デザインコンパスブログ「ポッカポカ日和」

チェリーの壁面収納

2018-9-30

以前、既存のカップボードの造作でご紹介させて頂いたT様。
本来の目的でしたダイニングカウンターと壁面の収納を製作させて頂きました。

最初にお伺いしたときは完全に壁で囲われた独立キッチンでした。
当初から、T様ご依頼のリフォーム店さんでこの壁を撤去すると伺っていましたが撤去後でないと採寸ができず、製作期間含めて随分お待たせ致しました。

壁が撤去されただけで、ダイニングの解放感が全く違いました。
奥に見えるのは以前製作させて頂いたカップボード周りの家具です。

シンク裏が丸見えの状態ですが、どう納まるでしょうか。
まずは巾木の中でコンセントを増設しながら設置していきます。


そして下台。
3m以上のカウンターが通ることで、サイズ以上に広がりを感じるといいなぁ。ワクワクしながら取付けていきます。


カウンターの高さはキッチンの立上りに合わせて設定しました。


本体が取り付きました。
図面上ではいつも完成しているのですが、やはり取り付いた状態は新鮮です。
見慣れていないせいもあるこの迫力が圧迫感に感じないといいけど・・・。扉が付くまでドキドキします。


完成しました。品良く納まった気がします。
まだ経年変化する前の明るいチェリー材が初々しくてどことなく照れているような印象を受けます。
愛する我が子が嫁いだような気持ち・・・完全に親バカですね^^;


当初はカウンターの上から天井まで全面収納の予定でしたが圧迫感を気にされていたので中間を抜くことに・・・大正解でした!
このカウンターが奥まで通ることで、リビングから見た奥行きと広がりに効果大です。


つまみもすごく大事なアイテムです。
カタログでは色味や感触が分からないので、老舗の金物屋さんに一緒に行って見て頂きました。
フットボールのような形状とこのくびれがシンプルながらエレガントでチェリーとの相性もバッチリでした。
きっと無難な丸いつまみだとまた印象が違ったはずです。


框扉にもこだわりました。
扉が多く一枚の大きさが高いので、框の幅や落し込みの深さのバランスを悩みました。
数ミリ違うだけで格調高い男性的な印象を受けたりもします。
また框の中のタケノコ柄の板目がきれいに中央にくるように贅沢な材料の取り方をしています。
シンプルで飽きがこず、品の良さを感じる計算されたデザイン(のつもり)です^^


後日、お邪魔した際に拝見させて頂きました。
完成直後よりも断然、家具が喜んでいるのが分かりました。
やっぱり何もない状態よりもこうしてT様らしさが加わったほうが数倍良く見えます。
普通は生活感を無くすことに目が行きがちですが、生活感は立派なデザインだと思うんです。
気兼ねなくたくさん使って可愛がって頂けると嬉しいです。

お会いした時から熱心に参加して頂けて、こちらもとてもやり甲斐がありました。
T様、楽しい時間をありがとうございました。
経年変化しながらご家族の時間に寄り添えられる家具でありますように・・・。
これからもよろしくお願い致します。

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