続きまして、K様のカップボードをご紹介させて頂きます。
カップボードの設置スペースもK様が既に設計変更されていて、幅2.4m程ありました。
マンションではなかなか確保できない寸法です。
作業台と隠す収納をそれぞれ余裕をもってご提案させて頂きました。
プランのポイントとなったのは、奥行きの違いです。
キッチンとの距離からすると60cmは奥行きが確保できる空間ですが、手前の袖壁の奥行きが45cmしかありませんでした。
壁から飛び出すことはしたくなかったのと、キッチン入口から奥の冷蔵庫まで段差なくラインを繋げたかったので図のようなご提案をさせて頂きました。
奥行き60cmの家電収納と、奥行き45cmの引出収納、そして奥行きの違いを解消する斜めのマルチ収納です。
この斜めのマルチ収納と冷蔵庫上の収納があることで、3m以上の家具がズドーンと奥まで繋がって、より広がりを感じさせてくれるはずです。
内覧会で採寸して、いざ製作です。
最初に斜め収納の納まりを検討しました。
試作した小さな扉と丁番で扉の動きと納まりを検討中です。
実寸を鉛筆で書いてみて・・・というのは設計デザインの私にはできないことです。
「納まりどうすると?」と相方にいつも言われております^^;
そんなこんなで内覧会から1カ月半後、いよいよ取付の日です。
まずは台輪を設置していきます。こんなラインになるんですね。
家電収納を設置しました。天井いっぱいまで、大きいです!
次に斜めのマルチ収納。段々と仕上りのイメージが出来てきました。
冷蔵庫上の収納と手前のカウンター収納を設置して、本体が取付きました。
充実の収納量です。
扉、タイル、間接照明を施工して、無事完成です^^
勝手口奥までふわっと風が流れるような美しいラインでとても綺麗に納まりました。
キッチンと同じ素材にした横目の木目柄がより奥行きを感じさせてくれます。
それではラグジュアリーなカップボードの詳細をご紹介致します。
まずは冷蔵庫上とその隣の吊戸棚。
高い位置にある奥行きの深い収納は通常は使えない場所になりがちですが、コストコのキッチンペーパーなどのストックにされるそうです。
その他お正月や節句用の普段は使わない物の収納に重宝して頂けるかと思います。
家電収納のガラス扉はオーブンレンジの収納、その下のスライドカウンターは炊飯ジャーの収納場所です。
目線で楽に使えるレンジ、上から楽にご飯をよそうことができる炊飯ジャー、両方にベストな高さ設定です。
一番ドキドキしていた斜めのマルチ収納はこうなりました。
斜めの本体に少し奥まって引出しとスライドカウンターが納まっています。
引出は食品庫、スライドカウンター下はコーヒーメーカーとケトル、上はトースターが入る設定です。
通常より155°と大きく開くバッタのような丁番も収納に干渉せず、むしろ通常の開き扉よりも見渡せてとても使える収納になりました。
シンク側からも開けてしまえば難なく中の物を取り出せて、扉も邪魔になりません。
引出収納のハンドルもラグジュアリーな雰囲気に合った大事なアイテムになりました。
パールブラック色ですが、扉の色が反射してゴールドにも見えます。
くの字の形状が本体の斜め形状にもリンクしていて良い存在感になりました。
隠す場所と見える場所を・・・ということで、幻想的な演出を。
別に家電収納を設けることができたので、普段はカウンターの上に置く物も少なくて済むかと思います。
デザインコンパスで大人気のガラスモザイクタイルに、フィオレストーンという人工大理石よりも固い水晶が主成分の天板を使用しています。
キッチンの天板と扉に素材を合わせたいというご要望で、普段カップボードではあまり使用しない素材を採用させて頂きました。
ただの作業台だけではもったいない、格好の見せ場をカップボードで実現できました^^
リビングから見える景色はとても後から製作したと思えない一体感でした。
ブロンズ色の冷蔵庫を置かれるとのことで、ますます壁面の広がりを感じるはずです。
きっと設計変更をされていない当初のスペースでしたらこの形状にはならなかったと思います。
広い間口と奥行きの浅い袖壁があって、そしてキッチンの素材に合わせるという条件があったからこそできた空間です。
設計変更の時期から家具屋さんやキッチンメーカーを回られたそうで、私たちに声を掛けて頂いたのは仕様が固まった後半の時期でした。
でも家具をご提案するには充分な空間と、K様のしっかりしたご要望と熱意が素敵な空間づくりにつながったと思っています。
K様、ご相談頂いてから完成まであっという間でした。大変お世話になりました。
これからも家具共々、お付き合いをどうぞよろしくお願い致します!