デザインコンパスブログ「ポッカポカ日和」

プライベートルーム ~寝室・クローゼット・書斎の空間づくり~

2020-7-5

現在、昨年の秋からお打合せを重ねてきましたN様宅のリノベーション工事中です。
きっかけはN様が長年お付き合いのあるリフォーム店さんから、設計デザインのお話しを頂いたことでした。
当初は和室を増築して奥様の寝室と充実したクローゼットにというご要望でした。(今となっては懐かしく感じます^^)
どのくらい増築するのかはレイアウト次第ということで、まずは増築面積によって考えられる方向性をご提案させて頂きました。


左は増築面積を広く、右はコンパクトに。上はクローゼットを集約させ、下はクローゼットを各所に設けたプランです。
まずは広く増築する方向で具体化させて頂くことになりました。

その後、動線や収納量、N様のライフスタイルなどたくさんお伺いして、このようなレイアウトになりました。
元あった和室の中央に空間を仕切るクローゼットを設けた大胆なプランです。

デザインはN様がストックされていた海外のインテリア写真を基に、N様仕様にアレンジさせて頂きました。
クラシックでエレガントな女性らしい雰囲気もありつつ、設え過ぎずモダンでシンプルな清々しいイメージです。

一時はこの内容で着工の予定でしたが・・・床材やその他のお部屋の関係もあり、急遽増築をしない方向で再検討ということになりました。
今の和室の面積で、寝室・書斎・クローゼットの用途を備えつつ、収納量やデザイン性を極力変えずにどこまでできるでしょうか。
一度ご要望を全て満たしたご提案後に縮小するのは、少なからず我慢が必要になってきます。
でも住宅メーカーのCMではありませんが、「考えよう、答はある」です。


答えは、ありました! 収納量を確保するために壁面は全てクローゼットとデスクを配し、ベッドを中央に設けたレイアウトです。
Aの窓は元々あった掃出し窓の幅で、床から出窓の面積をせり出すことで脚を入れて座ることができるスペースに有効利用ができます。
増築プランも好きでしたが、こちらの方が必要なものが全て集約され、家具に囲まれた素敵な空間になりそうです。ワクワクしてきました^^


収納も前プランと同じくらい充実しています。それぞれが大事な役割のある収納です。
ベッドが中心?と思われるかもしれませんがヘッドボードを素敵に設えることで、生活感を解消してむしろ素敵に映える空間になるかと思います。

コロナの影響などで着工までの期間が長かったので、いよいよ待ちに待った着工となりました。
以前は窓も締め切られた閉塞感のある和室でしたが・・・

リビングからの写真です。床、壁、天井全て解体して以前の面影が全くなくなりました。

混構造のため、解体してみないと分からない天井裏です。
H鋼が入っているのでダウンライトの配灯やエアコンの位置など、解体後に対応して頂くことがたくさんあります。

少し空間が出来上がってきました。
出窓のイメージも湧いてきます。

着工して10日程でここまで空間が出来上がりました。
大工さんの手際の良さと、現場管理のYさんの采配に頭が下がります。本当にありがとうございます。

以前の和室からリビングへのアングルです。

窓が変われば・・・とこれまたサッシメーカーのCMですが、本当にそうですね。
完成した家具に囲まれて窓辺でゆったりとした時間を過ごして頂くご様子を想像するだけで本当に楽しみです。

空間が出来上がってからの採寸、そして製作となるのでこれからまたしばらくお待ち頂くことになります。
お住まいながらの工事で、N様もそして現場で作業される職人さん方も大変なご苦労かと思います。
現場がスムーズにいくよう、そして素敵な空間が出来ますように、私たちも良い仕事をしたいと思いますので、
N様、現場の皆様、引き続きよろしくお願い致します!

星空のクロス

2020-6-25

少し前になりますが、築33年になります自宅のクロスを貼替ました。
10年前に中古で購入してから前オーナーさんも一度も貼替えていなかったので、二部屋だけですが新築ぶりの貼替えということになります。


「久しぶりに見たね~、この感じ(笑)」とクロス職人の北嶋さん。
そうです。通常はこんな風にはなりません。裏紙も剥がれてパテも入らない状態です。


それでも綺麗に貼って頂きました。
こんなに下地が悪いと分かっていてデザイン重視の薄いクロスを選ぶ私たち。
普通のクロス屋さんでしたら(なんでこんなクロス選ぶん!?)となりますが、「ごめんね~。これが限界やん」と北嶋さん。
いやいやこちらこそすいません!いつも本当にありがとうございます。


小さい監督さんの部屋も予想を裏切らず同じ状況でした。


監督さんが真っ先に選んで譲らなかった☆柄のトリム。(アクセントになる帯状のクロスです)
最初はこれを全面に貼りたいとかビックリ発言をしていましたが、このパステルカラーのトリムに合うクロスを2人で選びました。


一面だけ爽やかなストライプ柄で、その他は全面落ち着いたブルーのクロスです。
「なかなかいいやん、誰が選んだと?」と北嶋さんに言われて上機嫌の監督さん。
無口な娘が貼替中ちょくちょく見に行っては話しかけてもらっていました。


天井も綺麗に貼ってもらいました。普通のクロスに見えますが、夜消灯すると光るクロスです。
「消灯式、呼んでよ。心配せんでもおいちゃんつまみはちゃんと持ってくるけん!」
「よ~っと見とって!たまに流れ星が出るよ。」
本当に常に笑いが絶えません。

私も実際に蓄光クロスを見るのは初めてでしたが・・・

消灯するとゆっくりポツポツと星が浮かび上がってきて、まるでラピュタに出てくる洞窟の中の飛行石のようでした。
草原で仰向けになって夜空を眺めているようです。
流れ星は見えませんでしたが、オーロラが見えました。

翌日、嬉しくて北嶋さんに消灯式の報告したかったのですが既読にならず、御礼を伝えることもできませんでした。
未だに信じられませんが、私たちの自宅が最後の現場となってしまいました。
独立して8年余り、年に数回しかも少しの面積しか依頼が出来ませんでしたが、快く引き受けて頂いてどこの現場に行ってもお客さんからも動物からも好かれるお人柄でした。
心のこもったお仕事と周囲を明るくしてくれたニャンちゅうのような笑顔に心から感謝の気持ちを送ります。


北嶋さん、今まで本当にありがとうございました。
北嶋さんの笑顔を忘れずに現場仕事も頑張りますからね。
心より心よりご冥福をお祈りいたします。

大型スクリーンを組込んだテレビボード

2020-6-8

先月施工させて頂きましたMさまのテレビボードをご紹介させて頂きます。
初めてお伺いした時のMさまのご要望は、「とにかくカッコ良くしたい!」でした。
広いリビングに幅2mのテレビボードと75インチの大きなテレビを設置されていて、設置面にテレビの電源が無いこともお悩みの一つでした。

テレビの電源は、壁の裏側の洋室から増設することにして、工事の具合で3プランご提案させて頂きました。

上から下にいくにつれて、電気配線や下地補強など段々と大掛りになっていきます。
下はシンプルですが、補強のために壁を開口するので、壁全面のクロス工事が必要になります。
お話しをしていくうちに、もう少し変化が欲しいとのことで、周辺の造作も含めてご提案をさせて頂きました。


リビングを入ってすぐ左に家具が突出するので、高さを抑えたPLAN2で製作予定でしたが、直前にホームシアターのご相談を頂きました。
スクリーンを天井の中に埋め込むには大掛りで電源も必要です。
スクリーンを使用していない日常も美しく見せるために、家具の中に組込むことになりました。
120インチの投写面がテレビボードの上でピッタリ納める為に、図のようなバランスで製作させて頂きました。


施工当日。壁の裏側のお部屋からテレビの電源を増設して、壁掛けテレビの下地補強と配線ルートも万全です。
ちょっといびつな形状のテレビボードですがこれから組み立てていきます。


テレビボードの両サイドにゲート状になる柱を設置しています。


天井すれすれで上部を乗せました。スクリーンが組み込まれる部分が空いています。


ゲート状の素材は単色の白ではなく、和紙のような素材感のあるメラミンを使用しています。
間口4.2m、天井高さの巨大なゲートの圧迫感を解消するための色使いですが、マットで上質な素材感を使用することで高級感が増しました。


スクリーンを組込む部分は、設置がしやすいようフラップ扉に。
もちろん閉めるとそこが扉とは全く分からない仕掛けです。


タイルと間接照明も施して、完成しました。
大きなゲートもテレビボードをダークな色で引き締めることで、心配していた圧迫感が解消されました。
程良いインパクトの中に、爽やかで上品な印象を受けます。


リビングに入ってすぐの視線。
突出している黒いテレビボードに目がいくので、天井までのゲートの圧迫感は感じません。


そしてスクリーンを降ろしてみました。
120インチの巨大なスクリーン。テレビボードの上でストップすると調度、投写面がきれいに見えました。
この投写面から逆算してゲートの高さを設定しています。
スクリーンがなければゲートの高さをもう少し下げたバランスにしていましたが、結果ダイナミックな空間になったような気がします。

設置後、Mさまからお写真を送って頂きました。

福山雅治がまさかこんなサイズで!!
スクリーンに突進したくなりそうです(笑)
プロジェクターもMさまとお話ししながら機種を決めて頂いたので内心心配でしたが、この映像を見て安心しました。
「ライブや映画館に行かなくても充分ですねー」とお話ししたら、
「それとこれとは別です」だそうです^^;恐れ入りました。

Mさま、この度はご相談頂き本当にありがとうございました。とっても楽しい時間でした^^
今後ともどうぞよろしくお願い致します。

白黒コントラストが美しいカップボード

2020-5-18

T様のカップボードをお取付けしました。
3年程前のご新築時に一度プランをさせて頂いておりましたがライフスタイルの変化もあり、時期を改めてお声掛け頂きました。
数年住まわれてイメージがクリアになったとのことで、当初のプランとは全く違うデザインで製作をさせて頂きました。


設置スペースです。左右の壁の奥行きが違うので、左の壁に合わせて製作しました。


コンセントの増設をしながら設置していきます。


本体を設置しました。白と黒の配色が目新しく感じます。
収納内部の配色もT様のこだわりでした。


完成しました。白と黒のコントラストが美しいスッキリとしたカップボードです。
キッチンとリンクさせるために随分悩まれた配色でした。


ダイニングから見ると、天井と扉の裏側の黒がポイントのキッチン。
当初は同じように黒のラインを効かせてリンクさせる予定でしたが・・・。

配色と同じく悩まれたのは、扉を開け閉めする際の手掛けでした。
キッチンは全て扉の隙間に手を掛けて引出す仕様のため、引出す力が要ります。

シンクやガスコンロ下の大きな引出しはかなり重たく、一日に何度も開閉する動作は気付かないうちにストレスになっていたようです。
打合せ中にT様から「指の甲にタコができるんです」と聞いて、これは避けなければと思いました。


黒のラインを強調するためのご提案を色々とさせて頂きましたが、最終的に白い引手で扉と同化させることになりました。
ずっと黒にこだわられていたので設置するまで少しの不安はありましたが、設置後に白にして良かった!との感想を頂いてホッとしました。


右側のトールキャビネットは、扉を開けると黒。少し気持ちが違います。


ちょっとしたペンや付箋、輪ゴムなどの小物収納が隠れています。


黒い引出しにはカトラリー類など。一つあると便利です。


カップボードにしては引出しの数が少ないのでは?
でも内部に内引出しが入っています。
高さ設定もミリ単位でこだわって頂きました。一番奥には炊飯ジャーが入ります。


爽やかで清々しいカップボード。
艶のある白とマットな黒のコントラストがより洗練された印象を受けます。
ご入居前にはイメージでしかなかったものが、生活されてみてより良い理想に繋がって本当に良かったです。
T様、この度はお声掛け頂いてありがとうございました。
今後ともよろしくお願い致します。

組子細工とテレビボード ~お届けしました~

2020-5-6

以前ご紹介させて頂きましたIさまの組子細工とテレビボード
なかなか更新ができずお届けから1ヵ月が経ってしまいました。
Iさま、その後いかがお過ごしでしょうか?
ご紹介をさせて頂きます。

仁田原建具さんにお願いしておりました組子細工を引取りに大川まで伺ってきました。
図面化していたのものが形になるのは家具も同じですが、組子細工はそれとはまた違う感覚を覚えます。
その繊細さと感動で溜め息が出るほどでした。

地組の三角形は濃い杉。地組のりんどう形は薄い杉。5つのりんどう形は桧。
そしてその中心は二重麻の葉と亀甲模様で変化をつけて・・・。仁田原さんからご提案頂きました。

テレビボードのウォールナットとリンクして、どこかにウォールナットを・・・とお願いしていたらこんな素敵な入れ方をして頂きました。
2番目と4番目のりんどう形の中心にさりげなく入っています。
まるで万華鏡のようでいつまでも見ていられそうです。

造り手と二人で組子を眺めながら似合うベースについて話し合いつつ製作を進めて・・・完成しました。

お手持ちのスピーカーに合わせてウォールナットでシンプルに。
シンプル過ぎても深みが欠けるし、民芸調のような重たさは避けたい。
ほんの少し天板に装飾を施して、組子とのバランスを工夫しました。

そしていよいよお届けの日です。

両サイドのスピーカーや内部の機器類を行き交う配線を極力隠すため、壁際に配線スペースを設けました。
扉を付けてしまうと配線が大変なので、この状態で機器類を入れて頂きながら配線も繋いで頂きました。


そして機器類がこんなに入りました。
トランス、ミキサー、アンプ、コンバータ・・・盛りだくさんです。
組子を活かすための間接照明でしたが、機器類の設置や配線がしやすいことに気付きました。
テレビボードには演出の用途でしか使用したことがない間接照明でしたが、機能面でもあると良さそうです^^


そしてこんな風に仕上がりました。組子が主役のテレビボードです。


スピーカーと一緒に製作したかのような一体感を感じます。
今では手に入らない海外製の歴史あるスピーカーと日本の伝統工芸である組子細工の融合。
というと大袈裟かもしれませんが、佇まいに誇りを感じます。


どの角度から見ても違う表情に見えるのも組子細工の魅力かもしれません。


夜でも暗い日でも、組子を楽しんで頂けるように調光と調色機能がついた間接照明を組み込んでいます。


色々なシーンを楽しんで頂けたらと思います。


Iさまに引き寄せて頂いたご縁で、たくさん勉強をさせて頂きました。
不慣れで随分お待たせしてしまいましたが、快くご依頼して頂けたことに心から感謝しております。
Iさま、仁田原建具様、この度は大変お世話になりました。
今後とも末永くお付き合いをよろしくお願い致します。

 

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