想定より低かったことから、カップボードはシンプルモダンでスッキリしたデザインで。
どちらもご準備していたプラン通りにはなりませんでしたが、それが最良で一番の答えだと思います。

それでもテレビボードの背面は10枚程絞ったデザインクロスの中からセレクトして頂いて、
微妙な白さ加減も周辺に浮かないようディテールにこだわって決めて頂きました。

年末から製作期間を頂いてお届けの日です。まずはテレビボードから。

テレビの電源を窓面からテレビ面へ移設して、家具を設置していきます。


天井までの収納は迫力があります。


吊戸棚が完全に乗りました。
テレビの背面は少し手前に壁をふかして壁掛けにする予定です。
あまりにテレビ画面が奥まり過ぎると横から見えにくかったり影になりやすいので、圧迫感解消にも役立っています。


収納内部が一望できました。
トールキャビネット左にはスティック掃除機が入るので棚を浅めにしています。
カウンター下には両サイドの小引出しを設けています。小物収納に便利です。


2日目。いつもの職人さんにクロスを貼ってもらいました。
ダイナミックな人工大理石と柄の色がリンクしていて一気にモダンな雰囲気になりました。


テレビを設置して完成です。
ほんのりグレーアイボリーが入った白なので圧迫感なくお部屋が明るくなりました。


引出しも全てプッシュオープン式なのでスッキリしています。
表の引出しを開けると中に内引出しが入っています。


さりげなく溝が入った細框の扉。
太い框扉よりスッキリモダンで、フラットな扉よりエレガントに感じます。


これからシャンデリアやカーテンなど、アクセントのアイテムが入ってくるとグッと映えるベースの家具になりました。


2日目。カップボードを設置していきます。
設置面の壁が130cmでしたので、後ろの壁を10cm程足しています。
無駄に空いた冷蔵庫横の隙間を防げて、何より限られた設置スペースが10cm広がる効果は大きいです。


照明が点きました。
テープライトですが、アクリルのカバーを付けているのでサッと拭けて光の落ち方も綺麗です。


完成しました。
このガラスタイルはとても人気でタイル重視で周りの素材が決まっていきました。
照明が点くと更に幻想的でラグジュアリーな雰囲気です。


ゴミ箱も予め商品を決めて寸法設定をさせて頂きました。


大きな扉が開くと邪魔ですが、フタが折れて開くので便利です。


シンプルですがタイルにグッと目がいくので、面積的にもインパクトからしてもお部屋のアクセントとして最適でした。
テレビボードと共に、主張し過ぎずインテリアの名脇役になれた気がします。
これからM様お気に入りのアイテムが少しずつ増えていってもきっと喧嘩することなく引き立ててくれると思います。

M様、昨年から大変お世話になりました。
これからも家具共々、お付き合いをよろしくお願い致します。

 

スッキリ!モダンなダイニング収納

2022-1-19

先週は二日に渡り、Y様宅へ今年最初の家具をお届けしました。
一昨年にもリビングの壁面収納を造り付けさせて頂きましたが、今回はダイニング周りです。
前回とはテイストを変えて、でもY様のこだわりはたっぷり取り入れて製作させて頂きました。

 

ダイニングのお悩みはマンション特有の梁の凹凸によってピッタリ合う収納が設けられないこと。
ご要望は、梁の存在をなくす壁面収納と、インテリアに合うダイニングテーブル、
そしてキッチン天板下の空いたスペースの収納と、写真の赤枠部分にお酒を飾るボトルショーケース。の4つでした。


フォルムは比較的早くに固まりました。
大型テレビを囲うように引出し収納と長物を収納できるトールキャビネット、グラスを飾るガラスディスプレイ、梁を覆う上部収納を設けます。
難しかったのは素材選びでした。
壁面収納とダイニングテーブルがリンクしつつお互いを引き立てる色使い、少し離れた場所にある焼酎ボトルケースのインパクトの強弱。
ご提案に少々悩みましたが、波状の扉や麻の葉柄の素材など、メインとなる部分を「これ!」と即決して頂けたので周辺の素材も自然と決まりました。
右側のカラーバランスでY様だけのオリジナル家具、とっても楽しみです。

年をまたぎ、製作期間を経ていよいよ施工の日。

窓側にあったコンセントやテレビの同軸ケーブルを移設して、キャビネットを設置していきます。


設置面がコンクリートの壁なので、テレビの背面は壁をふかしてコンセントを設けます。
素材の違うバックパネルを設置予定です。


梁の形状に合わせて吊戸棚も凹凸のある形状で製作しています。


窓枠が干渉する部分。
既製品であれば太いコーキングかフィラーで隙間を埋めることになりますが、設置後に本体と同じ化粧材を後から貼ります。
こんな納め方も手間がかかりますが、美しく見える大事な部分です。


隙間が埋まり、バックパネルも設置しました。段々と完成が見えてきました。


扉を設置して完成です。
以前の梁の凹凸を全く感じないスッキリとしたダイニング収納になりました。


奥様に即決して頂いた波状の扉。
白にしたいけどシンプル過ぎるのも・・・ということでご提案をさせて頂きました。


余談ですが、いつもの海散歩でも同じ柄に出会えます^^
風がつくった自然の砂浜がモチーフ。と思うとまた奥深く見えてきそうです。


引出しはプッシュオープン式。
一見深い引出しに見えますが、上部には内引出しを設けています。
ダイニングテーブルのすぐ横なので、筆記具や衛星用品など仕分けがしやすく便利です。


グラスホルダーやガラスの棚はライトアップしてい見せる収納に。
全てが面材の扉よりも、抜きが出来て全体が垢抜けて見えます。


トールキャビネットは可動式の棚で融通が利くように。
ヨガマットなどの長物や、将来スティック掃除機を収納できるようコンセントを設けています。


上部の収納は全て下から上へリフトアップする扉です。
全開すると全てがスッキリ見通せます。
梁の関係上、棚の上下で奥行きが異なりますが、カセットコンロなど薄い物の収納に利用できそうです。

2日目は、キッチン周りを造作します。

以前は利用できていなかったキッチンカウンター下に収納を設置していきます。


まずは焼酎のショーケースから。
動線が行き交う場所なので、両サイドをカーブの形状で製作しています。


キッチンカウンター下にも収納を設置しました。
左下の台輪部分にはコンセントを増設しています。


扉がついてスッキリ、完成しました。
カーブの面とフラットな扉が奥まで続くので、以前より随分広く見えるようになりました。


焼酎のボトルケースはY様たってのご希望でした。
上は五号瓶、下は一升瓶が入るようにギリギリの高さで調整させて頂きました。
白いフォルムに焼酎が入るので、少し和の要素を感じられる遊び心をということで、麻の葉柄を。
そして焼酎が綺麗に整列できるようにボトルホルダーもご要望頂きました。
形状もかなり悩みましたが、木目が透けて見えるグレーの染色塗装で引き締めました。
さぁ、お酒を並べたときにどう見えるでしょうか。ドキドキします。


キッチンやダイニングの動線にも邪魔にならず美しく納まりました。


ダイニングテーブルもセッティングしました。
真っ黒でよく見えませんが、通常のテーブルより4cm程低く、引出しを交互に設け、ディテールにもこだわっています。


爽やかな白い空間に黒いダイニングテーブルが良い引き締め役になりました。
壁面収納のカウンターの厚みを10mmにしたこともメリハリが出来て好バランスでした。

一緒にセレクトさせて頂いたダイニングチェアーや焼酎のディスプレイを拝見できなかったのですが、後日お写真を送って頂きました。

ラグも敷かれて仕上り時よりもとっても素敵な空間になっていました。
お仕事の打合せもされる場所とのことでしたので、カジュアル過ぎず落ち着いた雰囲気のダイニングをイメージしていましたがピッタリでした。
モダンだけど良い意味で肩肘張っていないところがよりオシャレに見えます^^


そしてそして心配していたボトルケース。
こんなにたくさんの銘酒が並んでまるで酒造店のギャラリーのようです。
最初にご要望を伺ったときは「ここに焼酎ですか・・・」と私自身すぐにイメージが出来なかったのですが、白い空間でも背面を一工夫したことでとても素敵なスペースになりました。
Y様の一言があったからこそ生まれたオリジナルの家具です。

一昨年のリビングに引き続きダイニングと少しずつお部屋が素敵になっていく様子を伺えてとても嬉しく思います。
物の居場所が出来たからでしょうか、収納力が大幅にUPしてお部屋が随分スッキリしましたと嬉しいコメントを頂きました。
Y様、昨年からとても楽しい時間をありがとうございました!

今月はお届けが続きますが、感染対策に気を付けてお伺いしたいと思います。
お待ち頂いているお客様、どうぞよろしくお願い致します。

今年もよろしくお願い致します。

2022-1-10


三が日は、もうすぐ13歳になる愛犬ポッカと御参り→海→山と心と身体をリフレッシュしてきました。
元旦に後ろ足がヘナヘナと座り込んでしまったので心配しましたが、翌日の海で大はしゃぎ。
まだまだ元気です。


ポ「構ってくれないと知らないからね~」
主「分かったけど拾い食いはやめて下さいねー」


三苫の海は相変わらず綺麗でしたが、砂浜には持ち帰れない程のプラスチックごみが・・・。
今年最初の買い物は散歩中のミニトングでした。たくさん拾いまくろうと思います。


立花山の大クスにも元気をもらいました。
触れると樹の脈拍が聞こえてきそうなほど生命力を感じる大好きなスポットです。

海と山にたくさんパワーをもらってフル充電。
感染対策と免疫力アップに心掛けて、大事な家具をお届けしたいと思います。
今年もよろしくお願い致します!

今年もお世話になりました。

2021-12-31

ご縁を頂きました皆様、今年も大変お世話になりました。
昨年に引き続き、世界中大変じゃない人はいなかったのではと思う程の一年でした。

大変な時こそ、笑っていきたいと思います。
マスクで衰えている表情筋を刺激して、口角を上げていきますよ~。

ん?僕のこと!?

来年もどうぞよろしくお願い致します!

デッドスペースの有効利用

2021-12-28

こちらも施工時にご紹介できなかった例です。
使えていなかったデッドスペースを利用した隙間収納も施工させて頂きました。
まずはキッチンのデッドスペースから。

L型やコの字型キッチンのデメリットはコーナー部分の収納が使い辛いこと。
N様のキッチンも開き扉を開けると2段の回転棚がありましたが、グラついてあまり利用できていませんでした。


新しく取替えました収納棚。初めて使用するのでドキドキします。
まずは扉を開けて・・・


ひょうたんのようなバーバパパのような、面白い形の棚が出てきました。
これだけでも充分前に出てきていますが、


前に出てきた後、右に弧を描くように全開しました。
動画でアップ出来れば良いのですが、本当に滑らかにそして想像以上に大きく前に出てくるのでとても取り出しやすそうです。
コンロの前に立ったまま鍋をすっと取り出せてとても便利になりました。
こんな歪な形、日本ではとても商品化しそうにありませんが、動線と最大利用を考えた結果の形なのでしょう。
技術大国ドイツの商品は本当に優れている物が多く、さすがです。

 
取っ手が場所を取るフライパンや雪平鍋、土鍋など、こんなにたくさん収納できました。
使えていなかったデッドスペースに、主役級のアイテムを楽に収納できると毎日の家事が劇的に変わりそうです^^

そしてもう一つ、インターホン周りの家具も製作させて頂きました。

元々の家具とラインが揃わずまばらに付いているインターホンやスイッチ類。
電話や充電器のコードも気になるところでした。
全てを綺麗に移設してしまえば良いのですが、壁を破って大掛りなうえ、空いたスペースも気になりそうです。


そこで、隙間を埋めつつ収納としても有効利用できるような家具を設置させて頂きました。
リビングに入ってからの動線を邪魔しない形状で、且つ既存の家具に馴染むよう、上と下と奥行きを変えて製作致しました。
コンセントも上下に増設して、出来る限り配線が見えないような工夫もしています。


小さなスペースですが、携帯やiPadの充電ができるように奥にコンセントとUSBの差し込みを増設しています。
スライドカウンターになっているのでほんの少し手前に引き出せます。

  

3段の引出しは、それぞれ収納するアイテムに合った仕切り板を設けています。
ダイニングチェアに座ったまま振返って取り出せてとても便利と仰って頂きました。
かと言って、既存の家具より奥行きを控えているので圧迫感なく使って頂けています。


当初は下台だけの予定でしたが、ガラス扉の吊戸棚を設けたことで空間が間延びせず一体感が生まれました。
あえて扉をなくしたことで圧迫感が解消されて抜きが出来た気がします。

リフォームは新築と違い、今ある物を活かしたり条件にあわせる難しさがあります。
でもだからこそ生まれる唯一無二の空間が出来たりするので、やり甲斐のあるこの仕事が大好きです。

今年も色々なことに挑戦させて頂けて、本当にありがとうございました。

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