デザインコンパスブログ「ポッカポカ日和」

白黒コントラストが美しいカップボード

2020-5-18

T様のカップボードをお取付けしました。
3年程前のご新築時に一度プランをさせて頂いておりましたがライフスタイルの変化もあり、時期を改めてお声掛け頂きました。
数年住まわれてイメージがクリアになったとのことで、当初のプランとは全く違うデザインで製作をさせて頂きました。


設置スペースです。左右の壁の奥行きが違うので、左の壁に合わせて製作しました。


コンセントの増設をしながら設置していきます。


本体を設置しました。白と黒の配色が目新しく感じます。
収納内部の配色もT様のこだわりでした。


完成しました。白と黒のコントラストが美しいスッキリとしたカップボードです。
キッチンとリンクさせるために随分悩まれた配色でした。


ダイニングから見ると、天井と扉の裏側の黒がポイントのキッチン。
当初は同じように黒のラインを効かせてリンクさせる予定でしたが・・・。

配色と同じく悩まれたのは、扉を開け閉めする際の手掛けでした。
キッチンは全て扉の隙間に手を掛けて引出す仕様のため、引出す力が要ります。

シンクやガスコンロ下の大きな引出しはかなり重たく、一日に何度も開閉する動作は気付かないうちにストレスになっていたようです。
打合せ中にT様から「指の甲にタコができるんです」と聞いて、これは避けなければと思いました。


黒のラインを強調するためのご提案を色々とさせて頂きましたが、最終的に白い引手で扉と同化させることになりました。
ずっと黒にこだわられていたので設置するまで少しの不安はありましたが、設置後に白にして良かった!との感想を頂いてホッとしました。


右側のトールキャビネットは、扉を開けると黒。少し気持ちが違います。


ちょっとしたペンや付箋、輪ゴムなどの小物収納が隠れています。


黒い引出しにはカトラリー類など。一つあると便利です。


カップボードにしては引出しの数が少ないのでは?
でも内部に内引出しが入っています。
高さ設定もミリ単位でこだわって頂きました。一番奥には炊飯ジャーが入ります。


爽やかで清々しいカップボード。
艶のある白とマットな黒のコントラストがより洗練された印象を受けます。
ご入居前にはイメージでしかなかったものが、生活されてみてより良い理想に繋がって本当に良かったです。
T様、この度はお声掛け頂いてありがとうございました。
今後ともよろしくお願い致します。

組子細工とテレビボード ~お届けしました~

2020-5-6

以前ご紹介させて頂きましたIさまの組子細工とテレビボード
なかなか更新ができずお届けから1ヵ月が経ってしまいました。
Iさま、その後いかがお過ごしでしょうか?
ご紹介をさせて頂きます。

仁田原建具さんにお願いしておりました組子細工を引取りに大川まで伺ってきました。
図面化していたのものが形になるのは家具も同じですが、組子細工はそれとはまた違う感覚を覚えます。
その繊細さと感動で溜め息が出るほどでした。

地組の三角形は濃い杉。地組のりんどう形は薄い杉。5つのりんどう形は桧。
そしてその中心は二重麻の葉と亀甲模様で変化をつけて・・・。仁田原さんからご提案頂きました。

テレビボードのウォールナットとリンクして、どこかにウォールナットを・・・とお願いしていたらこんな素敵な入れ方をして頂きました。
2番目と4番目のりんどう形の中心にさりげなく入っています。
まるで万華鏡のようでいつまでも見ていられそうです。

造り手と二人で組子を眺めながら似合うベースについて話し合いつつ製作を進めて・・・完成しました。

お手持ちのスピーカーに合わせてウォールナットでシンプルに。
シンプル過ぎても深みが欠けるし、民芸調のような重たさは避けたい。
ほんの少し天板に装飾を施して、組子とのバランスを工夫しました。

そしていよいよお届けの日です。

両サイドのスピーカーや内部の機器類を行き交う配線を極力隠すため、壁際に配線スペースを設けました。
扉を付けてしまうと配線が大変なので、この状態で機器類を入れて頂きながら配線も繋いで頂きました。


そして機器類がこんなに入りました。
トランス、ミキサー、アンプ、コンバータ・・・盛りだくさんです。
組子を活かすための間接照明でしたが、機器類の設置や配線がしやすいことに気付きました。
テレビボードには演出の用途でしか使用したことがない間接照明でしたが、機能面でもあると良さそうです^^


そしてこんな風に仕上がりました。組子が主役のテレビボードです。


スピーカーと一緒に製作したかのような一体感を感じます。
今では手に入らない海外製の歴史あるスピーカーと日本の伝統工芸である組子細工の融合。
というと大袈裟かもしれませんが、佇まいに誇りを感じます。


どの角度から見ても違う表情に見えるのも組子細工の魅力かもしれません。


夜でも暗い日でも、組子を楽しんで頂けるように調光と調色機能がついた間接照明を組み込んでいます。


色々なシーンを楽しんで頂けたらと思います。


Iさまに引き寄せて頂いたご縁で、たくさん勉強をさせて頂きました。
不慣れで随分お待たせしてしまいましたが、快くご依頼して頂けたことに心から感謝しております。
Iさま、仁田原建具様、この度は大変お世話になりました。
今後とも末永くお付き合いをよろしくお願い致します。

 

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