壁面にジャストフィットなTVボード
2019-10-25カテゴリー お仕事日記
数年前にキッチン収納を造作させて頂いたS様から久しぶりにお電話を頂きました。
ドアを閉める度に物が落ちてくる飾り棚をどうにかしたい・・・とのことでした。
その他にもテレビのゴチャゴチャした配線をスッキリさせたい等ご相談を頂きました。
お伺いしてみると確かに壁の後ろに両側からの引込み戸があり、前に傾いた棚が見るからに不安定でした。
天井高くに取付けられた吊戸棚は使い難そうですし、配線のせいで空いた壁との隙間も気になります。
まだ充分使えそうな家具でしたが、ご参考までに根本から考え方を変えたプランをご提案させて頂きました。
高さは建具に合わせつつ、幅は建具の間に広げて壁面にジャストフィットするプランです。
テレビも壁掛けにすることでカウンター上がスッキリします。
当初のお悩みから随分飛躍してしまいましたが、プランを気に入って頂きその後ご要望も頂きました。
洗面所へ行く動線を妨げないように斜めの形状で収納を製作することになりました。
いきなり製作中の写真ですが、これは斜線のスペースの扉を上から見たアングルです。
ダミーの扉で閉じたときの角度を確認しています。
155度に開くバッタのような大きな丁番がつきますが、小さなモップなどの小物収納に使って頂く予定です。
施工当日。壁掛けテレビの配線経路を通して、コンセントの増設と下地補強をしていきます。
建具の枠の間に下台がぴったり納まりました。
吊戸もついてタイルを貼っていきます。
壁の補修を隠す為もありますが、家具だけの壁面よりも随分雰囲気が変わります。
飾り棚はタイルの割付けを計算して厚みを揃えています。
棚だけがすっきり見えるようにインロー式で固定していますが、もちろん物が落ちてくることはありません^^
完成しました。タモの木目が美しい、どんなインテリアスタイルにも調和する壁面収納です。
以前よりも幅が大きくなりましたが、お部屋が随分広く見えます。
角を落としたのは下台だけでなく、吊戸棚とその下のオープン棚もです。
斜線の角度を同じにすることで、動線を妨げず見た目の印象も優しくなりました。
木目の流れが、より一層その先へ奥行きを感じます。
右はプリンター収納、中央は貴重品等の引出しと配線集約スペース、左はDVDレコーダーなどの機器類収納です。
ゴチャゴチャしていた配線も表には一切来ずすっきりしました。
コーナー部分。木目がぐるりと繋がっているので、閉じているとそこが扉と感じません。
開けるとしっかり収納です。
閉じたときに美しく感じるのは、扉の戸先の角度が鋭角になっているからです。
試作をした甲斐がありました。
以前の状態を忘れてしまう程、空間にぴったり合ったS様らしいリビングになりました。
壁がスッキリした分、リビングに余白ができたようでこちらも嬉しくなりました。
危険回避が一番の目的だったそうですが、それ以上に収納力や心地良さも格段に良くなったような気がします。
一番長く過ごすリビング。
気持ちが上がる場所になると一日がハッピーになれそうですね^^
Sさん、大変お世話になりました。
また何かありましたら声を掛けてくださいね。