デザインコンパスブログ「ポッカポカ日和」

家電を隠すカップボード

2025-3-24

先日ご紹介しましたY様のお部屋が完成しました。
まずはカップボードからご紹介させていただきます。

ご要望は「家電もすべてスッキリ見えなくしたい」ということでした。

蒸気や熱、使い易い高さ、家電使用中に他の収納も使えること・・・等々。
家電を隠すカップボード、実は設計がとても難しい家具の一つです。

実施設計まで、他にもたくさんご提案をさせていただきましたがそのうちのいくつかです。
大きな引戸で隠せば一番早いのですが、家電使用中に他が使えないデメリットがあります。

正面から見るとどれも問題なさそうですが・・・
扉を開けているときに大きく突出したり、特殊な機能を取り入れると奥行きが無駄に必要だったり。
あれが叶えばこれが叶わないという色々な制約の中でベストを探しました。


こちらは設置前。
冷蔵庫スペースだけ奥まっていて、手前に袖壁があります。
こちらの壁ラインに合わせてフラットに美しく納めていきます。


カップボードには随分高めのキャビネットです。


側面を天井いっぱいのパネルで覆っていきます。


そして、フラットに美しく納まりました。


扉を開けるとこんなにたくさんのアイテムが収納されています。

 
こちらはY様お気に入りのスペースです。
無駄が無いように、ゴミ箱に合わせて引出しの幅と高さを決めています。
ふた折れゴミ箱の上には浅い内引出しが・・・ゴミ袋などの置き場に便利です。


中央の大きな扉は上にスーッと収納できるので、開けっ放しでも扉が邪魔になりません。
多少突出する扉が目に当たらないように、ご身長に合わせて高さを設計しています。
トースターの横はコーヒーメーカーやちょっとした置き場としても重宝いただけます。

左のレンジと炊飯ジャーは動線を妨げない壁側を利用しています。
扉を開けっぱなしでも邪魔にならず、作動中だけそれぞれ引出してご使用いただけます。

 
箱のようなキッチン(右)ですが、実はここも新たに収納を設けた部分です。
内覧会時(左)、ステンレスのカウンターが深くせり出したオープンスペースでした。


ダイニングから見ると、こんなにスッキリ。
深呼吸したくなるような清々しいキッチンになりました。
気にされていた圧迫感も、むしろより明るさが増して開放感さえ感じます。


マンション標準色のキッチンは青みがかったライトグレーでした。
色々な白の中で、クロスの壁に溶け込む壁化する白をセレクトして、それを設計変更していただきました。
後から扉を変えるのはコストも資材も勿体ないので、設計変更してメリットがある選択の1つかと思います。

次はリビングをご紹介させていただきます。

 

ラグジュアリーなドレスルーム&ベッドルーム

2025-2-15

引き続き、Mさまのオーダー家具をご紹介させていただきます。
洗面ドレッサーとクローゼットの間にジュエリーキャビネットを設けました。

こちらはベッドから見える景色です。
洗面やクローゼットとの距離は決して広くはないですが、窓に向いているので実寸以上に開放的で心地良く感じます。
朝目覚めて一番にこの空間を一望できるなんて・・・憧れのライフスタイルです^^

デザインだけではなく機能も充実しています。
 
ジュエリーキャビネットの天板は2カ所がガラスで上から見えるようになっています。
クローゼット側に引出しを引くとガラス面より広い収納に。
仕切り板は動かすことができるので、こまめに仕切ることができます。

 
クローゼットは扉を開けると点灯するドアセンサーライトを組込んでいます。
お部屋の照明がやさしい明るさなので、機能的な照明も考慮しています。


天井も壁もピッタリです。
丁寧な納まりは、お部屋の印象を変える立派なデザインになります。


そして奥には広いベッドルームが繋がっています。
セミダブルのマットレスが2つピッタリ入るベッドをドレスルームと素材を合わせて設えました。
柔らかい光の効果で、ベッドルームとドレスルームがやさしく包まれるような雰囲気です。

 
ベッドのヘッドボード側が寝室の出入り口になるので、側面の見え方も大事です。
薄いタイルの断面は見切りを入れずに壁化させて緻密に納めています。


ジュエリーキャビネットはコンパクトながら充実した引出収納になっています。
側面のスイッチコンセントもスマートにご使用いただけるかと思います。

大人フェミニン、シンプルエレガント、ラグジュアリー、色んなカテゴリーが当てはまるかもしれませんが、間取りから始まり、何もないところからのデザイン設計で唯一無二の家具たちがかたちになりました。
個々の家具はシンプルでも、色々な要素が合わさって仲良く調和しているようで嬉しく思います。

次はユーティリティーをご紹介します。

プライベート空間のオーダー家具たち

2024-12-16

一年で一番好きな紅葉の季節をわずかに味わえたかな?と思いきや、冬がすぐ後ろに並んで待っていました。
写真は先月の工場近くのグリーンパーク。今は黄金色から茶色にすっかり衣替えしてます。
 
そんな中、M様のマンションリノベーションに合わせてオーダー家具を製作中です。

8月最初にお声掛けいただいた時は、来月から解体が始まるというタイミングでした。
まだ変更可能なレイアウトということと、解体後にしか分からない水廻りの可否があるということで、早速解体前の現地へ。

建築会社様とご挨拶させていただきました。
一番最後に参加させていただいて恐縮ですが、お客様と建築施工をより良いデザインで繋げるパイプ役ができればと思います。


解体後、ファーストプランがベストかどうかあらゆる可能性からご検討いただいて、寝室スペースの計画変更になりました。
やはり机上ではなく現場が大事です。現場の大工さんや監督さんも熱心に加わっていただいて、現場愛がムクムク湧き上がってきます。


お打合せを重ねて、上のようなレイアウトで進めていくことになりました。
主に、玄関を入ってバルコニーまでの壁から上のプライベート空間に造作をさせていただく予定です。
黄色の着色部分がオーダー家具になります。


造作家具のカラーイメージです。
図面右側のプライベートな寝室と左側のユーティリティーで雰囲気を変えて。
リビングから垣間見えるそれぞれの景色も含めてお部屋全体のデザインになると良いなと思います。

 
 
まだまだ箱の状態ですが、これから色付いてゆくのが楽しみです。
M様、現場の皆様、引き続きよろしくお願い致します!

家電も隠せるカップボード

2024-10-10

T様のマンションリノベーションに合わせてカップボードを製作させて頂きました。
設置スペースは1mと少し。
限られたスペースに食器・ゴミ箱・家電を集約しつつ、使わわない時は隠したいというご要望でした。

家電を隠したいというご要望は比較的多く頂きます。

今までもたくさんのパターンのカップボードを形にしてきましたが、ネックとなるのは家電使用時です。
家電使用中に扉が邪魔をして他の収納が使えなくなることが一時的にあります。
その犠牲をいかに少なくするかがいつも課題になります。

今回、間口は狭いものの奥行きが深いことが幸いでした。
家電使用時も邪魔にならない方法でご提案をさせて頂きました。

製作期間を頂いて、搬入の日です。
大きな冷蔵庫が既に設置されていて、かなりシビアな条件でしたが・・・


なんとか設置出来ました。
真っ黒過ぎて分かりませんか??
だとすると、ブラックガラスのように壁化させる目的でしたので大成功です^^


扉を開けると深い収納庫のようです。
右下はダイレクトに開閉できる食器用の4段引出しになっています。


扉は開けると奥に収納できる仕組みになっています。
奥行きが浅いカップボードだと収納できても手前に扉がはみ出してしまうので、ある程度の奥行きが必要です。


お引越し後にT様が写真を送って下さいました。
冷蔵庫と仲良く並んでカッコ良い佇まいです。


収納されたお写真も。
予定されていた物がスッキリ気持ち良く収納されています。
普段は引出し以外、開けたままでとても使い易いカップボードに。


来客時は閉めていると生活感を全く感じないインテリアの一部になっています。
T様、素敵なお写真をありがとうございました!
ご新居の素敵なインテリアの一員になれて光栄です。
これからも家具共々末永く、よろしくお願い致します。

~身近な人に、世界で一つだけの贈り物を~ 実現しました!

2024-5-28

昨年の8月に、公表していましたイベント、
「身近な人に、世界で一つだけの贈り物を」
9カ月経って、ようやく実現しました。

奥様に内緒でこっそりご応募頂いたIさま。
昨年産まれた息子さんが遊べるおもちゃをプレゼントしたいというご要望でした。
お姉ちゃん二人で男の子っぽいおもちゃがなく、ぬくもりのあるジェンガなどでご家族の喜ぶ顔が見たい!と熱いメッセージを頂きました。

本当はご主人とのやり取りも公開しながらと思い描いておりましたが、日々お待たせしている家具製作でなかなか進まず・・・
反省と課題がいっぱいの初イベントでした。

ご主人に送って頂いた息子さんのお写真とお名前のイメージから色味をチョイス。
木の種類を混ぜるよりも、色遊びや仲間分けなどの遊びが出来たらと思います^^


おもちゃにも安心な植物油を使用した自然塗料を使用します。
2回塗ると塗りつぶしの単色になりますが、あえて1回塗りで良い感じの色ムラにしたいと思います。


途中で隠れCompassを混ぜてみました。
ジェンガやドミノ倒し、積み木など、色々遊んでもらう中でボーナスポイントアイテムとして使ってもらえても楽しそうです。


乾燥期間をゆっくりとって、完成しました。
この斬新な配色を果たして喜んでもらえるかどうか・・・ちょっとドキドキします。
ご主人に先に写真をお見せしたら太鼓判を押して頂けました。


この贈り物を突然、奥様にお届けします。
ご主人からは、「何かが来るから家にいて」と伝えて頂いて、突撃訪問させて頂きました。
イベントの事と、ご主人がこっそりご応募して頂いていたことをお話しして・・・
奥様の「えーっ!!!」という反応がご主人に申し訳ないくらい嬉しかったです。


そして、何よりI君のこの笑顔!
初めてのおもちゃだったそうですが、入れたり出したり渡したり・・・休む暇なく遊んでくれました。

ご主人様のご家族への思いやりと、無いものをつくるワクワク感。
それを共感させて頂けて、初イベントの反省はありますが、実現出来て良かったと思います。
この笑顔が何よりのご褒美でした。

Iさま、ご家族の皆さま、参加して頂けて本当にありがとうございました!

次回は・・・未定ですが、いつかまた実施したいと思います^^

ページトップへ