リビングのトータルコーディネート
2022-12-31今年も大変お世話になりました。
年内最後のお仕事ブログです。
今月施工させて頂きましたK様の家具をご紹介させて頂きます。
7月にお電話頂いたときは「フロート型のテレビボードにエコカラットを貼りたい」というご要望でした。
ご新築マンションの内装設計段階で、後日平面図をご持参頂きました。
お会いした時から設計以外のお話しも沢山盛り上がってしまい、時間を忘れて楽しいお打合せでした。
リビングにお仏壇を置きたいけれども、方角的にテレビボードの面しかないということで、お仏壇を含めたご提案。
そして窓側のベンチ収納、クローゼットも少し考えて欲しいとのことで、こちらも含めてトータル的に検討させて頂くことになりました。
テレビボードの最初のご提案です。
お仏壇の存在が大きくて頭でっかちな印象です。お仏壇を上下の扉でどう隠すか等を考えていました。
せっかくテレビボードを宙に浮かせても横の広がりがあまり感じられない窮屈な印象です。
テレビボードもそうですが、クローゼットも面積の割には有効利用しづらい間取でしたので、僭越ながらレイアウトからご提案させて頂きました。
リビングからクローゼットに出入りする必要がないとのことで、間仕切り壁を右側にずらし、テレビボードの幅を拡張しました。
クローゼットの面積的には狭まりますが、長い壁面が確保できるので収納量は圧倒的に増えます。
テレビボード面の壁も寝室に支障が出ない程度に上側にずらし、リビングを広くしています。
こちらの方向で、再度テレビボードをご提案させて頂きました。
以前より随分すっきりしてきました。
お仏壇は大きく隠さず、台に乗せる方向でのご提案です。ただ、設置する高さが問題でした。
お仏壇を拝む高さは胸より少し上が良いとされます。
立って拝むには上図の高さになりますが、テレビより上では何だか仏様も落ち着かない印象です。
かといって下図になると見下ろす高さになります。
そこで、座る方向で検討させて頂きました。このベンチの仕掛けは後程のお楽しみです^^
製作期間を経て、いよいよ施工の日です。
既に間接照明も入って素敵に仕上がりそうな予感がします。
テレビボードが取付きました。お孫さんが万が一乗っても大丈夫なように下に下駄を履かせています。
テレビボードの上に壁を造作していきます。
壁から15cm手前に出ますが、この凹凸があることで空間に表情が生まれます。
ふかしていない壁にパネル状にした格子を貼っていきます。
コンマ何mmの寸法で美しく納まるように格子を割付けて製作しています。
その上にお仏壇の台を設置しました。
歪な形状ですが、全て計算されたデザインです。
梁の凹凸に合わせてピッタリ。上部の格子も美しく納まりました。
3日目、テレビを設置して完成しました。
イメージ通りの優しいグレージュを基調にした素敵な空間に仕上がりました。
窓側のベンチ収納はリビングから寝室側へ約5.8m。
凹凸のないフラットな扉がより長さと奥行きを感じさせてくれます。
一見、何も分からない壁のような扉ですが・・・
お部屋の中心になる扉にはルンバが収納されています。
開けっ放しにしていても扉が邪魔にならず、ちゃんと出動してくれます。
余談にはなりますが、取説の寸法で設計していたため扉が閉まらず最後までご心配をお掛けしました。
背面を加工してなんとかスッキリ収納することができました。日々反省です。
そして、ルンバだけでなく、お隣の扉も実は仕掛けがありました。
お仏壇に一番近い扉をキャスターで移動できるベンチにさせて頂きました。
ちゃんとこうして座って仏様と向き合うことができます。
座るだけでは勿体ないので、中も収納BOXになっています。
シンプルだけど、全ての扉を開けるとこれだけの収納力です。
お部屋は広く見えて、ベンチにもなって、ルンバや椅子も収納されて・・・一石数鳥の効果です。
テレビボードも見た目は浅い奥行きですが、ふかした壁の奥まで利用しているので、深い引出しの収納力は抜群です。
見えないところも裏側まで木目を合わせて美しく納めています。
お仏壇のお供えするときにちょっと置けるようにというご要望でスライド式に。
ホワイトアッシュの無垢材を難しい色で調色しています。
いつもこちらのニュアンスを上手く読み取ってくれる塗装屋さんに感謝です。
完成してしまうと寂しい気持ちですが、K様がずっとイメージされていたカラーや雰囲気に近づけて本当に良かったです。
コンパクトな既成のお仏壇を置いて頂きましたが、お仏壇も合わせて作って欲しいとのことで、また唯一無二のものを考えたいと思います。
K様、お打合せから楽しい時間をありがとうございました。
大変お世話になりました。
また来年もどうぞよろしくお願い致します。
皆さま良いお年をお迎えください。