デザインコンパスブログ「ポッカポカ日和」

造作ならではの家具たち。

2020-4-8

昨年お問合せ頂いて、ご提案させて頂きましたK様の家具をご紹介致します。
中古のマンションを購入されて、ご入居前の家具の設置とのことでした。
内装を拝見するまでは、おおよその寸法などK様から頂いた情報を基に想像でのお打合せでした。

テレビボードを設置する幅は約5m。
上の図は現地写真を拝見する前の初回のご提案です。
5mのテレビボードに間接照明をつけてタイルを・・・というご要望でした。
下の図は現地写真を拝見してからのご提案です。
実際は梁がかなり低いところまで下がっていて、5mもの間口だと余白が多過ぎるので縦に間接照明を入れたプランです。
下のプランで製作させて頂くことになりました。


事前に現地採寸後、製作期間を経ていざ取付の日。
右側にしかなかったコンセントから中央と間接照明の位置に配線し、キャビネットを設置していきます。


キャビネットの天板も1mmの隙間もない状態でピッタリ納まりました。
その上にテレビ背面の下地を造っていきます。
元々下地が入っていない壁でしたので、壁掛けテレビの取付や配線をする為でもあるフカシ壁です。
間接照明の光がこぼれる調度良い距離で造作しています。


2日目にタイルを貼って完成しました。
マンションで5mの幅はなかなかありません。圧倒されるスケール感です。


消灯するとこんな感じです。
テレビ面の壁は厚みの部分までタイルを貼り込むことで、見える印象が随分変わります。


点灯するとこんな感じです。
あえてテレビ面はシンプルに、その奥のタイルは光の陰影が映える凹凸感のあるタイルでメリハリをつけています。


元々ウォールナットをご希望でしたが、現地に伺ったときに床のタイルに映えるようダーク系で引き締めましょうということで、着色ウレタン塗装で仕上げています。


テレビを付けるとこんな感じでしょうか・・・。(テレビ画面はイメージです^^;)
大きく下がっていたシャンデリアもスリムな照明に変わって随分お部屋が広く感じられるようになりました。

そして、ダイニングテーブルも設置させて頂きました。
当初はキッチンの腰壁に対面してテーブルの造作をご希望でしたが、インターホンが動かせず断念。
置くタイプのテーブルをシーンに合わせて向きを変えられる方が・・・ともお伝えしましたが造り付けで収納もご要望でしたので、下のような形状で製作させて頂きました。


そして照明も悩ましいところでした。
天井がコンクリートなので電源を移設できず、またダクトレールを使用しても微妙な位置でしたので、色々な器具をご提案をさせて頂きました。


施工当日。何やら看板のような出で立ちの家具ですがどうなるでしょうか。


こうなりました。なかなかない形状ですね^^
リビングからの動線を妨げない丸い形状は、お孫さんが来られたときの危険回避と、丸い部分に二人座ることもできます。
テーブル下の空間は、カトラリーケースやランチョンマットを収納できて両面に6分割あり重宝して頂けると思います。
ガラス扉の下は、コーヒーメーカーや電子ポット、扉の中にはグラス類が収納できます。


リビングから見るとこんな感じです。照明の電源がテーブルの中心から離れているので、こちらの照明をお勧めしました。
コンパクトですが、天井面にダクトレールなども付かずいろいろな位置やアングルが自由自在に変えられます。


天板はマットなレザー調のメラミン化粧板、木部はウォールナットの無垢材です。
お手入れに気を使うこともなく、単色を用いることで木目も映える効果があります。
全て木目で仕上げるよりも、重たくなくこなれた印象になったような気がします^^

現地を拝見するまでとその後も、実物がないものを想像するのはなかなか難しかったかと思います。
K様、色々と大変お世話になりました。
またお引越し後のご感想を頂けると嬉しいです^^

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