デザインコンパスブログ「ポッカポカ日和」

タイルが活きるカップボード

2025-10-7

日曜日、工場近くの五所八幡宮さんで放生会がありました。
残念ながらライトアップの時間に行けなかったのですが、樹齢1000年のクスノキムーミンとポッカを献灯に。
 
ムーミンに負けず元気で長生きできますように・・・。
圧巻の御神木とムーミンに会いに、機会があれば是非一度見に行かれてみてください。
ポッカからもおすすめです^^
 

さて、昨年1月にF様よりご相談いただいたご新築マンションの家具を先週お届けしました。
ご相談はカップボードと玄関収納とテレビボード、キッチンの素材のセレクトなどもご提案させていただきました。


カップボードの設計デザインする上で、早い段階であるモザイクタイルのご要望をいただきました。
玉虫色に輝くトーヨーキッチンのモザイクタイルです。
ご要望をいただいた時点で、タイルをいかに活かすかを念頭にカップボードの素材をセレクトさせていただきました。

壁と天井の壁紙もかなりシックな色合いでしたので、吊戸棚は壁に同化させて、あえて控えた色使いを心掛けました。
さあ、どんな表情になるでしょうか。楽しみです^^


マンションの完成までお打合せ期間が長かったので、待ちに待った施工初日。
間接照明の配線から行っていきます。


下台がつきました。4段引出しが2列。
最近はカウンター高さをキッチンより少し高めにして収納を増やすことが多くなってきました。
この高さもミリ単位でご要望に合わせた寸法設定です。


天井いっぱいまで吊戸棚が付きました。
左の冷蔵庫上も同じ奥行きで繋げることで、間口が広く見える視覚的な効果があります。
間接照明が点灯されると、ほっと一息と同時に気持ちが高鳴ります。


そしていよいよタイルのスタンバイ。
カップボードの幅をタイルの粒に合わせているので、割付けの良い寸法設定です。


2日目、タイルの目地埋めをして完成しました。
玉虫色に輝くタイルが何とも幻想的です。


シンプルが故のゴージャス。
シックな色使いなので、とても落ち着いた大人の雰囲気を感じます。


色の違いが分かりにくいですが、引出しはレザーのような素材、天板はキッチンの扉に合わせています。


正面から見るとタイルがまるで絵画のようでうっとりします。
対面キッチンが圧倒的に多い昨今、リビングダイニングからはカップボードがインテリアの一部となり、一番見える景色になることが多いです。
盛付けやレシピを見るなど作業的な照明はもちろん、一日の疲れを癒す照明としても是非使っていただけると嬉しいです。

テレビボードや玄関収納も次にご紹介させていただきます。

 

ハードメイプルのカップボード

2025-8-19

残暑お見舞い申し上げます。
 
暦の上では秋ですが、まだ長く暑い夏の中間地点でしょうか。
夏後半を乗り切るために心の栄養補給をしてきました。
さぁ、ワクワクをパワーアップしていきたいと思います。

先日、Nさまのカップボードを製作させていただきました。
カップボードは特に、種類が豊富で耐久性のあるメラミン製でのご依頼が圧倒的に多いのですが、
Nさまご要望の素材はハードメイプルや樺材などの木目がおとなしい天然木でした。
樹脂にはない自然な手触りと温もりがあります。

木目が目立たないフラットな扉は少しのっぺりするので、框組をして表情をプラス。
そして気持ちが明るくなるようなデザインクロスをご提案させていただきました。
ワクワクしますね~^^


こちらはガラス扉のフレームに無垢材をホゾ組加工したところです。


既存のコンセントは1カ所しかないので、炊飯器用と天板上にコンセントを増設。
そして間接照明用の配線も行っていきます。


本体が取付きました。
吊戸棚の下は影になるので、照明があるととても便利です。


扉が付いて完成しました。
透明ガラスがあることで抜きが出来て、軽やかで垢抜けた印象です。
きっとガラス越しに見える食器がインテリアになるはずです。


引出し扉も框組にすることで表情が生まれました。
明るい樹種なので、框組がしつらえ過ぎることのない最適なアクセントになった気がします。


正面から見ても清々しいほど姿勢良くシャキッとしてます。
右下のオープン部分は猫ちゃんたちのご飯コーナーです。


出来るだけ家電を隠したいとのことで、炊飯ジャーやケトルはこちらに。
壁側を利用して、開けっ放しても邪魔にならない設計です。


既存のキッチンはあまりお好きじゃないテイストだそうで、全く違う雰囲気に仕上がりました。
キッチン本体よりも、カップボード側の全貌が見えるので、インテリアとしての役割が大きいように思います。
一番長く過ごす場所なので、あまり好みじゃないキッチンに合わせるよりも、お気に入りをギュッと凝縮したい!に大賛成です^^
選んでいただいた壁紙の在庫切れで完成に間に合いませんでしたが、パーッと明るく華やかになりそうで楽しみです。
Nさま、楽しい時間をありがとうございます。
引き続き、よろしくお願い致します。

家電を隠すカップボード

2025-3-24

先日ご紹介しましたY様のお部屋が完成しました。
まずはカップボードからご紹介させていただきます。

ご要望は「家電もすべてスッキリ見えなくしたい」ということでした。

蒸気や熱、使い易い高さ、家電使用中に他の収納も使えること・・・等々。
家電を隠すカップボード、実は設計がとても難しい家具の一つです。

実施設計まで、他にもたくさんご提案をさせていただきましたがそのうちのいくつかです。
大きな引戸で隠せば一番早いのですが、家電使用中に他が使えないデメリットがあります。

正面から見るとどれも問題なさそうですが・・・
扉を開けているときに大きく突出したり、特殊な機能を取り入れると奥行きが無駄に必要だったり。
あれが叶えばこれが叶わないという色々な制約の中でベストを探しました。


こちらは設置前。
冷蔵庫スペースだけ奥まっていて、手前に袖壁があります。
こちらの壁ラインに合わせてフラットに美しく納めていきます。


カップボードには随分高めのキャビネットです。


側面を天井いっぱいのパネルで覆っていきます。


そして、フラットに美しく納まりました。


扉を開けるとこんなにたくさんのアイテムが収納されています。

 
こちらはY様お気に入りのスペースです。
無駄が無いように、ゴミ箱に合わせて引出しの幅と高さを決めています。
ふた折れゴミ箱の上には浅い内引出しが・・・ゴミ袋などの置き場に便利です。


中央の大きな扉は上にスーッと収納できるので、開けっ放しでも扉が邪魔になりません。
多少突出する扉が目に当たらないように、ご身長に合わせて高さを設計しています。
トースターの横はコーヒーメーカーやちょっとした置き場としても重宝いただけます。

左のレンジと炊飯ジャーは動線を妨げない壁側を利用しています。
扉を開けっぱなしでも邪魔にならず、作動中だけそれぞれ引出してご使用いただけます。

 
箱のようなキッチン(右)ですが、実はここも新たに収納を設けた部分です。
内覧会時(左)、ステンレスのカウンターが深くせり出したオープンスペースでした。


ダイニングから見ると、こんなにスッキリ。
深呼吸したくなるような清々しいキッチンになりました。
気にされていた圧迫感も、むしろより明るさが増して開放感さえ感じます。


マンション標準色のキッチンは青みがかったライトグレーでした。
色々な白の中で、クロスの壁に溶け込む壁化する白をセレクトして、それを設計変更していただきました。
後から扉を変えるのはコストも資材も勿体ないので、設計変更してメリットがある選択の1つかと思います。

次はリビングをご紹介させていただきます。

 

ラグジュアリーなドレスルーム&ベッドルーム

2025-2-15

引き続き、Mさまのオーダー家具をご紹介させていただきます。
洗面ドレッサーとクローゼットの間にジュエリーキャビネットを設けました。

こちらはベッドから見える景色です。
洗面やクローゼットとの距離は決して広くはないですが、窓に向いているので実寸以上に開放的で心地良く感じます。
朝目覚めて一番にこの空間を一望できるなんて・・・憧れのライフスタイルです^^

デザインだけではなく機能も充実しています。
 
ジュエリーキャビネットの天板は2カ所がガラスで上から見えるようになっています。
クローゼット側に引出しを引くとガラス面より広い収納に。
仕切り板は動かすことができるので、こまめに仕切ることができます。

 
クローゼットは扉を開けると点灯するドアセンサーライトを組込んでいます。
お部屋の照明がやさしい明るさなので、機能的な照明も考慮しています。


天井も壁もピッタリです。
丁寧な納まりは、お部屋の印象を変える立派なデザインになります。


そして奥には広いベッドルームが繋がっています。
セミダブルのマットレスが2つピッタリ入るベッドをドレスルームと素材を合わせて設えました。
柔らかい光の効果で、ベッドルームとドレスルームがやさしく包まれるような雰囲気です。

 
ベッドのヘッドボード側が寝室の出入り口になるので、側面の見え方も大事です。
薄いタイルの断面は見切りを入れずに壁化させて緻密に納めています。


ジュエリーキャビネットはコンパクトながら充実した引出収納になっています。
側面のスイッチコンセントもスマートにご使用いただけるかと思います。

大人フェミニン、シンプルエレガント、ラグジュアリー、色んなカテゴリーが当てはまるかもしれませんが、間取りから始まり、何もないところからのデザイン設計で唯一無二の家具たちがかたちになりました。
個々の家具はシンプルでも、色々な要素が合わさって仲良く調和しているようで嬉しく思います。

次はユーティリティーをご紹介します。

プライベート空間のオーダー家具たち

2024-12-16

一年で一番好きな紅葉の季節をわずかに味わえたかな?と思いきや、冬がすぐ後ろに並んで待っていました。
写真は先月の工場近くのグリーンパーク。今は黄金色から茶色にすっかり衣替えしてます。
 
そんな中、M様のマンションリノベーションに合わせてオーダー家具を製作中です。

8月最初にお声掛けいただいた時は、来月から解体が始まるというタイミングでした。
まだ変更可能なレイアウトということと、解体後にしか分からない水廻りの可否があるということで、早速解体前の現地へ。

建築会社様とご挨拶させていただきました。
一番最後に参加させていただいて恐縮ですが、お客様と建築施工をより良いデザインで繋げるパイプ役ができればと思います。


解体後、ファーストプランがベストかどうかあらゆる可能性からご検討いただいて、寝室スペースの計画変更になりました。
やはり机上ではなく現場が大事です。現場の大工さんや監督さんも熱心に加わっていただいて、現場愛がムクムク湧き上がってきます。


お打合せを重ねて、上のようなレイアウトで進めていくことになりました。
主に、玄関を入ってバルコニーまでの壁から上のプライベート空間に造作をさせていただく予定です。
黄色の着色部分がオーダー家具になります。


造作家具のカラーイメージです。
図面右側のプライベートな寝室と左側のユーティリティーで雰囲気を変えて。
リビングから垣間見えるそれぞれの景色も含めてお部屋全体のデザインになると良いなと思います。

 
 
まだまだ箱の状態ですが、これから色付いてゆくのが楽しみです。
M様、現場の皆様、引き続きよろしくお願い致します!

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