デザインコンパスブログ「ポッカポカ日和」

家電も隠せるカップボード

2024-10-10

T様のマンションリノベーションに合わせてカップボードを製作させて頂きました。
設置スペースは1mと少し。
限られたスペースに食器・ゴミ箱・家電を集約しつつ、使わわない時は隠したいというご要望でした。

家電を隠したいというご要望は比較的多く頂きます。

今までもたくさんのパターンのカップボードを形にしてきましたが、ネックとなるのは家電使用時です。
家電使用中に扉が邪魔をして他の収納が使えなくなることが一時的にあります。
その犠牲をいかに少なくするかがいつも課題になります。

今回、間口は狭いものの奥行きが深いことが幸いでした。
家電使用時も邪魔にならない方法でご提案をさせて頂きました。

製作期間を頂いて、搬入の日です。
大きな冷蔵庫が既に設置されていて、かなりシビアな条件でしたが・・・


なんとか設置出来ました。
真っ黒過ぎて分かりませんか??
だとすると、ブラックガラスのように壁化させる目的でしたので大成功です^^


扉を開けると深い収納庫のようです。
右下はダイレクトに開閉できる食器用の4段引出しになっています。


扉は開けると奥に収納できる仕組みになっています。
奥行きが浅いカップボードだと収納できても手前に扉がはみ出してしまうので、ある程度の奥行きが必要です。


お引越し後にT様が写真を送って下さいました。
冷蔵庫と仲良く並んでカッコ良い佇まいです。


収納されたお写真も。
予定されていた物がスッキリ気持ち良く収納されています。
普段は引出し以外、開けたままでとても使い易いカップボードに。


来客時は閉めていると生活感を全く感じないインテリアの一部になっています。
T様、素敵なお写真をありがとうございました!
ご新居の素敵なインテリアの一員になれて光栄です。
これからも家具共々末永く、よろしくお願い致します。

子供室のプライベートな空間づくり

2024-9-30

数年前にリビングの家具を製作させて頂いたYさんより、子供室のご相談を頂きました。
当時も少しお話しは伺っていましたが、年齢も性別も違う4人のお子様のプライベートな空間づくりに悩まれていました。

高校生の長女さんと中学生の長男さんで一つの部屋をどう仕切るか。
小学生の次女さんと幼児の次男さんもゆくゆくは過ごされるかもしれません。


入口が手前にあり、正面には大きな梁が下がっていて高さの制限もありそうです。
お子様中心のご家族会議で困っている事と要望をリストに上げて頂きました。
中でも、「自分の部屋と呼べる場所が欲しい」という切実なお悩みが印象的で、是非お役に立ちたいと思いました。

少々無理がありましたが、上の2案のうち右のレイアウトで具体化することに。
通路が狭いので、2段ベッドの中でも一番長さに無駄が無い市販品を先に設置頂いてから周辺を造作していきます。


横に長いお部屋の奥から設置していきます。


まずは奥に長女さんのデスクを設置しました。


そして、大きな梁型に合わせた目隠しパネルを設置していきます。


上段のベッドが奥の空間から仕切られました。


そして下段のベッドは手前から見えない状態に。
最初からこういう商品?と思ってしまうほど違和感がありません。


念願のプライバシーを守れる空間が出来ました。
決して広くはないですが、なんだか落ち着く印象です。


パネルを有孔ボードにすることで、床に物を置かずに掛けられます。
限られた空間の貴重な収納スペースです。


便利なスマホスタンドも。
色々なフックを自由に掛けて移動して、楽しみ方は無限にありそうです。


長男さんのスペースもこの通り。
毎日使う物をオシャレに掛けておけるので、床が散らかりにくいでしょうか。

エアコンの効きと照明の明るさ対策でまたお伺いしますが、プライベートな時間が保てていると良いなぁと思います。
Yさん、ご家族の皆さま、積極的に参加して頂いてありがとうございました!
今後ともよろしくお願い致します。

天然木の壁面収納

2024-9-8

朝晩、虫の音色に涼を感じるこの頃です。
最近知りましたが、虫の声を心地良いと感じるのは日本人とポリネシア人だけだそうです。とても驚きました。
他の国の人たちは右脳で聴くから雑音と感じ、私たち日本人は左脳で聴くから声として捉えられるのだとか・・・。

当たり前と思っていたことが特殊能力だったんですね。
一番良い季節なので、五感を研ぎ澄ませて過ごしたいと思います。

さて、先月になりますがHさんのマンションに壁面収納を設置させて頂きました。
人工素材が苦手なHさん。天然木にこだわってご依頼頂きました。

設置場所はリビングの壁一面。
大きな梁が2段、存在感たっぷりです。
置いている家具とのスケール感が分かりにくいですが・・・


まるで大浴場のように大きな家具です。
搬入ができないので全てパネル状にして組み立ててから起こしていきます。


梁に合わせて家具も凹状で製作しています。表からは梁が無かったことになる予定です。


内部が仕上がりました。
通常、ハンガーパイプは高い位置に設置して、長物を掛けて空いたスペースに鞄などを置くことが多いです。
もしくは上下にパイプを2段設置することも。
今回、Hさんのご希望でハンガーパイプを腰高に、その残りの使い易い高さに可動棚を設置しました。
なるほど。こうすると腰をかがめず目線の棚が使い易くなって良いアイデアでした^^


そして、完成しました。
カバ材の無垢と突板を使用した大容量の壁面収納です。


この框扉の案も、Hさんに頂いたラフ図を基に設計させて頂きました。
何もないフラットな扉と違って個性的で愛着が湧いてきます。


当初は一般的な框扉(四方に枠組みのある扉)で考えていましたが、少しのアレンジで表情が随分変わりました。


対面するキッチンにも同じ素材でカップボードを。


そして玄関は素材を変えてヒノキ材で腰高収納を製作しました。
引戸の国に生まれたかもしれないというほど引戸が大好きなHさん。
カップボードも玄関収納も同じく引戸です。

最近は戸建てでも人口素材を使うことが多くなっている中で、天然木に囲まれた空間になりました。
人口素材がかなりリアルになってきてはいるものの、やはり天然木の癒し効果は絶大でした。
眺めているだけで優しい気持ちになれそうです。

Hさん、打合せから楽しい時間をありがとうございました^^

3.6mのテレビボード

2024-8-24

残暑お見舞い申し上げます。
お盆を過ぎれば家具の搬入も少しは・・・と思っていましたがまだまだでした。
容赦ない太陽の日差しから大切な家具を守りながらお届けしています。


僕と同じくらい大事に持って行かなきゃダメだよ~(ポ)
あごひげの白髪が目立ってきた15歳のポッカです^^


先日は3.6mのテレビボードをお届けしました。
積み込んでから分割すれば良かったと思いましたが、搬入経路が許されれば1本で綺麗に製作できるに越したことはありません。
昨年からご相談頂いていたN様こだわりのテレビボード、無事に到着後なんとか搬入できました。


これはテレビボード??と思われるかもしれませんが、しっかりとしたテレビボードです。
機器類や配線がとにかく多くてゲーム機が壊れてしまったご経験から、N様のテレビボードは放熱と埃を落とせることが課題でした。
6スパンある収納の底面を全てアルミ格子で通気性を確保して、間仕切りになる側面も最低限を残して全て抜きました。


他にもN様のこだわりが。
天板を限りなく薄くして、本体との間にさりげなく見えるのは銅板です。


横から見るとこんな形状になっています。
タイル施工の後で宙に浮いたフロートタイプには出来なかった為、強度を保ちながら浮いているように見せつつ放熱も考慮しています。


天板の素材も最後までご検討頂きました。
限りなくマットで滑らかな手触りの電子線硬化樹脂の化粧板です。
いわゆる艶消しといわれる黒い化粧板と違い、黒板のような質感で継ぎ目が殆ど目立ちません。
何より手垢が全くつかないのが魅力です。


完成しました。
シンプルがゆえに存在感があります。
扉は3分割にしたので全面ガラスのような見え方です。


85インチのテレビに3.6mのテレビボード。
スケールが大きくて錯覚してしまいますが、天井高も相まって公共施設のように壮大で堂々たる佇まいでした。

N様、昨年から大変お世話になりました。
こだわりのご新居の名脇役になれますと幸いです。
今後ともどうぞよろしくお願い致します。

ただいま色々デザイン中です。

2024-7-27

気付けば1ヵ月ぶりの投稿です。
猛暑の熱気がオリンピックのおかげで士気に変わっていけるような気がするこの頃です。

とはいえ、造り手は長年酷使した身体にガタが来てしまったのでリカバリーしながら励んでおります。

「全く、ボクを見習って欲しいよね」(ポ)
「君も大病したくせにー。今は至れり尽くせりだもんね~」(主)

製作、設計共にフル稼働でお届けしております。
最近は家具に限定せずにお部屋全体のレイアウトやデザインのご相談が増えてきました。
戸建て・マンション、新築・リノベーション限らずご提案をさせて頂いています。

例えば新築マンションの平面図で見落としがちな梁の存在。
こちらは基本設計のまま(左)だと玄関入って頭上に梁が二重に露出することに。
間取りの変更と共に、ネックになっている部分をデザイン的に活かせると良いですね。


こちらは新築戸建ての設計段階です。意匠の部分でお客様よりご相談頂きました。
昔はお仕事を頂く為に最初のプレゼンを100%目標地点にしていたこともありましたが・・・。
今はより想像して頂くために、打合せ中もその都度スケッチを描きながら方向性や可能性を探るようにしています。
CGの時代にアナログかもしれませんが、どう見せるかよりも基になる発想が大事なので。


こちらはカップボードを設置する際のリフォーム業者さんへの指示書です。
お客様がご依頼されているハウスメーカー様、新築マンション業者様、リフォーム業者様それぞれ進め方が違いますが、出来る限りスムーズに行くよう心がけています。
業者様からすると、どこぞの知らない家具屋から設計デザインされるのは良い気はしないだろうなと想像しますが・・・
より良い空間をつくる目的は一緒なので、相乗効果で良いサポートが出来ればと思っています。

携わる人がみんな良い仕事をしたな~と思える現場は予想以上の仕上りになることがあるんです。
お客様に喜んでもらえても、職人たちが色んな意味で不満がある現場は100点とは言えない気がします。
若い頃にお世話になった現在闘病中のMさんに、みんなで作り上げる現場の楽しさと喜びを教えてもらいました。
またいつか一緒に仕事がしたいと思います。

さぁ、オリンピック選手に勇気をもらって頑張りますよ~!

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