デザインコンパスブログ「ポッカポカ日和」

タイルが決め手!クールでエレガントなカップボード。

2019-11-22

F様のご新築マンションに合わせて、カップボード製作とその周辺をアレンジさせて頂きました。
最初にお声掛け頂いた時から既にカップボードのフォルムを決められていたので、空間に合わせて周囲の壁や素材をどうアレンジするかを重点的にお打合せをさせて頂きました。


内覧会で現地採寸と色柄の確認です。
予め把握していたことですが、シンクの真後ろに大きな壁があり、カップボードを設置できる幅は1.3m程しかありません。
カップボードもさることながら、この大きな白い壁をどうアレンジするかがF様との打ち合わせで一番の課題でした。
ネックとしか言いようがない大きな壁ですが、アレンジ次第でシンボルタワーのように良いアクセントになるかもしれません。

当初はインターホン面以外の2面にサブウェイタイルをご希望されていましたが、3面貼らないと良いアクセントになりません。
角が2ヶ所。樹脂の見切り材は入れたくなかったので、コーナー部材があるものをお勧め致しました。

インターホン周りのタイル加工が大変なので、施工性の良いエコカラットをお勧めしたのですが・・・
数日してF様からこのタイルは貼れますか?とお尋ね頂きました。

メーカーサイトのユナイテッドアローズ心斎橋店の施工例に一目惚れされたそうです。
コーナー用のタイルも・・・ありました。素敵なタイルなので施工は大変ですがこれで行きましょう!
ということで柱のタイルを引き立たせるべく、正面のタイル、つまみ、テイストが合いそうな扉のデザインなど、色々な要素が決まっていきました。
タイルが決まるまでは、ガラスの吊戸棚とつまみのないフラットな引出しでした。
それくらい一つの要素で全体のテイストがガラっと変わるので、空間づくりは本当に自由で楽しいお仕事だと思います。

納期を多めに頂いて、いよいよ施工当日です。

まずはインターホン周りから。厚みのあるタイルの断面を隠す為にL字のアングルを入れています。


そこに、タイルのコーナー部材、幅が2種類あるタイルを交互に目透かししながら貼っていきます。
アングルの位置も余計な隙間ができないように、緻密に割り出された寸法で取付けています。


柱3面のタイル貼りで2日。クラフト感のあるタイルを目地幅だけで調整するのは大変でしたが綺麗に完成しました。
次はカップボードです。
左側に少し足されている壁は限られたスペースを少しでも広くということで、冷蔵庫スペースを最小限に抑えて壁を延長しています。
タイル面になる壁にあるコンセントも天板に移す作業をしています。


奥行きのあるオープン棚を自立させるには強度が必要なので、背板と一体化させて固定しています。


柱のタイルとは打って変わって亀甲型のモザイクタイルです。


完成するまでドキドキしていましたが、目地埋めすると更に馴染みました。
モルタル調の下台とブリックタイルを調和する程良い存在感。両方の良い引き立て役になっています。


左側のふかした壁も全く違和感がありません。壁紙に近い白を選んで化粧をしています。


クールでエレガント。まるでブティックのような雰囲気のキッチン空間になりました。
モノトーンでもやわらかさを感じるのは、エレガントな框やつまみのアイテムや、マットな素材感がそう感じさせるのかもしれません。


リビングに入って最初に目につくインターホン周り。
元々ある壁にタイルを合わせましたが、タイルに合わせて壁を造ったように割付けできました。
結果的にデザインの大事な要素になって良かったです^^


カップボードで5段引出しは珍しいですが、小刻みに分けたいというF様のご要望で木製で製作しました。
側面のフィンガージョイントもアクセントに見えます。


引出がたくさんあると、小さなつまみが活きてきます。
フットボール型のつまみ。
F様のご要望は横向きでしたが縦向きにするとカップボードがウフフっと嬉しそうでしたので・・・^^
ドレッサーのようにエレガントで上品な雰囲気です。


ダイニングからの景色も素敵でした。
下台をキッチンに合わせられたのも良かったと思います。
主役を引き立てる引き算と、主役がよりオシャレに見える足し算、色々な要素が組み合わさってどこにもないF様だけのキッチン空間になりました。
ネックだった大きな壁も、意匠が変わればお部屋全体のシンボルタワーに大変身。
F様、楽しいお時間をありがとうございました。
新生活、たくさん楽しまれてくださいね^^

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