デザインコンパスブログ「ポッカポカ日和」

タモ材と白。唯一無二のカップボード

2022-4-23

今月初めにお届けしましたEさまのカップボードをご紹介させて頂きます。

最初にお会いした時は、こちらにお越し頂いて、お話しだけお伺いしました。
その時は、「漆喰の壁なので、カップボードは白で、壁の凹凸を解消したい」というおおまかなご要望だったように思います。
そして最初は下のようにシンプルなデザインでご提案をさせて頂きました。

冷蔵庫の後ろの壁が凹んでいるので、カウンターもそれに合わせた旗竿型に。隙間なくスッキリ広く設置する方向です。
上部は扉のない箱状の棚のみ。見せるボックスを置かれては?とお話ししました。
極シンプルな家具に、飾られる物が映えるカジュアルな印象です。

後日、ご自宅にお伺いしてその印象が変わりました。
漆喰の壁と無垢の床、玄関からリビングに入るまでのワクワク感、大きなFIX窓から見える木々の景色、趣きのある薪暖炉。
新建材で作られた空間とは違うゆっくりした時間の流れを感じました。
その場で、白を基調にした中に天然木を入れましょう!ということで、ご提案をさせて頂きました。

フォルムは大きく変わりませんが、上部の棚受けは、Eさまのご希望で金物ではなく無垢材で造ることになりました。
オープンスペースに棚受けと同じタモ材を使用することで、当初のプランよりぐっとEさまのお部屋に近づいた気がします。
食器がどれだけ入るかのシュミレーションから、ミリ単位で高さ設定もさせて頂きました。


製作期間を頂いて、施工当日。
冷蔵庫後ろの壁が凹んでいるのが分かります。


造り手が閉じ込められているようですが、こんな形状で壁にぴったり造り付けます。


壁に設置しました。
以前はこの凹み部分が使えないデッドスペースになっていましたが、天板が伸びるだけで広い作業スペースになりました。
天板上にコンセントも増設します。


天板下は見えないところも美しく、壁の出隅に合わせてタモ材を使用しています。


棚を取付けました。
このブラケットは木の厚さや高さ、形状にも悩みました。
下台とのバランスから大き過ぎても不格好になります。かといって滑らかで華奢なラインでは雰囲気が合いません。
あえて無骨さを残して、コンパクトなサイズで製作しました。


完成しました。
爽快で清潔感を感じる白の中に、木目が映えるEさまだけのカップボードです。
たくさんある白の中からダイニングテーブルや漆喰に合う白を選んで頂きました。
天板の厚みもEさまのご希望で薄くしたことで、洗練された印象です。


収納量もたっぷりです。
内引出しには低い土鍋を入れられるとのことで、高さ設定をしています。


取付け直後、さりげなく棚の上に乗せられた蒸籠がそのままディスプレイのようで素敵でした。
お庭の草花を一輪挿すだけでもグリーンが映えて絵になりそうです。

Eさま、この度は大変お世話になりました。
これから益々、ご家族団らんが賑やかで楽しい時間となりますように・・・。
今後ともどうぞよろしくお願い致します^^

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