デザインコンパスブログ「ポッカポカ日和」

ゆとりを活かしたリビングボード

2021-12-16

続きまして、A様のリビングボードをご紹介させて頂きます。
寝室と合わせてリビングボードも製作させて頂きました。
現地を拝見できる段階までは、頂いた平面図を基に図面上でご提案をさせて頂きました。

図面上では約5mもの広い壁面です。
長さを活かしつつ、間延びした感じがないようにA・B案、その後ご要望を頂きながら最終的にD案で製作させて頂くことになりました。


現地に採寸と色合わせでお伺いしました。
トールキャビネットは右側にと仰られていた理由が分かりました。
キッチンに近い位置にスティック掃除機を収納できる動線はもちろん、視線が奥へ向かうのでトールキャビネットは手前の方が広さを感じられそうです。
木天井に色合わせして素材も決まり、いざ製作です。


これは無垢材の格子扉とトールキャビネット横の格子です。
木天井にかなり色が近いメラミン化粧板で全体を製作しますが、格子部分は無垢材に調色をします。


ウレタン調色塗装後、すっかり装いを新たにして帰ってきた格子です。
パズルのように並べてバランスの良い位置を決めている楽しい時間です。
中央や上下に横桟が入った格子はよく見かけますが、こうしてランダムに入れることで垢抜けた印象になりそうです。
元々は、来客時のコート掛けを隠せたらと思っての格子でしたが、良いアクセントになればと思います。

いよいよ施工当日。
周り階段を上って2階のリビングへ、最大の難関でしたトールキャビネットが搬入できて一安心。
早速設置していきます。

ミリ単位でシビアに採寸した後、天井の凹凸に合わせて家具も加工しています。
小さな積み重ねが美しい納まりに繋がっています。

ローボードも設置していきます。
いつもは家具を設置後にタイルを貼っていきますが、タイルもコンセントも施工された状態での固定です。
ハウスメーカーさんの施工精度が良かったので、隙間も最小限で抑えられました。

さてさて今度は格子を取付けていきます。
表にビスや固定の跡を見せない為に、格子を加工してインロー式で1本ずつ固定していきます。

天井に角材を取付て、地道に差し込んでいきます。

初日が終了です。格子を固める為に、翌日までオペ中の状態です。

翌日、扉を付けて完成しました。

トールキャビネットの中は、スティック掃除機と、お手持ちの引出し収納が綺麗に納まっています。
こちらのサイズに合わせてキャビネットの寸法が決まりました。


一番右側はプリンター収納です。中のカウンターを手前に引出すことができます。


深い引出ばかりでは収納し辛いので、一部に内引出しを設けました。
文房具やリモコンなど浅い物の収納に便利です。


格子扉も美しく納まりました。


格子の裏には、コートハンガーを設けています。
持ち出しが30cmもあるので、数枚は掛けられそうです。


新しいテレビが到着していないそうですが、充分バランスの良いリビングボードになったような気がします。
トールキャビネットのミラーもA様のご要望です。
全面フラットの木扉よりも重たくなくこなれた印象で、何よりお部屋が広く見えます。
格子越しのタイルも好相性でした。


寝室と同じく、家具を設置する前よりも長さの目安が出来て空間がずっと広く見えるようになりました。
全面家具で覆われる収納よりも、意味のある余白がお部屋全体にゆとりを与えてくれるようで、時間がゆっくりと流れているようにも感じます。

ご家族の大切なシーンにご縁を頂いて大変感謝しております。
これからずっとA様ご家族の歴史に寄り添える家具でありますように・・・。
今後も家具共々、末永くよろしくお願い致します。

 

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