デザインコンパスブログ「ポッカポカ日和」

モダンリゾートな空間づくり

2018-12-2

5月頃に1本のお電話を頂きました。
「糸島にある中古のマンションを購入したのでリフォームをお願いできますか?」
長年スイスで生活されていたご夫婦が、これから暮らす場所として世界中の中から選ばれたのが糸島だったそうです。
福岡県民を代表してお礼を申し上げたいと思います^^
お電話を頂いたタイミングはご契約の為に来日後、スイスに帰国される直前でした。

お電話でご要望をお話し頂いたものの、お会いしていないH様とこれからどう進めていくか多少の不安がありました。
しかしその不安もそれから半年間のやりとりで少しずつ拭えていったような気がします。

スイスに帰国されたH様から、早速現地の写真と現状図面、それからスイスの今のお住まいのお写真が送られてきました。

築17年、床面積75㎡の一般的なマンションです。

間取りを変えず、床も変えず、家具と照明それから内装でモダンなリゾートホテルのような空間づくりにチャレンジです。

家具については、特にテレビボードなど具体的なイメージ写真を頂いていました。
そして、お手持ちのクリスタルガラスや絵画など飾られたい物の写真もたくさん頂きました。
お会いしていないのに、お二人のお人柄やお好みなど自然と伝わってきたような気がします。
こちらは、何度もやりとりを重ねて辿り着いた家具のイメージコラージュです。

全体的にリゾート要素のあるシックモダンな印象です。
テレビボード、バーカウンター、それからカップボード、洗面室は間接照明で演出します。
それぞれ楽しみな仕掛けがあります^^

そして、モダンリゾートとは一変! たぶん他ですることはないであろう面白いことにもチャレンジします。
構造上、和室での間接照明が実現しなかった分、手前の壁で遊び心ある演出をします。

月見酒の襖は、H様がスイスに居られるときにご希望された柄です。
普段は開けておいて見えないようにして、閉めたときのサプライズとして。外国人のお客様に喜ばれそうです。
そして製作するのはかなり大変ですが、両サイドの丸窓のご提案をとても気に入って頂けました。
他にもジャングル柄のトイレ、滝のグラフィック壁紙で秘境のような印象の寝室、リゾート風のフリールームなど、
仕上げ材で「なんだこれ?でもどこか落ち着く(←ご主人様のテーマです)」そんな空間を演出します。

製作中の家具たちです。

大浴場のようなスケールのテレビボード。

収納を成さない3方を囲うパネル。住宅ではあまりしない事なのでテンションが上がります。


カップボード。上部はクリスタルガラスを照らし、中間はお酒を後ろからライトアップする予定です。


そして丸窓の製作。亀甲型に無垢材で枠組みをしています。


それを何度も削って丸い形にしていきます。


格子が出来上がりました。障子を2枚で挟み込む予定です。

10月末に初めてお会いしてから現地でお打合せ。
本当に気さくな方で、お打合せが楽しくて仕方がありませんでした。
ショールームで、「クエスト!」を連発されていたのでお尋ねするとイタリア語で「これ!」だそうです。
真逆の「Hate(ヘイト!)」もありましたが・・・(笑)。日本の白いプラスチックが嫌いだそうです。
スイスのお住まいのそれはそれは素敵なアルプスのロケーションやインテリアなどたくさん見せて頂きました。
お二人のご期待に応えられるように、思いを込めて取り組みたいと思います。

本当は、過程を少しずつご紹介したかったのですが、そんな間もなく明日から着工です。
お住まいながらの2週間程の工事。キャンプ生活の感覚で・・・と前向きにとらえて頂けて感謝です。

H様、いよいよですね。よろしくお願いします!

ページトップへ