デザインコンパスブログ「ポッカポカ日和」

物の居場所が分かるカップボード

2021-12-26

F様のカップボードを製作させて頂きました。
以前テレビボードを施工させて頂いてから3年ぶりのご訪問です。
最近はリピートをして頂けるお客様が増えてきて本当に嬉しく思います。


以前は既製の食器棚を組み合わせてご使用でした。
キッチンとの距離に余裕があるものの浅い奥行きの食器棚のため、奥まって陰になっていました。
引出しが少ないこと、作業台スペースがないこと、梁の凹凸なくスッキリ見せたい等、色々とご要望をお聞かせ頂きました。

何度もお打合せを重ねて、いざ施工の日です。

既存のコンセントから分岐して照明やコンセントに配線をしています。
冷蔵庫横に中途半端に空いていたスペースも、開閉に支障がない幅まで使って少しでも広く利用します。
カップボードで10cm広がると収納量はもちろん見た目も随分違います^^


吊戸棚も取付きました。
上段と中段、それぞれの高さはF様の収納される物の高さに合わせた設定です。
中段は奥行きを控えることで、使い易い高さまで下げることが出来ます。


梁の凹凸も無かったことに。


完成しました。
落ち着いた色使いですが、照明とタイルの効果で華やかさも感じるカップボードになりました。


引出し収納は全て、F様仕様の高さ設定です。
扉が多いとうるさく見えがちですが、内部の引出しを設けてスッキリ見せています。
この内引出しはタッパーやお弁当箱など低いアイテムが一望できて重宝頂けています。


こちらもF様仕様です。
レードルやおろし金など長さ別で予め仕分けしたい物を教えて頂いて内部仕切りを設けました。
薄い仕切り板は取り外しができます。


最後まで悩まれたのがロック式のスライドカウンターでした。
冷蔵庫横でお茶と注いだり盛りつけしたりとちょっとした作業台になりますが、収納が犠牲になるし引出しているときに下の収納が使えないデメリットも。
ご要望はあるものの今まで採用したことがありませんでした。


今回採用させて頂いたのがロック機能付きのカウンターです。
他の引出しと同様、軽い力で引出せてソフトクローズ式でスーっと勝手に閉まります。
違いは完全に引き出した時にロックがかかり、ぶつかっても少々のことでは動きません。
そして指一本でロック解錠すればあとは楽に収納できる点です。
少しお値段はしますが、このスムーズ性であれば置き場がない時などにも頻繁に引出してご利用頂けそうです^^


上部の収納も充実しています。
一番使い易い目線の高さなので、頻度の高い物の収納に向いています。


施工後にF様から写真を送って頂きました。
まだ完全ではないそうですが、余裕のある収納で物の居場所が一目瞭然、スッキリされていて気持ちが良いです。

F様念願のカップボードだったそうですが、そのぶん今の使い方や将来的なことを自己分析しながらじっくり考えて頂きました。
居場所がはっきりしているので、必要なものがすぐ取り出せそうですし、何より大切なアイテムたちが嬉しそうです^^
年末年始、是非ライトアップして気持ちを上げてお家時間を楽しんで頂けたらと思います。
F様、お打ち合わせから楽しい時間をありがとうございました!
これからもよろしくお願い致します。

ゆとりを活かしたリビングボード

2021-12-16

続きまして、A様のリビングボードをご紹介させて頂きます。
寝室と合わせてリビングボードも製作させて頂きました。
現地を拝見できる段階までは、頂いた平面図を基に図面上でご提案をさせて頂きました。

図面上では約5mもの広い壁面です。
長さを活かしつつ、間延びした感じがないようにA・B案、その後ご要望を頂きながら最終的にD案で製作させて頂くことになりました。


現地に採寸と色合わせでお伺いしました。
トールキャビネットは右側にと仰られていた理由が分かりました。
キッチンに近い位置にスティック掃除機を収納できる動線はもちろん、視線が奥へ向かうのでトールキャビネットは手前の方が広さを感じられそうです。
木天井に色合わせして素材も決まり、いざ製作です。


これは無垢材の格子扉とトールキャビネット横の格子です。
木天井にかなり色が近いメラミン化粧板で全体を製作しますが、格子部分は無垢材に調色をします。


ウレタン調色塗装後、すっかり装いを新たにして帰ってきた格子です。
パズルのように並べてバランスの良い位置を決めている楽しい時間です。
中央や上下に横桟が入った格子はよく見かけますが、こうしてランダムに入れることで垢抜けた印象になりそうです。
元々は、来客時のコート掛けを隠せたらと思っての格子でしたが、良いアクセントになればと思います。

いよいよ施工当日。
周り階段を上って2階のリビングへ、最大の難関でしたトールキャビネットが搬入できて一安心。
早速設置していきます。

ミリ単位でシビアに採寸した後、天井の凹凸に合わせて家具も加工しています。
小さな積み重ねが美しい納まりに繋がっています。

ローボードも設置していきます。
いつもは家具を設置後にタイルを貼っていきますが、タイルもコンセントも施工された状態での固定です。
ハウスメーカーさんの施工精度が良かったので、隙間も最小限で抑えられました。

さてさて今度は格子を取付けていきます。
表にビスや固定の跡を見せない為に、格子を加工してインロー式で1本ずつ固定していきます。

天井に角材を取付て、地道に差し込んでいきます。

初日が終了です。格子を固める為に、翌日までオペ中の状態です。

翌日、扉を付けて完成しました。

トールキャビネットの中は、スティック掃除機と、お手持ちの引出し収納が綺麗に納まっています。
こちらのサイズに合わせてキャビネットの寸法が決まりました。


一番右側はプリンター収納です。中のカウンターを手前に引出すことができます。


深い引出ばかりでは収納し辛いので、一部に内引出しを設けました。
文房具やリモコンなど浅い物の収納に便利です。


格子扉も美しく納まりました。


格子の裏には、コートハンガーを設けています。
持ち出しが30cmもあるので、数枚は掛けられそうです。


新しいテレビが到着していないそうですが、充分バランスの良いリビングボードになったような気がします。
トールキャビネットのミラーもA様のご要望です。
全面フラットの木扉よりも重たくなくこなれた印象で、何よりお部屋が広く見えます。
格子越しのタイルも好相性でした。


寝室と同じく、家具を設置する前よりも長さの目安が出来て空間がずっと広く見えるようになりました。
全面家具で覆われる収納よりも、意味のある余白がお部屋全体にゆとりを与えてくれるようで、時間がゆっくりと流れているようにも感じます。

ご家族の大切なシーンにご縁を頂いて大変感謝しております。
これからずっとA様ご家族の歴史に寄り添える家具でありますように・・・。
今後も家具共々、末永くよろしくお願い致します。

 

心休まるベッドルーム

2021-12-16

A様のご新築工事が後半に差しかかる9月頃、ご相談にお越し頂きました。
最初はウォークインクローゼット内に時計やアクセサリーなどのカウンター収納をご希望でした。
図面を拝見すると、クローゼットよりも隣接する寝室の方がゆっくりスペースが取れそうでしたので、ベッドの両サイドに充実した収納を設ける方向でご提案をさせて頂きました。

折角それぞれの収納を設けるのであれば、ベッドも一体化させた方が・・・ということで、
3.5mの壁面を活かすため、中央にクイーンサイズのベッドを挟んで両サイドのローボードの背面を立ちあげて一直線で繋ぐことになりました。
こうすることで、長さの認識ができてお部屋がより一層広く見えます。

壁面のクロスと間接照明は既に決まっていたので、木目やファブリックの色合わせはもちろん、高さのバランスも良いように検討させて頂きました。
背もたれのファブリックもステッチを変えることで印象が変わります。
クラシカルになり過ぎず、シンプルモダンな印象でということで、左下のイメージに決まりました。

奥様がご出産間近ということで、ギリギリまで全体のフォルムや色柄を絞って頂き、あとは現地でご主人様との最終チェック。

の予定でしたが、当初希望されていた中央の色柄を間引いてしまい、慌てて後日もう一度現地にお邪魔しましたのがこの写真です。
やはりワントーン落ち着いた中央の色柄で製作させて頂くことになりました。Aさん、その節は大変お騒がせしました!


いよいよ施工当日。
両サイドのボードは予め裏に配線を通しているので、コード類が表に一切見えません。


完成しました。両サイドのわずかな隙間はコーキングで全く気にならなくなりました。
足元の間接照明はA様のご要望です。読書灯じゃなくても良いですか?とお尋ねしましたが正解でした。
既にある壁面の照明とのバランスはもちろん、就寝中にどちらかの足元を点灯しても睡眠の妨げになりません。
お母さんにも赤ちゃんにも優しい光のような気がします。


そして、もう一つのご要望がベッドサイドのスライドカウンターにファブリックを巻いて欲しいとのことでした。
確かに通常ですと時計やスマホなど置く度に音がしますが、ファブリックがあることで自然と所作まで柔らかになりそうです。
ファブリックはヘッドボードと統一して、カウンターの奥には2口のコンセントが用意されているので挿しっ放しで使って頂けます。


ハンドルも壁面の照明に合わせてマットブラックの長方形をセレクトさせて頂きました。
ハンドル一つで全体のイメージが変わるので大事なアイテムです。


一日の終わりを落ち着いた空間で身も心も休めて頂けたら本当に嬉しく思います。
写真を見ている私までうっとり眠たく・・・なってしまう程リラックスしてしまいました。
家具だけでなく光や素材が相まって、A様らしい空間に近づけたような気がします。

次はリビングをご紹介させて頂きます。

整理整頓しやすい空間

2021-11-26

気付けば1カ月更新を怠っておりました。
ただいま年末年始にお届けの家具を毎日製作中です。
ご提案とお届けを少々お待たせしておりますが、フル稼働しておりますのでどうぞよろしくお願い致します。

昔お世話になった方のご紹介でO様のリフォーム工事をさせて頂きました。
築25年のマンションで初めてのリフォーム工事です。

和室や他の洋室があるものの暗く、荷物を押し込むスペースとなってしまい、有効利用が出来ていませんでした。

キッチンカウンター周りもつい物を置いてしまうスペースに・・・。
掲示物もバラバラで見辛く、ダイニングテーブルの背後にはパソコンデスクがポツンと置いてある状態でした。

そこで、図のようにLDKで就寝以外の全てのことが整うように、充実した収納を設けさせて頂きました。
床繋がりのワンルームで物の居場所が決まるとおのずと片付け易くなります。

工期は約3週間。浴室やキッチンも取替えるので、期間中はお近くに仮住まいして頂いて施工させて頂きました。

O様には高過ぎて殆ど使えていなかった吊戸棚。
キッチンはメーカー品で対応させて頂きます。


暗かった和室を解体すると、押入だった奥まで光が入るようになりました。


キッチン側面の腰壁を撤去して、以前より10cm程広いキッチンを設置します。
大きな梁は築年数が経ったマンション程つきものです。


床、壁、天井ともにコンクリートの下地です。
解体が終わった後の、床のフェルト剥がし、壁紙の剥がしと下処理は大変でした。
職人の皆様、本当にありがとうございました。


ようやく完成しました。
ダイニングの目立つ梁は敢えて色を入れ、壁面に目が行くようにアクセントクロスにさせて頂きました。
キッチンカウンターに物を置かなくて済むようカウンター下にスペースを設けています。


開口部の高さに合わせてコルクボードを設置しました。
掲示物はこの中に納めて頂くとスッキリ見えそうです。


スチール製のパソコンデスクは処分して頂いて、収納を兼ねたデスクカウンターでスッキリ見えるようになりました。
ダイニングテーブルから振り向けば、椅子はそのまま利用して頂けるパソコンデスクに。無駄が無いゼロ動線です。


キッチンの吊戸棚は10cm下げて、且つ収納が電動で降りてきます。
キッチンメーカーならではの良いアイテムを活用させて頂きました。
キッチン側面の腰壁がなくなったことでより明るく見えます。


以前の和室でした場所にウォークインクローゼットを設置しました。
ミラーが付いた面と可動棚が付いた部分まで以前は押入でしたが、壁の凹凸も無駄にならずに済みました。
左のハンガーは極力見通せるように既製品を使用しています。
壁がコンクリートで固定が難しい点もありましたが、箱状の家具で製作するより省スペースでウォークインクローゼットには最適でした。


右側は押入代わりの中段と枕棚を設置しています。
中段下には扇風機や季節物の家電が入るような高さ設定です。
押入の襖があると出し入れし辛いですが、こうして見通せると物の居場所が一目瞭然。
リビングから必要な物がすぐに取り出せそうです。

ここ数年はお陰様で家具のボリュームが大きく、リフォーム工事まで手が回らない現状ではありますが、
家具だけでは改善されない場合ももちろんたくさんあります。
柔軟に対応できるようアンテナをピンと張って努めたいと思っておりますので、どうぞよろしくお願い致します。

O様、この度は大変お世話になりました。

ワークスペースの収納家具

2021-10-29

10年以上お世話になっていますH様の事務所移転に伴い、収納家具を製作させて頂きました。
当初は図面だけ頂いて、平面図上のレイアウトと、どのくらい収納量が確保できるか図面でご提案をさせて頂きました。


上の段が最初のご提案です。
充実した壁面収納と常時勤務されるお二人のデスクをご希望でした。

実際に現地にお伺いしてみると、キッチン側の奥行きが図面より狭かったので、南側の快適なスペースにデスクを設けることで計画変更させて頂きました。
図面の下段のレイアウトで具体化して製作をさせて頂くことになりました。
図面上のAとBは背の低い収納家具で空間を仕切ることができ、壁側に移動すると空間を広く利用して頂くこともできます。


もう一つ、H様がこだわられたのが素材です。
通常オフィスの家具でしたら強度の面でメラミン化粧板で製作させて頂くことが殆どですが、天然木をご希望でした。
住宅のように一生使えて、その空間に居て心が満たされるようにとのことで、大変大変嬉しく思いました。
不特定多数の人が使うオフィスや店舗の家具はなかなか大事にされることが少ないのですが、ここまで大事にして頂けるなんて!造り手冥利に尽きます。
仕上げの塗装もラッカーではなく長持ちするウレタン塗装にて、無垢材のデスクは傷がついてもメンテナンスが可能なオイル塗装にて仕上げさせて頂きました。
写真は無塗装の状態です。


全集中の製作期間を経て、いよいよ施工の日です。
エレベーターに入る割付けにて家具を搬入して、現地で組み立てていきます。


無事、一台目が取付きました。
3スパン共に棚の幅を揃えているので、足したり引いたり自由に差し替えが出来ます。


家具で埋め尽くされた中、一つ一つ取付いていく様子は毎回ワクワクします。


長手方向です。家具が取付いてしまうとコンセントが利用できなくなるので台輪に移し替えています。


無事本体が取付きました。出窓のカウンターや梁の下もピッタリ隙間なく埋まりました。


一番よく使用されるファイルの奥行きにジャストで合わせた壁面収納です。
引戸の場合、閉めた時にフラットにならず戸厚も2枚分余計に必要になるので、奥行きを最小限に抑えています。
これから引戸を取付けていきます。



あれ、ミニオン!?一つ目だからスチュワート?
すみません・・・遊び過ぎました。
一台目の取付けからミニオンが頭から離れず大変でした(笑)


引戸の金物は、下にV溝をつけて戸車が付いたものなどたくさんありますが、埃が溜まりやすく摩耗もしやすいです。
そして部屋を仕切る通常の引戸建具と違い、家具用の引戸金物は精度が高くそれ以上にコストも高いのですが、
日々の使い勝手と耐久性から、下に溝や戸車がいらない吊戸で製作させて頂きました。
やはりミニオン、良い仕事をしてくれます。(笑)


完成しました。ハードメイプルの突板を使用した壁面収納です。
モダンな白い床でも、木目が主張しない明るいハードメイプルは好相性でした。


図面通りのレイアウトで。
ハードメイプルの収納家具にチェリーのデスクがアクセントになりました。


圧迫感なく空間を仕切ることができる程良い高さの収納です。
オープンスペースにはシュレッターが、可動棚にはコピー用紙やモデム等がスッキリ納まる予定です。


デスクに座るとより一層プライベートな空間に感じられて落ちつく高さです。
収納家具の背面をハードメイプルで仕上げているので気持ちが違います。


違うレイアウトでもセッティングしてみました。
隙間なくピッタリ納める壁面収納と、フレキシブルにアレンジできる腰高収納。
どちらも収納する物の居場所(目的)がしっかりされているので、整理整頓しやすく快適なワークスペースになっている気がします。


長手方向が見通せて、風通し良くあたたかい木に囲まれたワークスペース。
なかなか無いと思います。
お引越し後の様子をお伺いすると、スタッフの皆さんここに住みたい!と仰られたそうで本当に嬉しい限りです。
家は心と身体を充電する場所だと思っていますが、オフィスもそうなると日々の気持ちが違ってきそうです。

良い気がめぐってますます運気が上昇しますように・・・。
ご活躍をご発展を心よりお祈りしております。
H様、この度は大変お世話になり本当にありがとうございました!

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