デザインコンパスブログ「ポッカポカ日和」

丸テーブルとシンボルタワー

2024-3-28

昨年、設計施工をさせて頂きましたマンションの空間づくり。
全貌は設計デザインサイトのブログでご紹介しておりますが、こちらでは家具の詳細をお伝えしたいと思います。
桜が開花して今が一番良い季節ですね^^

ダイニングテーブルを省スペースに配置するとき、アールの形状にすると上手くいくことがあります。
長方形だと座る位置が決まってしまいますが、丸いテーブルだとどの部分にも座ることが出来るからです。

こちらは盾のような形状ですが、テーブルの骨組みです。
こうやって小さな無垢材を角角に繋ぎ合わせてから、削って削って丸くしていきます。


滑らかになりました。
今回は縁の部分は無垢材に、天面は傷や汚れにもストレスのないメラミンを使用します。


こちらが設置場所。
急に宙に浮いた壁?と思いますが、是非全貌からご覧ください。


なぜテーブルの端に柱?
とお思いでしょうが、これでテーブルが自立することになります。


テーブルの設置場所に何やら頼もしいベースがスタンバイしています。


ここにじわじわとテーブルを挟んでいくわけです。
柱と土台と一体化したテーブルを、上の壁と挟むので更に強固になります。


こちら側が食卓スペース。
天井のダウンライトの入り切りとテーブル上で利用して頂けるコンセントを設けます。


それからインターホン周りの装飾を施して、上下が素敵に繋がっているように見せます。


完成しました。
キッチンからは、以前が「撤去できないネックになっていた壁」とはとても思えない素敵なシンボルタワーになりました。


リビングに入ってすぐの景色です。
明るい窓面に、ダイニングスペースのプライバシーが程良く守られています。
以前は個室だったので、この窓の光が全く入って来ない暗いキッチンでした。


コンパクトながら、空間を最大限に利用した楕円のテーブルです。
これが長方形のテーブルだと、こうはいきませんでした。
滑らかな円弧部分にお二人の座るスペースを、腰壁には10cm程の浅い収納を設けています。


この10cm程の浅い収納、限られた条件がなければ普通は作ることがありませんが、かなり便利なんです。
右側はSさんの「振り返ればドレッサー」スペースなのですが、その横はメイク道具。
そして中央はダイニングで使用するBOXティッシュや箸や調味料などなど‥
一歩も踏出さずにすぐとれて、開けると一望できる素敵な収納。
設計時はデザイン的な見え方重視で、それ程の効果は期待していませんでしたが、たくさんメリットがありました。


普段はかがまないとあまり見えないテーブルの脚ですが、こちらもSさんにこだわって頂きました。
サイドボードの框扉とお互いを引き立てあっているようです。

コンパクトですがふんわり優しく囲まれているようで、とても大好きな空間になりました。
その他の家具も次回またご紹介させて頂きます。

世界に一つだけのオリジナルソファ

2024-2-20

年が明けてあっという間にもう2カ月。
ポカポカ陽気も顔を出して、春まで駆け足しているようです。
こちらも猛ダッシュをしておりますが、製作が立込んで2~3ヶ月程お待たせしております。
設計共に心を込めて取り組んでおりますので、何卒ご了承頂けますと幸いです。

さて、構想から約半年。
Kさまの世界に一つだけのオリジナルソファをお届けしました。ご紹介させて頂きます。
最初は、丸く囲われたラウンド型ソファは作れますか?というご相談でした。
その後、リビングの家具やカーテンが施されていくにつれて形状も変わり、足を投げ出してゆっくる座れる下のような形に固まってきました。

フォルムが決まってから、また私が迷走しました。
ベルベット素材で、深いグリーンで1案。鮮やかなブルーの柄を数種類組み合わせた2案。
少し遠いところへ行ってしまいましたが、カーテンが下がってから方向性が定まりました。

カーテンと調和しつつ、存在感のある素材の組合せを3度目のマナトレーディングさんショールームで目一杯生地を広げて長時間お付き合い頂きました。
メイン生地の肌ざわり、アクセント生地の存在感でこれだという組合せが定まり、下のような組合せで製作させて頂くことになりました。

熟練張地職人のHさんに、「ゼロから造るのは本当に大変だから最初で最後よ」と念を押されて、年末に打合せ。

そして2月に入り、ようやく仕上り間近の姿を見ることが出来ました。
 
普段、木製で製作している私達の家具とはまた違う感動です。
ファブリックの存在感に圧倒される中、ふと搬入のことが過りました。
とても2人で運べる重さと大きさではない・・・ことに気付き、急遽応援をお願いしました。
サプライズで来てくれたMさん、本当に本当にありがとうございました。


皆さんのおかげで無事お届けが出来ました。
まるでこのソファの為につくられた空間のようです。


メインの生地は、木の幹模様のようなベルベット素材で頬ずりしたくなるような滑らかさです。
ボリュームのあるアームとヘッドが活きています。
縫い目を留めている鋲も無数の金物からセレクトしました。
苔むしたような色ムラのベース素材と、色違いの生地のクッションが、厳かな中にもラフな印象を与えてくれています。


バックには大胆にベースの生地を使用しています。
大きな面積になるほど、生地の圧倒的な存在感を感じます。
単色の生地では全く違ったものになっていたと思うと、ファブリックの力は凄いです。


メインの生地は、一見落ち着いた色に見えて、木の幹が座面から立上りまで繋がっているように見える絶妙な存在感です。
今回K様のご注文で廃番になってしまったそうで、ますます唯一無二のソファになりました。


夜のお写真を送って頂きました。
昼間とは違う表情に驚きました。
そのまま洋書の1ページになりそうな素敵な空間です。

携わって頂いた皆様、本当にありがとうございました。
色々な意味で忘れられない特別な家具になりました。

Kさま、大変お待たせ致しました。
そしてご依頼頂き本当にありがとうございました。
長くご愛用頂けますと、家具も私達も嬉しいです。
今後ともどうぞよろしくお願い致します。

 

ほんのりクラシックなカップボード

2023-12-29

5年前にお世話になったO様のご紹介で、M様のカップボードを製作させて頂きました。
新築マンションにご入居されたばかりで、インテリアに調和するカップボードをご希望でした。

リビングダイニングはアンティーク調の雰囲気ある素敵なインテリア。
こちらの雰囲気に合わせつつ、重たくならない白っぽいカップボード、もしくはキッチンに合わせたモダンなカップボードをご希望でした。


形は同じでも全く真逆のカップボード。
それからお打合せを重ねて、シンプルながら温かみのある左下の雰囲気で製作させて頂くことになりました。

製作期間を頂いて、施工当日。

電気工事から始めていきます。


本体が取付きました。


ダウンライトとアクセントクロスを貼って完成です。
シンプルながら温もりと趣きのあるカップボードになりました。


M様が大好きなウィリアムモリスのデザインクロス。
リビングのカーテンと喧嘩せず、でもちゃんと存在感と華やかさのあるクロスを選んで頂きました。


見せたくないゴミ箱もスッキリ収納されています。


ほんのりアンティークな雰囲気を感じられるハンドル。
同じ家具でもハンドル一つで雰囲気がガラッと変わるので、とても大事なアイテムです。


照射面の天板とオープン棚とで色味が違って見えますが、同じ色の木目を高さの中心に配色したことでグッと締まりました。
木目のラインが通るので幅広く見える効果もあります。


キッチンに合わせたグレーの案もありましたが、結果的に明るくてM様らしい素敵なカップボードになりました。


そしてトイレにもウィリアムモリスのアクセントクロスを。
グレー一色の無機質なトイレが一気に明るく華やかになりました。

小さな面積でもお気に入りのアイテムがちょこっとあるだけで、毎日の生活がきっとワクワクしてくると思います^^
M様、この度はご依頼頂きありがとうございました。
お家時間がますます楽しくなりますように。
今後ともよろしくお願い致します。

シンプルスタイリッシュなカップボード

2023-12-29

今年も大変お世話になりました。
かなりマイペースなブログを覗いて頂きありがとうございました。
今年の現場は昨日で終わり、紹介しきれなかったお客様の家具を投稿させて頂きます。

ご新築マンションに合わせて、M様のカップボードを製作させて頂きました。

こちらは設置前。
キッチンの扉の柄が少し青みがかったお色味でしたので、合わせるカップボードをかなり悩まれました。


全く同じ色柄でも製作出来ましたがあまりお好みではなかったので、調和しつつお互いが映える色使いで製作させて頂きました。


正面の大きな下がり壁も無かったことにしていきます。


完成しました。下がり壁の存在が無くなり、スッキリしました。


吊戸棚は単色の白で壁に同化させ、下台はキッチンより色ムラが少ない明るいモルタル調の色使いです。


シンプルながらさりげないラメが入った上品なタイル。
間接照明によく映えました。


常時差しっ放しにしない方のコンセントはカバー付きに。


リビングからの景色も爽やかに変わりました。
キッチンと同じ色にしなかったことで、良い意味で肩の力が抜けてスタイリッシュな空間になりました。


カップボードのついでに、洗面所のタイルも貼らせて頂きました。
ちょっとある違いますね。キッチンと雰囲気が違ってお気に入りの空間になりました。


M様、この度は大変お世話になりました。
新生活をカップボードと一緒に応援しております^^

拡張ベッドと寝室の造作家具

2023-12-18

続きまして、T様のベッドとその周辺の造作家具をご紹介します。
以前、ベッドの製作途中をご紹介していましたが、いよいよ設置していきます。

 
幅2.6mは一度に入らないので、分割して設置していきます。
まだベッドの気配が全くしませんが、配線や金具がいろいろ出ています。
壁のわずかな凹凸に合わせて微調整しながら何とか入りました。


本体が無事設置されました。
メインベッドの下に拡張するベッドの本体が隠れて見えています。
縦横にお部屋を埋める家具は、僅かなズレが全体に影響するのでとても難しい納まりでした。


そして、お部屋を印象づけるヘッドボード。
かまぼこ型のベースにクッションを巻いたものを一つ一つタイトに設置していきます。
今まではボタン締めのクラシックなヘッドボードを製作したことがありますが、同じ空間でもクッションの形が変わるだけで印象が変わります。


完成しました。
大人のフェミニン。
甘過ぎず、凛とした優雅さと可愛らしさを合せもったMさんらしい特別な空間の完成です^^
ヘッドボードに合わせてフットボードも製作しました。

 
メインベッドの下には、シングルベッドが隠れています。
マットレスの高さと長さをシビアに追って設計させて頂きました。

 
拡張するシングルベッドの枕元に掘込み棚。
就寝前の本やスマートフォン、タブレットなどちょっとした物が置けるスペースです。
側面には充電用のコンセント、上から照らすスポットライトのスイッチが仕込まれています。


長いお部屋がより広く奥行きを感じられるように、フォトフレームも製作しました。
壁掛テレビの格子に色合わせをしています。
特別な思い出の写真を一つ一つ、入れて頂くだけでニュアンスカラーのお部屋に彩りが添えられるはずです。


ベッドから見える景色も今までとは違うような気がします。
テレビ画面との距離は決して離れていませんが、何ら圧迫感を感じないどころか解放感を感じます。


デスク越しの寝室も、程良く空間が区切られました。
寝室、書斎、メイクルーム、クローゼット・・・部屋として区切られていないホテルのようなレイアウト。
ライフスタイルが多様化する今の過ごし方にぴったりかもしれません。

お部屋の使い方を色々お話し頂いて沢山レイアウトをさせて頂いた結果、一番良い使い方に辿り着けた気がします。
T様、これからが楽しみですね。
ご家族と一緒にまた新たな思い出が作られていくと嬉しく思います。
この度は、たくさんチャレンジさせて頂けて本当にありがとうございました^^

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