デザインコンパスブログ「ポッカポカ日和」

大人フェミニンなトイレ空間

2018-11-9

9月に施工をさせて頂いたSさんのトイレ空間をご紹介させて頂きます。
ずいぶん経ってしまいましたが、昨日改めて嬉しいお言葉を頂けたので気分が上がった状態で投稿させて頂きます^^

元々はタンクに手洗いが付いた一般的なトイレでした。

来客の多いSさん。トイレでメイク直しが出来てちょっとラグジュアリーな気分になれるような空間にされたいとのことでした。
その為には、手洗いをどうするかが一番の課題でした。

別置手洗いの雑排水をトイレの汚水に繋ぐことが一般的にはできないのですが、TOTOとLIXILだけ独自のシステムトイレを採用すればそれが可能になります。
でも逆を言えば、既製品しか使えないということです。

よく見かけるこういうタイプの手洗いです。
果たしてラグジュラリーな雰囲気になるだろうか、デザインコンパスならではの仕事ができるだろうか・・・ちょっと悩みました。

手洗いが付くであろう場所にある大きな窓もネックでした。

奥に長いニッチ(掘り込み収納)や梁もまたネックでした。

しばらく答えが見つからなかったのですが、ちょっと考え方を変えてみました。
商業施設などにあるメイクコーナーって手洗いが無いような・・・確かにメイク直しって鏡のほうが重要かも。
第一条件の手洗いを別置きではなくタンク側に持ってきて、鏡を便器の後ろに持ってきては?

これこれ、こういう手洗いです。
この上に鏡。横に鏡を設置することはよくありますが、正面は初めてです。
男性が立って用を足すときに抵抗があるからでしょうか・・・正面に鏡があるトイレはあまり見たことがありません。
でも風水でいうトイレの鏡のタブーは、ドアを開けたときに正面に無いこと。便器が映り込む位置に無いこと。どちらもクリアです!
思い切ってこんな感じでお勧めをさせて頂きました。

水色の部分は変形の収納です。元々あったニッチを無かったことにする為に、表面はフラットの全面鏡にします。
便器の前に立ったときに顔映りが良い位置に鏡を設置します。
便器越しでメイク直し・・・大丈夫でしょうか。正直お勧めしながらも自信は半々でした^^;
ショールームに大きな鏡を持って行って、実際に便器の前に立って頂いたりもしながらゴーサインを頂きました。


いきなりこの状態。ではありませんが、写真を撮り忘れてここまで進みました^^;
途中、設備屋さんが便器にまたがって一生懸命取付をしている間、別の職人さんが誤ってリモコンを押してウォシュレットが作動するというアクシデントはありましたが、笑いが絶えない楽しい現場でした。
トイレが使えないのは一日。前後を入れて3日間で完成させます。
奥のニッチだった部分は深い収納、手前の浅い収納はトイレットペーパーが無駄なく入る奥行きです。
間接照明はやり過ぎだったかなぁと少し思っていましたが、こうしてみるとやはり収納下が暗いですね。


完成しました。ラグジュアリーで上品なSさんらしいトイレです。


限られた空間ですが、こんな幻想的な演出で受ける印象が変わります。
空間を広く見せる鏡の効果もバッチリです。


梁はラメの入ったピンクゴールドのクロスであえて強調して、正面の壁一面だけこちらも◇型のラメが入ったクロスです。
ツインシェードもSさんらしいエレガントな生地で、飽きの来ない上品な大人のフェミニンという印象です。

細かいアイテムもこだわっていますよ。
トイレに携帯を持ち込むことが多いかと思いますが、ペーパーホルダーの横にはそんな置き場も。
そして鏡の手前にはこちらもメイク道具をチョイ置きできる棚のついたタオル掛けを。


無かったことになったニッチも、収納の中には残っています^^
右側は12ロールのトイレットペーパーがそのまま入る奥行きです。


入る度に気持ちがすっとリセットされるそんな空気感のあるトイレになりました。
12年前にトイレ以外の改装をさせて頂いた時からお世話になっているSさん。
施工前はあの時トイレをしておけば良かった~と言われていましたが、当時ではトイレにそこまで重点を置かなかったかもしれません。
Sさん、まだまだ未熟ですがこれからもどうぞお付き合いをよろしくお願い致します!

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