デザインコンパスブログ「ポッカポカ日和」

ツインボウルのパウダールーム

2020-9-30

N様のパウダールームをご紹介させて頂きます。

洗面所をなぜパウダールームと言うのか、先日テレビで知りました。
バッハやモーツァルトは白髪頭が印象的ですが、実はカツラに小麦粉をふりかけていたそうです。
その小麦粉を落としていた場所がパウダールームと呼ばれるようになったそうです。
別に洗面所でも良いのでは?・・・ですが最近知って衝撃を受けたもので使わせて頂きました(笑)

さてN様のパウダールームですが、以前は洗濯室も兼ねたL字型の洗面台でした。

L字型はコーナーがデッドスペースで使えませんし、洗面台の高さも非常に低く、引出しもガタついて使い辛い状態でした。
洗濯機を別の部屋に移動されるとのことで、ご家族の下着やタオル、シャンプーなどのストック類もゆっくり収納できる空間をご提案させて頂きました。


L字型⇒左に洗面、右に収納を設けて並列型にレイアウトを変えて効率の良い収納を確保します。
兼ねてからご希望されていたツインボウルをベースに色々と工夫させて頂きました。
N様がストックされていた海外のクラシカルで素敵なイメージ写真を見せて頂いたおかげで、方向性が比較的早く決まりました。
色はお嬢様のご希望でグレーでもベージュでもないグレージュ。
グレーよりも落ち着いて洗練された印象です。床のタイル、扉の色、天板の大理石もこちらでセレクトさせて頂きました。


左側にあった窓の位置を中央に、そして磨きタイルもリフォーム店さんに貼って頂きました。
全体の工事はご紹介が遅れましたが西日本住設(株)さんです。
N様が絶大なご信頼を置かれているなか、私たちは後から設計と家具のご提案で仲間入りさせて頂きました。
内外装、小さな工事から大規模なリノベーションまで、お住まいながらの工事も非常に段取り良くされていて随分助けて頂きました。


左右の壁に本体が取付きました。
何事もなく進んだようですが、ツインボウルの洗面カウンターを入れるのに3度チャレンジしてようやく入りました。
デザイン上、天板の立上りを10cmと高くしたせいで大変でしたが、ぴったりジャストで納まりました。


そしてようやく完成しました。
どこにもないN様だけのパウダールームです。


中央のトールキャビネットを挟んで左右シンメトリーに配しています。
この収納があることで左右が程良く仕切られて、タオル掛けやメイク用品、タオルなど主役級の収納スペースとなりました。


左右どちらに立っていても、真横ですぐ出し入れできる小引出し。
奥行きを控えているので、引出しっ放しにしながらメイクが出来て大変便利です。


砂模様のような大胆な柄の天板と框扉、鏡や掘込収納の縁(モールディング)など、1つ1つのディテールが組合さって一つの空間になっています。

ハンドル一つも空間を決める大事なアイテムです。

同じゴールド色のハンドルですが、形状で随分印象が変わります。
左は厳かなイメージにしたかったのでガッシリとしたもの、右はエレガントで少しクラシカルなイメージにする為にぷっくりとした形状にしています。
一つの空間をつくるための選抜メンバーを決めることもプランニングの楽しみの一つです^^


中央の引出しには、洗濯物を入れる大きなバスケットが2つ入っています。
洗濯物の置き場は手洗いボウルの下にカゴを見せて置いておくことは多いですが、オシャレに隠せると良いですね。
上からポンポン入れられて、腰をかがめることなく楽に持ち運びできます。


ボウルの下はデッドスペースとなりがちですが、ボウルに干渉しない部分を小物収納として活用しています。


右側の収納も充実しています。
ご家族の下着やパジャマ、タオルや洗剤などのストックも充分入るスペースがありそうです。
天井のモールディングや巾木はこの後、取付けました。


ツインボウルを設置できるパウダールームはなかなか少ないですが、N様からのご要望があって実際に製作させて頂きました。
ミラーや両サイドの壁に埋め込まれたニッチ収納、全てをシンメトリーにすることで機能性はもちろん視覚的な効果も実感しました。
この空間に入るだけで特別感と言いますか、私には持ち合わせていないと思っていた乙女心と言いますか・・・
あなたは大事な存在ですよと言われているような気がして、ふんわり幸せな気持ちでした。
どうぞ仲良く可愛がって頂けると嬉しいです^^

ホテルのようなトイレ空間

2020-9-24

N様のトイレ空間をご紹介させて頂きます。

以前は廊下から段差があり、水洗いができるよう勾配がついたタイルの床でした。
なかなか水をかけることもないですし、スリッパに引っ掛からないよう扉を外開きにしましょう。
ということで、床を上げてのバリアフリー工事や天井の掘込みなど、猛暑のなか大変手間のかかる工事を工務店さんにして頂きました。


天井の掘込みは間接照明を仕込むためです。大工さん、本当にありがとうございました!


床は大理石調の磨きタイルで立上りまで貼って頂きました。
N様のホテルのようなトイレに・・・というご要望で、素材からセレクトさせて頂きました。
左側の家具は宙に浮かせて設置していきます。
白いクロスと磨きタイルで充分素敵な空間になっていますが・・・。


完成しました。白い空間にダークな木目の家具がグッと締まります。
左側、ミラーの上下は白いタイルで爽やかに。


右側はマットなグレーのタイルで趣き深く。
左側と同じく調光式の間接照明を仕込んいますが、当たる面が違うと印象がずいぶん違います。
落ち着きと土のような温もりを感じます。


床と壁で艶感が違うので組合せ次第では違和感がでることもありますが、白い磨きタイルのグレー模様と壁の色をリンクさせることでまとまりました。
全体が磨きタイルでも高級感があって良かったとは思いますが、ふんわりと落ち着く空間にしたかったので色使いに工夫させて頂きました。


手洗いカウンターはさりげなく入った筋雲のような模様とパールの質感。
家具や器具類も全て形はシンプルですが、それぞれ上質な質感が空間の印象をつくります。


家具だけでは空間づくりに限界がありますが、光や素材が合わさることでそれぞれの持ち味が最大限に発揮されると思います。
照明メーカーさんからは「公共施設ですか?」と言われましたが(苦笑)、調光器で光の量を調整できるので就寝中のトイレなどその時の気分で居心地を変えることが出来ます。

短時間しかいない空間ですが、必ず毎日何度か過ごす場所。
その都度気持ちを~リフレッシュ・リラックス・リセット~して頂けたら嬉しく思います^^

 

リビングに~お子様2人の学習スペース~

2020-9-16

7月に工事をさせて頂きましたK様のリビングスペースをご紹介致します。
なかなか更新ができず今になってしまいました。K様、その節は大変お世話になりました。

お子様の学習スペースをリビングに設けるか、個室に設けるか、お子様の成長過程で考えられる方が多いかと思います。
我が家の小学5年生の娘はダイニングにスペースを設けていますが、中学・高校生になるとどうなるかなぁ。
こもるタイプではないのでこのままの気がしますが、楽しみではあります。

K様のご要望は、新しいお引越し先のリビングにお子様二人の学習スペースを設けたいということでした。
中古マンションの和室をリビングつながりのフローリングにして、お子様が高校生になってもずっと使えるデスク兼壁面収納を造作させて頂くことになりました。
物件のご契約まで細かい寸法が測れなかったので、想定寸法でのご提案です。

寸法次第では、お二人並んで学習するには少し狭い可能性があります。
左は間口寸法がクリアした場合の並列プラン。
右は間口寸法が狭かった場合、向き合って座るプランです。
右の場合はデスクを将来それぞれのお部屋に移動することもできます。
どちらの案もお子様が独立されたとき、中央の収納を抜いてテレビボードとして活用できることも考えています。


現地を測れるようになり、左の案で製作がスタートしました。
奥の和室がそのスペースになります。


壁が撤去されて一つの空間になりました。
ダイニングから正面の壁いっぱいにデスク兼収納が設置されます。
お母さんからの目線も届く良い距離です。


押入の襖が3枚連動の引戸になり、徐々に家具を取付けていきます。
壁いっぱいまでデスクがきても押入の出し入れは楽にできそうです。


完成しました。
もとが和室であったことを忘れてしまう程、爽やかで清々しい空間になりました。
中間のブルーグレーのアクセントは、K様が即決で選ばれたカラーです。
全てが同じお色目よりも、ちょっと入ることで空間がグッと引き締まります。


お子様がまだ幼稚園生で高校生まで使える寸法設定はかなり難しいところではありました。
勉強中に圧迫感がなく、且つ手の届きやすい高さと奥行き、そして正面から見やすいことも大事です。
手の届きやすい低い位置は奥行きを控えて、その上は教科書や辞書などの教材に合わせて奥行きを深く、そして扉で隠す収納は更に奥行きを深く。
用途に合わせて3段階、奥行きを変えて設計させて頂きました。
間接照明の下は磁石がつくマグネットシートになっているので、時間割や大事な情報をご家族で把握できます^^


お引越し後におじゃまさせて頂きました。
お二人ともすっかり使いこなされていて感動しました。
まだ幼稚園生なのに集中してお勉強されるそうです。
(帰って娘に話したことは言うまでもありません。環境が整えば・・・個人差があるようです^^;)


間接照明はお二人それぞれ別のリモコンで調光ができます。
リモコン一つでもそれぞれ操作をすることはできましたが、喧嘩をしないようにと職人の配慮です^^
トールキャビネットは習字道具や絵の具など、これからどんどん増えるお道具入れに重宝して頂けそうです。


可愛い妹さんの引出しには、ぬいぐるみがたくさん入っているそうです^^
小さなお子様でも、自分で自分の大切な物を整理整頓するというのは本当に大事なことだと思います。
これから成長されるにつれて収納する中身もどんどん変わっていくと思いますが、間違いなく愛される家具になるだろうなぁととても嬉しく思います。

お引越し前の良いタイミングでお声掛け頂けて幸いでした。
お子様のご成長を陰ながら応援しております!

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