デザインコンパスブログ「ポッカポカ日和」

居心地の良いナチュラルモダンな空間づくり ~子供部屋編~

2018-11-25

引き続き、Y様の空間づくりをご紹介させて頂きます。
来年高校生になられるHちゃんが快適に、大人になっても居心地の良いお部屋を目指します!

こちらもプラン前に拝見させて頂きました。
7帖のお部屋と別にウォークインクローゼットのある空間です。

入って左側の写真です。照明がないと少し暗い印象です。

ウォークインクローゼットの写真です。ハンガーパイプはあるものの、引出し収納を中には置けなさそうです。

レイアウトの唯一の条件は、「デスクに座ったときに後ろが壁になるように」でした。
現地では思い浮かばなかったので、持ち帰って要検討です。

とはいったものの、リビングダイニング以上に条件を満たす案が見つからず悩みました。
机と書棚、ベッドと引出し収納を置き家具でレイアウトするには、どこか落ち着かずこれだ!というプランに辿り着かないんです。
そこで間取りを変えない置き家具プランと、思い切って間取りを変える造作家具プランの2つで検討させて頂きました。


使いづらそうなクローゼットを思い切ってなくしてしまい、そのスペースにデスクと収納棚、マガジンラックを設けてちょっとこもれるプライベートな場所に。
明るい場所にデスクとベッドを配置して、広いスペースには壁面いっぱいのクローゼットを設けます。
少し暗いスペースも明るい色のクローゼット扉が光を反射して、より明るく広く見えると思います^^

Y様からオレンジ色という情報を頂いていたので、アクセントカラーに取り入れたいと思いました。
インテリアにオレンジを取り入れると、明るいエネルギーを導くので風水的にもとっても良いんです。
勝手な想像で、クロスとカーテンに少しポップなオレンジ色を検討してみたのですが・・・


今はオレンジベースでも良いかもしれないけど大人になった時にどうかということで、写真のようなシンプルなタイルを貼りたいとご希望を頂きました。
Hちゃん、さすがです! 中学生とは思えない素敵な感性のHさん(ちゃんでは失礼でした)。ご希望に沿えるように精一杯取り組ませて頂きます!

オレンジ色はさりげないアクセントに留めて、温かみのあるナチュラルモダンな空間を目指したいと思います。

Hさん、楽しみに待っててくださいね。
心を込めてただ今製作中です。着工したらまた経過をご紹介させて頂きます^^

居心地の良いナチュラルモダンな空間づくり ~リビングダイニング編~

2018-11-24

ご新築のマンションのお部屋をご家族が本当にくつろげる心地良いスペースに・・・Y様にお声掛け頂いたのは9月でした。
最初にお会いした際に、ご家族への想いやお好み、日常から将来的なことなど沢山お話をお聞かせ頂きました。
自分が持てる思いやりと想像力をフルに使って形にしたい。そう思いました。

プランニングの前に現地を拝見させて頂きました。

こちらはダイングスペースです。
Y様も最初に仰られていましたが、天井の凹凸が目立ちます。
実際に拝見してから課題を持ち帰らせて頂きました。


こちらはリビングスペースです。
テレビのアウトレットが窓側にありますが、家具のバランス的にテレビの配置は右壁面が良さそうです。

現地で感じたことを基に、最初のご提案をさせて頂きました ↓

左のリビング:段違いの家具はテレビの電源を移設する配線経路を隠す為でしたが、空間に変化が生まれてスッキリとした印象です。
右のダイニング:天井の段差を隠す為に、思い切ってキッチンと同じ高さに天井を下げて間接照明で演出します。
        
どちらもネックとなる条件が無ければご提案をしなかったデザインです。
全てのことに意味があるなぁと思います。

その後のお打合せで少しずつ仕様が変わりました。
右のダイニング天井は、フローリングの色に合わせた木目調のクロスで考えておりましたが、Y様さすがです。
低い天井なので本物ではない木目調クロスだと見劣りするのでは・・・と。
マンションの内装仕上げは準不燃材ではない天然木は使えないのでどうしたものかと探した結果、見つけました!
準不燃処理された桧の羽目板です。これならリアルな質感とナチュラルな雰囲気づくりが出来そうです。


グイレイッシュなフローリングなので、黄色味が強い桧をどう調和させるか内心ドキドキしますが、
少しだけ着色して、全体的にナチュラルで明るい空間を目指します。
リビングにはFAXを置けるスペースをプラスして、床置きの落ち着いたテレビボードで調和をとりたいと思います。

ご主人様を通じて、ご家族を想像しながらの空間づくり。
年明けからの着工に向けて、家具の製作を進めております。
想いが通じる仕事をしたいと思います。

難しい設置条件のカップボード

2018-11-12

先日納品させて頂きましたM様のカップボードをご紹介させて頂きます。
ご新築のマンションに合わせて設置できるカップボードを・・・ということで、お問合せを頂いたのは7月でした。
一度は断念されましたが、やはり既製品で合うものが無さそうなのでと具体的にプランをさせて頂くことになりました。
平面図を見せて頂くと、確かに難しい設置条件でした。

勝手口の枠まで39cmの浅い奥行き。これではレンジが乗りません。
それから中央に大きく下がった梁。梁の下まで2m程の天井高さです。
勝手口側だけ奥行きを浅くして手前を深くしようにも、キッチンとの距離が限られています。
最初は勝手口の枠厚2cmを利用して、全て同じ奥行き41cmでプランをさせて頂きました。


何度かのご提案の後に、内覧会にお伺いしました。
図面上では把握していたものの、改めて難しい設置条件に悩みます。
梁の手前と奥で天井高も違いました。
現地で感じたことを基に2案ご提案させて頂いて、最終的に下図のような形で製作をさせて頂くことになりました。


カウンターから下は同じ奥行きでラインを通し、勝手口側のレンジから天井まで、梁下の吊戸棚、その下のオープン棚の4つで奥行きが異なるカップボードです。
全面フラットに凹凸無くが好まれるこの頃ですが、本当に色々悩んだ末の利便性とデザインを兼ねた設計です。

いよいよ施工当日。まずは台輪の設置から。
さあ、どう納まっていくでしょうか。内心ドキドキしています。

奥に見えるのは、先に設置した下台です。
上台の到着を今か今かと待ち望んでいます。

カウンターから上部は、手前で全て連結した状態でそのままごっそり乗せようという考えです。
下地のない壁に取付けるには、先にバックパネルと一体化させる方法しかありませんでした。
サイドの縦格子もこうすることで、上下に余計な受け木がいらず、格子だけが自立した状態に見せることができます。
キッチンをまたいで、低い梁のある天井へ。行っては戻りのかなり無謀な挑戦でしたが、数回目でようやく入りました!


勝手口側の納まり。枠の手前ギリギリで扉の前面がピッタリ納まりました。


カウンターは枠よりせり出していますが、ドアはちゃんと開閉できます。
こうすることで、ようやくレンジの脚も乗って居場所が確保できました。


完成です。
格子の無垢がポイントのナチュラルで気持ちの良いカップボードになりました。
奥行きの違いもほとんど気になりません。
カウンターを勝手口まで一本見通せることで、奥行きを感じて広く見えます。


中央の大きなフラップ扉は軽く開いて途中自由な位置で留まります。開けるとどこに何が入っているかを一望できて便利です。
全面が下台と同じ奥行きだと、開ける度に後ろに下がらないといけないので、この扉は使えませんでした。
更にレンジの奥行きよりも少し浅くしたことで圧迫感なく開閉できるようになっています。


背の高いピッチャーや水筒の寸法に合わせた深い引出しの中の内引出し。
表にたくさん取っ手があると見た目がうるさく感じますが、こうするとすっきり見えます。


冷蔵庫との間の格子。
冷蔵庫が奥まっているので棚にぶつからないための格子ですが、棚だけが自立して冷蔵庫が見えているよりもなんだかちょっとほっこりした感じです。
バックパネルは写真では見えませんが、麻模様のメラミンを使っているので汚れに強くて落ち着きもあります。


お引越しに間に合わず本当に申し訳ありませんでしたが、その分じっくりご検討頂けたような気がします。
難しい設置条件でしたが、使命感を感じられてとても遣り甲斐がありました。
これからMさんご家族のライフスタイルに寄り添って成長できる家具でありますように。
可愛がって頂けると嬉しく思います。

Mさん、本当にお世話になりました。末永くよろしくお願い致します!

大人フェミニンなトイレ空間

2018-11-9

9月に施工をさせて頂いたSさんのトイレ空間をご紹介させて頂きます。
ずいぶん経ってしまいましたが、昨日改めて嬉しいお言葉を頂けたので気分が上がった状態で投稿させて頂きます^^

元々はタンクに手洗いが付いた一般的なトイレでした。

来客の多いSさん。トイレでメイク直しが出来てちょっとラグジュアリーな気分になれるような空間にされたいとのことでした。
その為には、手洗いをどうするかが一番の課題でした。

別置手洗いの雑排水をトイレの汚水に繋ぐことが一般的にはできないのですが、TOTOとLIXILだけ独自のシステムトイレを採用すればそれが可能になります。
でも逆を言えば、既製品しか使えないということです。

よく見かけるこういうタイプの手洗いです。
果たしてラグジュラリーな雰囲気になるだろうか、デザインコンパスならではの仕事ができるだろうか・・・ちょっと悩みました。

手洗いが付くであろう場所にある大きな窓もネックでした。

奥に長いニッチ(掘り込み収納)や梁もまたネックでした。

しばらく答えが見つからなかったのですが、ちょっと考え方を変えてみました。
商業施設などにあるメイクコーナーって手洗いが無いような・・・確かにメイク直しって鏡のほうが重要かも。
第一条件の手洗いを別置きではなくタンク側に持ってきて、鏡を便器の後ろに持ってきては?

これこれ、こういう手洗いです。
この上に鏡。横に鏡を設置することはよくありますが、正面は初めてです。
男性が立って用を足すときに抵抗があるからでしょうか・・・正面に鏡があるトイレはあまり見たことがありません。
でも風水でいうトイレの鏡のタブーは、ドアを開けたときに正面に無いこと。便器が映り込む位置に無いこと。どちらもクリアです!
思い切ってこんな感じでお勧めをさせて頂きました。

水色の部分は変形の収納です。元々あったニッチを無かったことにする為に、表面はフラットの全面鏡にします。
便器の前に立ったときに顔映りが良い位置に鏡を設置します。
便器越しでメイク直し・・・大丈夫でしょうか。正直お勧めしながらも自信は半々でした^^;
ショールームに大きな鏡を持って行って、実際に便器の前に立って頂いたりもしながらゴーサインを頂きました。


いきなりこの状態。ではありませんが、写真を撮り忘れてここまで進みました^^;
途中、設備屋さんが便器にまたがって一生懸命取付をしている間、別の職人さんが誤ってリモコンを押してウォシュレットが作動するというアクシデントはありましたが、笑いが絶えない楽しい現場でした。
トイレが使えないのは一日。前後を入れて3日間で完成させます。
奥のニッチだった部分は深い収納、手前の浅い収納はトイレットペーパーが無駄なく入る奥行きです。
間接照明はやり過ぎだったかなぁと少し思っていましたが、こうしてみるとやはり収納下が暗いですね。


完成しました。ラグジュアリーで上品なSさんらしいトイレです。


限られた空間ですが、こんな幻想的な演出で受ける印象が変わります。
空間を広く見せる鏡の効果もバッチリです。


梁はラメの入ったピンクゴールドのクロスであえて強調して、正面の壁一面だけこちらも◇型のラメが入ったクロスです。
ツインシェードもSさんらしいエレガントな生地で、飽きの来ない上品な大人のフェミニンという印象です。

細かいアイテムもこだわっていますよ。
トイレに携帯を持ち込むことが多いかと思いますが、ペーパーホルダーの横にはそんな置き場も。
そして鏡の手前にはこちらもメイク道具をチョイ置きできる棚のついたタオル掛けを。


無かったことになったニッチも、収納の中には残っています^^
右側は12ロールのトイレットペーパーがそのまま入る奥行きです。


入る度に気持ちがすっとリセットされるそんな空気感のあるトイレになりました。
12年前にトイレ以外の改装をさせて頂いた時からお世話になっているSさん。
施工前はあの時トイレをしておけば良かった~と言われていましたが、当時ではトイレにそこまで重点を置かなかったかもしれません。
Sさん、まだまだ未熟ですがこれからもどうぞお付き合いをよろしくお願い致します!

ラグジュアリーな雰囲気のカップボード

2018-11-5

先月施工させて頂きましたA様のカップボードをご紹介させて頂きます。
ご新築マンションの完成間近にお声掛け頂いたのでお引越しに間に合わせることができませんでしたが、その分細部までこだわって頂きました。

当初お問合せ頂いた時は、ヨーロッパの田舎の雰囲気をどこかに・・・ということで少しそんな要素を入れてご提案をさせて頂きました。

ですがお会いしてお話させて頂く間に、やはりモダンなキッチンには合わないのと収納力が心配ということで、
方向性を変えてご提案をさせて頂きました。

モダンなキッチンと同じでシンプル過ぎるのもちょっとということでしたので、少し個性的なものも含めてみましたが、
ちょっと派手過ぎました^^;
その後お引渡しの日に現地にお伺いして、ようやくLDKの空気感とご夫婦の雰囲気に合った素材に辿りつきました。


天板や取っ手の色、照明は最後まで悩まれましたが、ラグジュアリーで少し色気のある、シンプルながらもオリジナリティー溢れるカップボードになりそうです。


いよいよ施工当日。冷蔵庫スペースが奥まっている壁面に施工していきます。


電気の配線や下地の確認をしながら、本体がようやく設置できました。
奥まっていた冷蔵庫スペースにカップボードと同面にした吊戸棚を取付ることで、壁の凹凸が解消されて更に間口が広く感じます。

分りづらいところですが、納まりのディテールにもこだわっています。
小さなところを大事にすることで全体がより洗練されて見えるので、納まりも大事なデザインの要素だと思います^^


翌日タイルの目地埋めをして、完成しました。
照明はダウンライトではなくライン照明にすることで神秘的で高級感を感じます。

扉は陽が当たると黄色が強いゴールド、当たらないと紫色が強いゴールドに見えるラメの入ったメラミン化粧板です。
キッチンも陽によって印象が変わる光沢のある難しい色味でしたので、設置するまで不安がありましたが素敵に納まりました。
そしてライン引手ではない引手を初めて採用させて頂きました。
金物が見える部分はわずか5mm。扉の素材を凹部分まで巻き込んでいるので引手の存在感を感じず開閉し易いメリットもあります。


ダイニングから見ると照明が天板に跳ね返り、下から照らされているような浮遊感を感じます。


収納にもこだわって頂きました。
シンクを振り返ってすぐの場所にゴミ箱収納。
中央は4段引出し、奥は保存食や根菜、粉類などの食品ストックになっています。


冷蔵庫もフラットに納まり、奥の壁の凹凸は感じなくなりました。
中央のブラックガラスの収納は、奥様でも楽に上に上げて出し入れできるので、頻度の高い物をたくさん収納して頂きたいと思います。

タイルや照明が無いと、普通のカップボードの印象になっていたような気がします。
たくさんご意見を頂いて、またご提案を柔軟に取り入れて下さり、積極的に参加して頂いてとても遣り甲斐がありました。
使い勝手と気持ちの両面で少しでも家事や子育てのお役に立てたら幸いです。
A様、これからもどうぞよろしくお願い致します^^

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