デザインコンパスブログ「ポッカポカ日和」

ほんのりクラシックなカップボード

2023-12-29

5年前にお世話になったO様のご紹介で、M様のカップボードを製作させて頂きました。
新築マンションにご入居されたばかりで、インテリアに調和するカップボードをご希望でした。

リビングダイニングはアンティーク調の雰囲気ある素敵なインテリア。
こちらの雰囲気に合わせつつ、重たくならない白っぽいカップボード、もしくはキッチンに合わせたモダンなカップボードをご希望でした。


形は同じでも全く真逆のカップボード。
それからお打合せを重ねて、シンプルながら温かみのある左下の雰囲気で製作させて頂くことになりました。

製作期間を頂いて、施工当日。

電気工事から始めていきます。


本体が取付きました。


ダウンライトとアクセントクロスを貼って完成です。
シンプルながら温もりと趣きのあるカップボードになりました。


M様が大好きなウィリアムモリスのデザインクロス。
リビングのカーテンと喧嘩せず、でもちゃんと存在感と華やかさのあるクロスを選んで頂きました。


見せたくないゴミ箱もスッキリ収納されています。


ほんのりアンティークな雰囲気を感じられるハンドル。
同じ家具でもハンドル一つで雰囲気がガラッと変わるので、とても大事なアイテムです。


照射面の天板とオープン棚とで色味が違って見えますが、同じ色の木目を高さの中心に配色したことでグッと締まりました。
木目のラインが通るので幅広く見える効果もあります。


キッチンに合わせたグレーの案もありましたが、結果的に明るくてM様らしい素敵なカップボードになりました。


そしてトイレにもウィリアムモリスのアクセントクロスを。
グレー一色の無機質なトイレが一気に明るく華やかになりました。

小さな面積でもお気に入りのアイテムがちょこっとあるだけで、毎日の生活がきっとワクワクしてくると思います^^
M様、この度はご依頼頂きありがとうございました。
お家時間がますます楽しくなりますように。
今後ともよろしくお願い致します。

シンプルスタイリッシュなカップボード

2023-12-29

今年も大変お世話になりました。
かなりマイペースなブログを覗いて頂きありがとうございました。
今年の現場は昨日で終わり、紹介しきれなかったお客様の家具を投稿させて頂きます。

ご新築マンションに合わせて、M様のカップボードを製作させて頂きました。

こちらは設置前。
キッチンの扉の柄が少し青みがかったお色味でしたので、合わせるカップボードをかなり悩まれました。


全く同じ色柄でも製作出来ましたがあまりお好みではなかったので、調和しつつお互いが映える色使いで製作させて頂きました。


正面の大きな下がり壁も無かったことにしていきます。


完成しました。下がり壁の存在が無くなり、スッキリしました。


吊戸棚は単色の白で壁に同化させ、下台はキッチンより色ムラが少ない明るいモルタル調の色使いです。


シンプルながらさりげないラメが入った上品なタイル。
間接照明によく映えました。


常時差しっ放しにしない方のコンセントはカバー付きに。


リビングからの景色も爽やかに変わりました。
キッチンと同じ色にしなかったことで、良い意味で肩の力が抜けてスタイリッシュな空間になりました。


カップボードのついでに、洗面所のタイルも貼らせて頂きました。
ちょっとある違いますね。キッチンと雰囲気が違ってお気に入りの空間になりました。


M様、この度は大変お世話になりました。
新生活をカップボードと一緒に応援しております^^

拡張ベッドと寝室の造作家具

2023-12-18

続きまして、T様のベッドとその周辺の造作家具をご紹介します。
以前、ベッドの製作途中をご紹介していましたが、いよいよ設置していきます。

 
幅2.6mは一度に入らないので、分割して設置していきます。
まだベッドの気配が全くしませんが、配線や金具がいろいろ出ています。
壁のわずかな凹凸に合わせて微調整しながら何とか入りました。


本体が無事設置されました。
メインベッドの下に拡張するベッドの本体が隠れて見えています。
縦横にお部屋を埋める家具は、僅かなズレが全体に影響するのでとても難しい納まりでした。


そして、お部屋を印象づけるヘッドボード。
かまぼこ型のベースにクッションを巻いたものを一つ一つタイトに設置していきます。
今まではボタン締めのクラシックなヘッドボードを製作したことがありますが、同じ空間でもクッションの形が変わるだけで印象が変わります。


完成しました。
大人のフェミニン。
甘過ぎず、凛とした優雅さと可愛らしさを合せもったMさんらしい特別な空間の完成です^^
ヘッドボードに合わせてフットボードも製作しました。

 
メインベッドの下には、シングルベッドが隠れています。
マットレスの高さと長さをシビアに追って設計させて頂きました。

 
拡張するシングルベッドの枕元に掘込み棚。
就寝前の本やスマートフォン、タブレットなどちょっとした物が置けるスペースです。
側面には充電用のコンセント、上から照らすスポットライトのスイッチが仕込まれています。


長いお部屋がより広く奥行きを感じられるように、フォトフレームも製作しました。
壁掛テレビの格子に色合わせをしています。
特別な思い出の写真を一つ一つ、入れて頂くだけでニュアンスカラーのお部屋に彩りが添えられるはずです。


ベッドから見える景色も今までとは違うような気がします。
テレビ画面との距離は決して離れていませんが、何ら圧迫感を感じないどころか解放感を感じます。


デスク越しの寝室も、程良く空間が区切られました。
寝室、書斎、メイクルーム、クローゼット・・・部屋として区切られていないホテルのようなレイアウト。
ライフスタイルが多様化する今の過ごし方にぴったりかもしれません。

お部屋の使い方を色々お話し頂いて沢山レイアウトをさせて頂いた結果、一番良い使い方に辿り着けた気がします。
T様、これからが楽しみですね。
ご家族と一緒にまた新たな思い出が作られていくと嬉しく思います。
この度は、たくさんチャレンジさせて頂けて本当にありがとうございました^^

寝室と書斎を仕切る家具

2023-12-18

気付けば今年もあと2週間です。
年末年始にかけてお届けの家具の製作真っ只中で、今年はまだまだ終われません(汗)

先月完成しましたT様の寝室をご紹介させて頂きます。

こちらは施工前。
南側に腰窓と掃出し窓、西側に掃出し窓と壁面が少なく長細いお部屋でした。
  
計画中の間取図はこちら。

西陽が強いので窓一面を塞いでここにベッドを設けましょうということで・・・
 
工事でお世話になっている㈱西日本住設さんにベース工事をして頂きました。
クローゼットと入口ドアの位置も変わっています。


長細いお部屋の窓の間に空間を仕切る家具を設置していきます。


左側からはデスクと収納、右側からはブックスタンドと収納。
両面からそれぞれ奥行きも用途も違う収納になっています。


天板を設置した後、1本ずつ格子を立てていきます。
上下に横棒を入れれば一気に取付けできますが、見た目が変わってしまいます。
ピンポイントで天井高の違う場所に、根気良く設置していきます。


格子が設置できました。壁として仕切らなくても空間がちゃんと仕切られています。


デスクが完成しました。
クラシック過ぎないスマートな細框が利いた、上品なドレッサーにもなるグレージュのデスクです。


一番下の引出はファイルなど立てて入れられるように、仕切り板を設けています。

 
格子の前に取付けられた吊戸棚。
左側にはマグネットボード、扉をスライドさせると中央にはミラーが隠れています。
普段どちらを隠しておくかはお任せですが、隠したいものと見たいものが1枚の扉で行き来します。


なぜ、折角の格子を吊戸棚で隠しているかは、背面を見て頂けると分かります。


壁掛テレビのサイズに合わせて、背面を隠す吊戸棚にしました。
長細かったお部屋が、ベッド側とデスク側とで圧迫感なく仕切られています。


ベッド側中央は、背面がデスクで脚を入れるスペースなので、奥行きの浅い絵本立てになっています。
その左側は、背面が奥行きのある3段引出しですが・・・


開けると同時にフタが開く小さなゴミ箱が隠されています。
ここには格子の中を通って下りてきた配線のコンセントも仕込まれています。


お部屋に合わせてカーテンもコーディネイトさせて頂きました。
大人フェミニンなニュアンスカラーの色使いで優しく包まれるような空間になったような気がします。
西陽が強くカーテンを閉めっぱなしのお部屋でしたが、お家の中で一番の特等席になるような素敵なお部屋になりました。
こんなに窓からの景色に癒されるなんて、私も施工中に気付かされました。
時間がゆっくり流れているようです。

次は、ベッド側の造作家具をご紹介させて頂きます。

リビングに調和するクラシックサイドボード

2023-11-16

K様のリビングインテリアに調和するサイドボードを製作させて頂きました。
正直にお話しすると、今までご依頼頂いた中で最後まで自信が持てない作品の一つでした。
最後まで悩みましたが、絶妙に調和していく過程をご覧ください。

 
K様のリビング壁面。大画面テレビと置き家具が配置されていました。
これからはテレビを置かず、テーブルの短辺側にも座って大人数でも食事ができるように。
多少の収納も兼ねつつ、雰囲気が良くなるようにということで、カーテンも含めてご相談頂きました。

既にたくさんの家具やカーテンがインテリアとして画一されていて、そこへどういう素材を持ってくるべきか悩んでいる中、一つヒントを頂きました。
 
気に入られている絵を飾りたいということでした。
その絵の額縁からインスピレーションを得て、色を作ってみました。
左は最初にお持ちした見本。色ムラはいい感じですが、黄色を強く出したいところです。
右は2回目にお持ちした見本。ベースの色は近づきましたが、大きな色ムラが欲しいところです。


デザインと形状は ↑ のような形でご提案させて頂きました。
3m超の長さを活かさない手はありません。
でも、椅子に座る位置は奥行きわずか15cm、両サイドは30cmと少し変形のサイドボードです。
肝心の色は、絵の額縁に合わせると少しぼやけた印象なので、気持ち濃い色で締めたいと思います。
いつも頼りにしている塗装屋Mさん、どうかよろしくお願いします!

 
果たしてセラミック調の色合いに框扉(フレームのある扉)が合うのか、そこも不安を感じつついざ製作です。
こちらは塗装前の扉です。奥行きが変わる斜めの部分は合せ角度が大事になります。
ここは職人高瀬の緻密な腕の見せどころです。

製作期間を充分頂いて、いよいよ施工の日。

テレビの配線等は、台輪を通して左側面で使って頂けるように処理します。
この配線を隠すことも目的の一つでした。


上から見るとこんな変形です。
収納以上に動線やインテリアとしての見え方など、この形状が功を奏します。


扉一つ一つを設置するごとにドキドキしながら、ついに完成しました。


今まで感じ難かった横の長さ。視界がグッと広がりました。
視線が絵画に向かうので、横の広がりに加えて遠近感も感じます。


扉と同じく天板の色も悩みました。
チークのフローリングと主張するタイル、両方に調和する人工大理石を選びました。
イエローベースで緩やかな流れ模様が名脇役になっています。


斜めの部分の納まりも着色するとまた違って見えます。
丁寧な仕事もデザインの一つです。


両サイドの収納内部の背面をミラーにすることで、重たさを軽減しました。
ダークカラーは、ガラス扉にしても中が見えにくく暗くなりがちですが、こうすることで抜きが出来ました。


塗装屋さんが何度も塗り直して納得いくまでブースから出てこなかったとか・・・。
引き取りのときにこれでOKか聞かれて、「分かりません!」と言ってしまった私。
「あんたが分からんでどうするね!」確かに・・・。
でも納めてみて、お客様に見て頂くまで本当に分かりませんでした。
K様に喜んで頂いて、ようやく塗装屋さんに報告が出来ました。


家具と一緒にカーテンもご依頼頂きました。
こちらは北側。以前の重厚なカーテンから一変、外の風景を感じられて心が洗われるような雰囲気です。


南側はラグジュアリーな雰囲気のカーテン。
この両面のカーテンが先に決まり、この間に挟まれたサイドボードの意味がより重要になりました。
結果、両方と調和しつつ穏やかに見守っているような落ち着いた家具に。
インテリアとして大事な役目を果たすことが出来ました。

私が持っている知識や能力はわずかですが、お客様に引出して頂いたおかげで少し高めのハードルを超えていけている気がします。
たまにハードルを倒してしまうこともありますが、大事なことを忘れずに感動する仕事をしていきたいと思います。
K様、この度は本当にありがとうございました。

ページトップへ