デザインコンパスブログ「ポッカポカ日和」

天然木の壁面収納

2024-9-8

朝晩、虫の音色に涼を感じるこの頃です。
最近知りましたが、虫の声を心地良いと感じるのは日本人とポリネシア人だけだそうです。とても驚きました。
他の国の人たちは右脳で聴くから雑音と感じ、私たち日本人は左脳で聴くから声として捉えられるのだとか・・・。

当たり前と思っていたことが特殊能力だったんですね。
一番良い季節なので、五感を研ぎ澄ませて過ごしたいと思います。

さて、先月になりますがHさんのマンションに壁面収納を設置させて頂きました。
人工素材が苦手なHさん。天然木にこだわってご依頼頂きました。

設置場所はリビングの壁一面。
大きな梁が2段、存在感たっぷりです。
置いている家具とのスケール感が分かりにくいですが・・・


まるで大浴場のように大きな家具です。
搬入ができないので全てパネル状にして組み立ててから起こしていきます。


梁に合わせて家具も凹状で製作しています。表からは梁が無かったことになる予定です。


内部が仕上がりました。
通常、ハンガーパイプは高い位置に設置して、長物を掛けて空いたスペースに鞄などを置くことが多いです。
もしくは上下にパイプを2段設置することも。
今回、Hさんのご希望でハンガーパイプを腰高に、その残りの使い易い高さに可動棚を設置しました。
なるほど。こうすると腰をかがめず目線の棚が使い易くなって良いアイデアでした^^


そして、完成しました。
カバ材の無垢と突板を使用した大容量の壁面収納です。


この框扉の案も、Hさんに頂いたラフ図を基に設計させて頂きました。
何もないフラットな扉と違って個性的で愛着が湧いてきます。


当初は一般的な框扉(四方に枠組みのある扉)で考えていましたが、少しのアレンジで表情が随分変わりました。


対面するキッチンにも同じ素材でカップボードを。


そして玄関は素材を変えてヒノキ材で腰高収納を製作しました。
引戸の国に生まれたかもしれないというほど引戸が大好きなHさん。
カップボードも玄関収納も同じく引戸です。

最近は戸建てでも人口素材を使うことが多くなっている中で、天然木に囲まれた空間になりました。
人口素材がかなりリアルになってきてはいるものの、やはり天然木の癒し効果は絶大でした。
眺めているだけで優しい気持ちになれそうです。

Hさん、打合せから楽しい時間をありがとうございました^^

3.6mのテレビボード

2024-8-24

残暑お見舞い申し上げます。
お盆を過ぎれば家具の搬入も少しは・・・と思っていましたがまだまだでした。
容赦ない太陽の日差しから大切な家具を守りながらお届けしています。


僕と同じくらい大事に持って行かなきゃダメだよ~(ポ)
あごひげの白髪が目立ってきた15歳のポッカです^^


先日は3.6mのテレビボードをお届けしました。
積み込んでから分割すれば良かったと思いましたが、搬入経路が許されれば1本で綺麗に製作できるに越したことはありません。
昨年からご相談頂いていたN様こだわりのテレビボード、無事に到着後なんとか搬入できました。


これはテレビボード??と思われるかもしれませんが、しっかりとしたテレビボードです。
機器類や配線がとにかく多くてゲーム機が壊れてしまったご経験から、N様のテレビボードは放熱と埃を落とせることが課題でした。
6スパンある収納の底面を全てアルミ格子で通気性を確保して、間仕切りになる側面も最低限を残して全て抜きました。


他にもN様のこだわりが。
天板を限りなく薄くして、本体との間にさりげなく見えるのは銅板です。


横から見るとこんな形状になっています。
タイル施工の後で宙に浮いたフロートタイプには出来なかった為、強度を保ちながら浮いているように見せつつ放熱も考慮しています。


天板の素材も最後までご検討頂きました。
限りなくマットで滑らかな手触りの電子線硬化樹脂の化粧板です。
いわゆる艶消しといわれる黒い化粧板と違い、黒板のような質感で継ぎ目が殆ど目立ちません。
何より手垢が全くつかないのが魅力です。


完成しました。
シンプルがゆえに存在感があります。
扉は3分割にしたので全面ガラスのような見え方です。


85インチのテレビに3.6mのテレビボード。
スケールが大きくて錯覚してしまいますが、天井高も相まって公共施設のように壮大で堂々たる佇まいでした。

N様、昨年から大変お世話になりました。
こだわりのご新居の名脇役になれますと幸いです。
今後ともどうぞよろしくお願い致します。

ただいま色々デザイン中です。

2024-7-27

気付けば1ヵ月ぶりの投稿です。
猛暑の熱気がオリンピックのおかげで士気に変わっていけるような気がするこの頃です。

とはいえ、造り手は長年酷使した身体にガタが来てしまったのでリカバリーしながら励んでおります。

「全く、ボクを見習って欲しいよね」(ポ)
「君も大病したくせにー。今は至れり尽くせりだもんね~」(主)

製作、設計共にフル稼働でお届けしております。
最近は家具に限定せずにお部屋全体のレイアウトやデザインのご相談が増えてきました。
戸建て・マンション、新築・リノベーション限らずご提案をさせて頂いています。

例えば新築マンションの平面図で見落としがちな梁の存在。
こちらは基本設計のまま(左)だと玄関入って頭上に梁が二重に露出することに。
間取りの変更と共に、ネックになっている部分をデザイン的に活かせると良いですね。


こちらは新築戸建ての設計段階です。意匠の部分でお客様よりご相談頂きました。
昔はお仕事を頂く為に最初のプレゼンを100%目標地点にしていたこともありましたが・・・。
今はより想像して頂くために、打合せ中もその都度スケッチを描きながら方向性や可能性を探るようにしています。
CGの時代にアナログかもしれませんが、どう見せるかよりも基になる発想が大事なので。


こちらはカップボードを設置する際のリフォーム業者さんへの指示書です。
お客様がご依頼されているハウスメーカー様、新築マンション業者様、リフォーム業者様それぞれ進め方が違いますが、出来る限りスムーズに行くよう心がけています。
業者様からすると、どこぞの知らない家具屋から設計デザインされるのは良い気はしないだろうなと想像しますが・・・
より良い空間をつくる目的は一緒なので、相乗効果で良いサポートが出来ればと思っています。

携わる人がみんな良い仕事をしたな~と思える現場は予想以上の仕上りになることがあるんです。
お客様に喜んでもらえても、職人たちが色んな意味で不満がある現場は100点とは言えない気がします。
若い頃にお世話になった現在闘病中のMさんに、みんなで作り上げる現場の楽しさと喜びを教えてもらいました。
またいつか一緒に仕事がしたいと思います。

さぁ、オリンピック選手に勇気をもらって頑張りますよ~!

カウンター下にピッタリ馴染む収納家具

2024-6-26

梅雨の真ん中ですね。
家の中のジメジメは嫌いですが、雨に濡れた葉や木々に落ちる雨音を聞きながら歩く林道は大好きです。
 

さて、先日Tさまの収納家具を製作させて頂きました。
キッチンのカップボードに並列されたカウンターと、ダイニングカウンター下の空いたスペースに収納をご希望でした。
 
どちらも貴重な収納スペースになりそうです。
ご希望される引出しや開閉方法など、事前に具体的なスケッチを頂いていたのでお打合せがとてもスムーズでした。


既存の家具に完全に色合わせするのは少し難しいので、いっそのこと異素材を取り入れませんか?
ということで、引出しの前板だけファブリックのような化粧板をご提案させて頂きました。
ベースの木、ハンドルのアイアン、壁のブルー、そして扉のファブリック、それぞれが引き立て合いますように・・・。

こちらは塗装前の状態です。
 
左はカップボード横の収納。4段引出しの前に1枚の引戸が行ったり来たりします。
右はダイニングカウンター下の収納。フレームのある框扉でのっぺりせずに少し表情が生まれます。
ホワイトアッシュで製作したこの2体が塗装でどんな雰囲気になるでしょうか・・・


塗装して数日後、無事に設置させて頂きました^^


少しグレーがかった難しいお色目でしたが、いつもの塗装屋さんが上手に仕上げてくれました。
良い雰囲気で馴染んでいます。


引戸を開けると引出しが隠れます。
片引戸なので、2枚の引違い扉よりスッキリして見えます。


ファブリック素材のメラミン化粧板に無垢材のフレームをまわして。
3mmの厚みを持たせることで、絶妙なアクセントになりました。
かなり手間はかかりますが、美しい納まりがデザインの一つになっています。


ダイニングカウンター側も同じ色合いで納まりました。
色も素材も同じですが、框扉にすることでまた少し違った雰囲気です。
この框扉もTさまのご希望でした。
一つ一つの選択を大事にされているTさまに選んで頂いて、家具も喜んでいるようです。
Tさま、この度はご依頼頂いてありがとうございました。
家具共々、これからもよろしくお願い致します。

 

ミントグリーンの子供室インテリア

2024-6-25

先日、A様のデスク収納を製作させて頂きました。
大きな窓があるため壁に書棚が設けられず、脚を入れるスペースが狭いことがネックでした。

お嬢様がお好きなミントグリーンの壁紙とレースシェードに合わせて、爽やかで清々しい空間にしたいと思います。
 
シャーベットのような色の組合せ。
ちょっと柄を入れてワクワクする空間を目指します。


製作期間を頂いて、取付の日です。
1.9mの間口いっぱいカウンターを設けます。
これで教えてもらいながらのお勉強もゆったり余裕が出来そうです。


ちょっとした収納も、単色の扉よりもずっと垢抜けて見えます。


シェードの楕円模様と引出しの引手の形がリンクして、心地良い空間が出来上がりました。
デスクだけですが、間口いっぱいにスッキリ設けたことで、以前よりも随分お部屋が広く感じられます。

最近ある方に、とても嬉しいお言葉を頂きました。
「大事に作られた家具に囲まれていると、自己肯定感が生まれるんです」と。

居・食・住、どれも同じことが言えると思いますが、住に特化している立場として意識していきたいなぁと思います。
お子様が過ごす空間は特に、自己肯定感が生まれる空間づくり、もちろんワクワクもプラスして繋げていきたいです。

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