デザインコンパスブログ「ポッカポカ日和」

スタイリッシュな充実収納 ~キッチン編~

2019-6-21

続きまして、K様のカップボードをご紹介させて頂きます。
カップボードの設置スペースもK様が既に設計変更されていて、幅2.4m程ありました。
マンションではなかなか確保できない寸法です。
作業台と隠す収納をそれぞれ余裕をもってご提案させて頂きました。

プランのポイントとなったのは、奥行きの違いです。

キッチンとの距離からすると60cmは奥行きが確保できる空間ですが、手前の袖壁の奥行きが45cmしかありませんでした。
壁から飛び出すことはしたくなかったのと、キッチン入口から奥の冷蔵庫まで段差なくラインを繋げたかったので図のようなご提案をさせて頂きました。
奥行き60cmの家電収納と、奥行き45cmの引出収納、そして奥行きの違いを解消する斜めのマルチ収納です。
この斜めのマルチ収納と冷蔵庫上の収納があることで、3m以上の家具がズドーンと奥まで繋がって、より広がりを感じさせてくれるはずです。

内覧会で採寸して、いざ製作です。
最初に斜め収納の納まりを検討しました。

試作した小さな扉と丁番で扉の動きと納まりを検討中です。
実寸を鉛筆で書いてみて・・・というのは設計デザインの私にはできないことです。
「納まりどうすると?」と相方にいつも言われております^^;


そんなこんなで内覧会から1カ月半後、いよいよ取付の日です。
まずは台輪を設置していきます。こんなラインになるんですね。


家電収納を設置しました。天井いっぱいまで、大きいです!


次に斜めのマルチ収納。段々と仕上りのイメージが出来てきました。


冷蔵庫上の収納と手前のカウンター収納を設置して、本体が取付きました。
充実の収納量です。


扉、タイル、間接照明を施工して、無事完成です^^
勝手口奥までふわっと風が流れるような美しいラインでとても綺麗に納まりました。
キッチンと同じ素材にした横目の木目柄がより奥行きを感じさせてくれます。
それではラグジュアリーなカップボードの詳細をご紹介致します。


まずは冷蔵庫上とその隣の吊戸棚。
高い位置にある奥行きの深い収納は通常は使えない場所になりがちですが、コストコのキッチンペーパーなどのストックにされるそうです。
その他お正月や節句用の普段は使わない物の収納に重宝して頂けるかと思います。


家電収納のガラス扉はオーブンレンジの収納、その下のスライドカウンターは炊飯ジャーの収納場所です。
目線で楽に使えるレンジ、上から楽にご飯をよそうことができる炊飯ジャー、両方にベストな高さ設定です。


一番ドキドキしていた斜めのマルチ収納はこうなりました。
斜めの本体に少し奥まって引出しとスライドカウンターが納まっています。
引出は食品庫、スライドカウンター下はコーヒーメーカーとケトル、上はトースターが入る設定です。
通常より155°と大きく開くバッタのような丁番も収納に干渉せず、むしろ通常の開き扉よりも見渡せてとても使える収納になりました。


シンク側からも開けてしまえば難なく中の物を取り出せて、扉も邪魔になりません。


引出収納のハンドルもラグジュアリーな雰囲気に合った大事なアイテムになりました。
パールブラック色ですが、扉の色が反射してゴールドにも見えます。
くの字の形状が本体の斜め形状にもリンクしていて良い存在感になりました。


隠す場所と見える場所を・・・ということで、幻想的な演出を。
別に家電収納を設けることができたので、普段はカウンターの上に置く物も少なくて済むかと思います。
デザインコンパスで大人気のガラスモザイクタイルに、フィオレストーンという人工大理石よりも固い水晶が主成分の天板を使用しています。
キッチンの天板と扉に素材を合わせたいというご要望で、普段カップボードではあまり使用しない素材を採用させて頂きました。
ただの作業台だけではもったいない、格好の見せ場をカップボードで実現できました^^


リビングから見える景色はとても後から製作したと思えない一体感でした。
ブロンズ色の冷蔵庫を置かれるとのことで、ますます壁面の広がりを感じるはずです。

きっと設計変更をされていない当初のスペースでしたらこの形状にはならなかったと思います。
広い間口と奥行きの浅い袖壁があって、そしてキッチンの素材に合わせるという条件があったからこそできた空間です。
設計変更の時期から家具屋さんやキッチンメーカーを回られたそうで、私たちに声を掛けて頂いたのは仕様が固まった後半の時期でした。
でも家具をご提案するには充分な空間と、K様のしっかりしたご要望と熱意が素敵な空間づくりにつながったと思っています。

K様、ご相談頂いてから完成まであっという間でした。大変お世話になりました。
これからも家具共々、お付き合いをどうぞよろしくお願い致します!

スタイリッシュな充実収納 ~テレビボード編~

2019-6-19

また更新に間が空いてしまいました(汗)
書斎に引き続き、K様のテレビボードをご紹介させて頂きます。
設計変更後の図面ではテレビ面の壁が書斎側に奥まっていて、幅2.74m、高さ2.5mと正方形に近い設置面でした。
そこに65インチの壁掛けテレビとトロフィーを飾るスペース、そして書棚を多く設けたいというご希望でした。


最初に考え方として4パターンご提案させて頂きました。
壁掛けテレビの背面も演出するには少し壁の余白が少ないので、テレビの中心をずらしたパターンも含めています。
ソファーの配置も考慮して、中心をずらしても問題無さそうでしたので4番目のレイアウトをベースにお打合せをさせて頂きました。

内覧会の日、製作寸法の採寸と、たくさんあるサンプルを並べて遠目から見て選んで頂きました。


書斎の入口ドアよりも38cm奥まっていて、当初はこの奥行きに合わせてテレビボードを製作する予定でした。
しかしコンセントの位置からすると配線がかなり集中することが予想されたので、下台だけ奥行きを45cmに広げて製作させて頂く事になりました。


下台を設置して、ディスプレイ棚に配線を通しながら設置していきます。


吊戸棚が付きました。右側のカーテンボックスの凹凸に合わせた形状です。


タイルと照明が点灯して無事完成です。


プッシュオープン式でレールが見えない引出しが2杯。文具や貴重品などの収納に便利です。


中央の開き扉は奥で配線が行き来できるように、仕切り板の奥行きを控えています。
ごちゃごちゃした配線やアダプターも無理なく納まるかと思います。


ディスプレイ棚にもダウンライトを。
タイルを照らす間接照明とはスイッチを分けて、そして間接照明よりも照度を落とした器具を選んでいます。
眩し過ぎず常時点けていても程良い照度なので、大切なお嬢様のトロフィーを素敵に照らしてくれるかと思います。


照明だけ、タイルだけよりも両方があるから趣きのある演出になりました。
タイルの陰影を幻想的に照らす間接照明にうっとりしてしまいます。


下台だけ奥行きを少し広くしたので壁と面合せではなくなりましたが、違和感なく納まりました。
配線の為でしたが、アルバムもピッタリ入る奥行きで収納力も充分です。


テレビボードのスペースだけ奥まっているおかげで左の壁とフラットに見えます。
当初は設計変更前から相談しておけばと残念がられていましたが、変更内容も理に適っていてとても遣り甲斐のある空間でした。
テレビを設置された状態を拝見したかったので、後日またお伺いさせて頂きます^^

スタイリッシュな充実収納 ~書斎編~

2019-6-16

K様にお問合せ頂いたのは1月でした。
ご新築のマンションで既に設計変更済みの空間にカップボードとテレビボードを造作されたいとのことでお声掛け頂きました。

お打合せとご提案を数回重ねたときでした。
ご遠慮がちに「物置部屋として予定しているこの部屋も参考までに提案してもらえますか?」とご相談頂きました。
間口3.7m、奥行きは1.8mもない細長い空間です。
何もないと、奥の方から物を押し込んでしまってとても使い辛くなりそうな空間でした。
ご夫婦の書斎と趣味室として、ご提案させて頂いた充実収納をご紹介させて頂きます。

内覧会で現地確認を終えて、いざ施工の日です。

他の部屋の家具も合わせるとLDKを埋め尽くす程の量でした。
ご提案は最後でしたが、最初の取付になりました書斎からご紹介させて頂きます。


間口はありますが、奥行きがないので写真に納まりません^^;
でも壁量が充分あるので、収納を設けるには無駄なく最適な空間です。


まず下台から。ご主人様と奥様の座るスペースと収納を余裕をもって設けられる程の間口です。
カウンターは中央で継いでいます。


中間のオープン棚も現場で組み立てていきます。
少しグレーになっている部分が後々活きてきます。


2.48mの天井高いっぱいの収納が取付きました。
簡単そうですが、吊戸棚を手前で乗せた状態で壁面に移動するのに少々苦労しました。


また壁がコンクリートの為、必要な電源は全て家具の背面を利用して配線しました。
現場の条件によって製作の方法も現地での組付け方も変わってきます。
配線を終えた状態で、天井いっぱいの家具を壁面に移動しました。


ようやく完成です^^
部屋の中からでは全体が納まらないので窓の外から撮影しました。
家具を置く前と比べて、長さが強調されたからでしょうか。随分お部屋が広く感じます。


吊戸棚の内部は充実した隠す収納です。
奥行きが無駄に広くないので、奥の物も取り出しやすく圧迫感も感じません。


左側は奥様のスペースです。
引出左はミシンやアイロン、浅い引出しは糸類や文房具、手前はプリンターが入る予定です。


下台の奥行きは60cmと深いので、引出しの収納量もたっぷりです。


そして奥様側だけのプラスアイテム。
裁縫作業中のメモを挟める場所をということで、簡単に抜き差しできるペーパーレールです。
押しピンで刺したり、マグネットで止めたりするよりもスマートでスッキリ見えそうですね^^
重宝して頂けると嬉しいです。


デスク前だけさりげなくウォームグレー色でアクセントに。
このグレーも何色かある中から選んで頂きました。
そしてコンセントが全く無かった壁面ですが、デスク左奥に2口のコンセントと右奥にスイッチを配置しています。
ノートパソコンやミシン、その他の充電などすぐ目の前で使って頂けます。


リビングからの入口ドアを開け放しにしていても大丈夫!というよりも是非見せて頂きたい空間になりました。
家具も何もない空間だと、扉を常に閉めておかないといけない物置部屋になっていたかもしれません。
暗く閉ざされた狭い空間でも、その場に適した家具があると用途はもちろん、気持ちも変わってくるような気がします。
ハミングしながら趣味の時間を楽しんで頂けると嬉しいです^^

次はテレビボードをご紹介させて頂きます。

まるでスタジオ? スタイリッシュなカップボード

2019-5-25

Aさまのご新築マンションに合わせてカップボードを製作させて頂きました。
お問合せを頂いた昨年11月でしたが、ゴールデンウィーク前の内覧会にて採寸後製作スタートでしたので、お届けを随分お待たせ致しました。
今年のゴールデンウィークはメーカー各社お休みで納期に影響が出てしまい、大変ご迷惑をお掛けしました。

お取付け当日の様子をご紹介させて頂きます。

設置面の壁は幅145cm。限られたスペースでいかに効率の良い形にするかが課題でした。
そこで、84cmと少し余裕のある冷蔵庫スペースに10cmせり出してカップボードを製作することで、少しでも幅を広く確保することにしました。


用意されたコンセントは2口コンセントが1つでしたので、必要な場所へ配線します。
オーブンレンジ、トースター、炊飯ジャー、この3つ以外にもカウンター上で使うミキサーやコーヒーメーカーなど、限られたスペースでも使用される電化製品は同じ数だけ必要です。
それから間接照明も兼ねた手元を明るくするダウンライトもご用意させて頂きました。


無事に照明が点いて、タイルを貼っていきます。
こちらはAさまが随分探された石調のタイルです。
エコカラットなど皆様お馴染みのタイルやモザイクタイルではなく(私がご提案した物は一般的なタイルでした^^;)、マンションのエントランスに貼るようなゴツゴツしたタイルです。
既にその存在感と意外性にワクワクします。


扉がついてようやく完成しました。
ステンレスのカウンターが映える、まるでスタジオのようにスタイリッシュなカップボードになりました。
カップボードの天板にステンレスを使用するのは初めてでしたが、こちらもAさまたってのご希望でした。
タイルと天板が普通の素材だと、ありきたりの印象になっていたかもしれません。
Aさまのセンスに脱帽です。


扉はキッチンと全く同じ色柄です。
扉は同じですが、人工大理石天板とアルミハンドルのキッチンとは雰囲気も異なります。
調和は取りつつ、リビングから見える視界はラグジュアリーな雰囲気と絶妙な存在感です。


照明に干渉する位置の扉と、目線の高さの扉は下から上に上げるフラップ式です。
扉を閉めるときは軽く手を掛けるとゆっくりソフトに閉まります。


中間高さのスライドカウンターはトースターの専用スペースです。
カウンター上にレンジとトースターを置いてしまうと作業スペースが犠牲になるので、苦肉の策ではありますがトースターを上に上げました。
使用時は手前に引出して頂きますが、やはり少し高めです。
設計時にご納得頂いていましたが、収納量と作業スペースを優先にした分の影響が出てしまいました。
課題を大事にしたいと思います。


LEDのダウンライトやコンセント、ハンドルや巾木部分に黒を効かせています。
窓サッシの黒とリンクしているようで素敵でした。


レンジや炊飯ジャーなど置かれる前提で、ライトアップの見せ場を調整させて頂きました。
きっと機器を置かれてもスッキリしているのではと思います。
カップボードを設置する前よりも随分広く感じるキッチンスペースになりました。
毎日当たり前のお料理の時間が、少しワクワク楽しい時間になると良いなぁと思います。

Aさま、大変長らくお待たせ致しました。
これからもお付き合いをよろしくお願い致します!

ご家族みんなのリビング収納

2019-5-20

昨年末、Yさんからメールを頂きました。
4人目のお子様の産休中に片付かないお部屋をどうにかしたいというご相談でした。
4LDKのマンションですが、年齢も性別も違うお子様それぞれに子供部屋を設ける時期でもなく、とにかく不足している収納をどこにどんな形で設けるかとても難しいご相談でした。

ご出産後にご連絡を頂いてお伺いさせて頂きました。
各部屋を拝見させて頂いて、お子様たちの過ごし方や寝る場所、近い将来、遠い将来、いろいろとお話を伺いましたが、そのときに答えが出なかったのを覚えています。
自立心を養うために適齢期には子供部屋をといったいわゆる一般論が全ての家庭に当てはまるとは限りません。
当初は一部屋をお子様とご夫婦の書斎を兼ねた壁面収納にする案もご提案させて頂きましたが、とにかくYさんご家族が一番長く過ごすリビングを充実させる方向でプランをさせて頂きました。

 


Yさんのリビングに収納を設ける際に頭を悩ませたのは2面に大きな窓があり、収納を設ける壁が無いことでした。
窓を塞ぎたくないというご要望もありましたが、必要な用途を叶えるためには長さが必要です。
圧迫感を感じない高さで、2面にそれぞれ充実した収納を設ける方向でご提案させて頂きました。


短辺にはテレビ台を兼ねた引出し収納。
こちらはお子様それぞれの専用収納とゲーム機などのAV機器収納になっています。
長辺は、椅子が入るスペースを2スパン設けたデスクカウンター収納。
お子様のお勉強スペースやパソコン用デスク、裁縫用作業台と用途はいろいろです。
これから数年は常に2つのランドセルがある時期なので、ランドセルを収納することもできます。
(なかなか収納することは少ないと思いますが、スペースに余裕があればです^^)


いよいよ取付の日。
まずは短辺方向から取付けていきます。


次に長辺方向です。天板面にもコンセントを設ける為に配線をしています。


ようやく完成しました。
まるで違う部屋と勘違いしそうな程、以前より本当に広く感じます。
今まで目視で長さを感じる目安が無かった空間に、2.5mと3.2mのラインがそれぞれ通ったことで、奥行きと広がりを感じるようになりました。
とても清々しく気持ちが良いです。


テレビ面はお子様それぞれの引出し収納がメインになっています。
学校や保育園の給食ナフキンやハンカチ、文具、オムツも入るでしょうか。
ウォールナットの無垢材で製作した格子扉はAV機器の通気を兼ねています。
バーチカルブラインドがダークブラウンだったので、色合わせしてアクセントとして取り入れました。


充電が必要なタブレットが多いとのことで、お掃除ロボットの上は充電機器の専用スペースです。
配線孔から下のコンセントへ差し込めます。


デスク側は以前より随分長く感じるようになりました。
デスクの後ろは窓との隙間になっているので、物が落ちないように立上りを付けています。


小さなつまみがリズム良くアクセントになっています。


プリンター専用スペースです。引出してご利用頂けます。
その下はミシンとアイロンがジャストサイズで入る収納スペースです。
デスク上は貴重な壁面を利用したトールキャビネットですが、デスクカウンターのラインが通るようにあえて奥行きを浅くしています。
A4サイズの書物が無駄なく入ります。


心地よい空間で、お勉強も集中して捗りそうです。
まだ小さなお子様達ですが、大人になっても変わらず使って頂けると嬉しいです。


今の時点で、おそらくここにこれが入るだろうという想像で設けた収納スペースですが、
これから3年、5年単位でお子様の成長と共に中の物が変わっていくと思います。
それぞれの子供部屋ではないリビングですが、安心して自立を育てることができる場所ではないかと思います。
そして何よりお母さんが楽になることが第一です。
お子様といる時も、ご自身の時間を過ごす時も、ワクワク明るい気持ちでいられますように。
Yさん、これからもよろしくお願いします!

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