デザインコンパスブログ「ポッカポカ日和」

リビングからインテリアになるカップボード

2025-11-14

ベンチソファに続きまして、Y様のカップボードをご紹介させていただきます。

搬入時は全てバラシて運ぶので、すごい状態でした。


ベンチ側の壁が出来て、デスクカウンターからカップボードへと同じ並びで繋げていきます。
デスクカウンターで2.55m、カップボードで2.15m、単独で設置するよりも随分長く感じます。


途中の写真を撮り忘れまして、あっという間のように完成しました^^


カウンター下の扉はデスク側と同じ素材ですが、吊戸棚はまるで布地のようなメラミン化粧板を使用しました。
下の素材とあえて変えることで少し垢抜けた印象です。


リビングからの印象もまるでファブリックパネルのようです。
対面キッチンの場合、キッチンよりカップボードの方がリビングから見えるので、大事なインテリアの要素になります。


機能面も充実しています。
シンクの背面にはゴミ箱2つがスッキリ隠れる引出し。


炊飯ジャーとケトル、その他の家電が個別に引き出せるカウンター。
使用中に大きな横幅のまま引出さなくて済むので便利です。
下の引出の中には浅い引出しがもう一つ入っています。


ベンチソファからの流れが本当に気持ちの良い空間になりました。
キッチンとも面材が異なりますが、テイストが同じなのでむしろ違って正解でした。
それぞれが仲良く尊重し合っているような気がします。

リビング・ダイニング・キッチンが隔たりなく流れるようなインテリアは心地が良いです。
またご紹介させていただきます。

LDKの一角に、ベンチソファの隠れ家スペース

2025-11-12

段々と紅葉を楽しめる季節が短くなってきているので、木々が見せてくれる精一杯を味わいたいと思うこの頃です。
ユリノキの黄金色が太陽を浴びてキラキラ~本当に綺麗でした。

さて、昨年4月の設計段階から打合せにご一緒させていただきましたY様のご新築プロジェクト。
内部造作家具が完成しましたので、数回に分けてご紹介させていただきます。
まずは、以前ご紹介のダイニングスペースから。


キッチンと横並びに位置するダイニングの突き当りに、居心地の良いプライベートスペースを設置していきます。


何もない壁に書棚を設置しました。
照明のスイッチ配線もあらかじめ家具に組込める位置に設置していただきました。
ご新築の設計段階でお打合せが出来ると、壊したり移設したりする手間が省けるメリットがあります。


書棚の下にL字の台。この下がルンバの基地になる予定です。
そしてこのL型のベースも大事な要素になっていきます。


壁として塞ぎました。
仕上げのタイルを美しく仕上げるために、シビアにレベル調整しています。


両サイドにシンメトリーの壁が出来ました。
その間にベンチとなる引出し収納を設けていきます。


そして、小窓側の壁に沿って長いカウンター収納が繋がります。
いよいよ形になってきました。


仕上げにタイルを貼っていきます。
見えにくいところですが、大事な部分です。


美しい特等席ができました。


完成しました。
イメージ通り、より洗練された印象になりました^^
これから本や椅子など、たくさんの彩りが入ってますます素敵な空間になるはずです。


座面の生地は最初の決めた柄でした。
ここから波及して、書棚手前の袖クッションにステッチを入れて、下の扉もグレーベースのファブリック柄にして・・・と決まっていきました。


引出しはたっぷり奥行きがあります。
ブランケットなど入れておくと、もうここから動きたくないとっておきの場所になりそうです。

 
デスクカウンターには小引出し、その横はプリンターやファイル収納など機能面も計画通りです。


クッションの生地もY様と一緒にショールームでワイワイ楽しくセレクトしました。
本当に楽しい時間の積み重ねがこうして形になるのは感無量です。


キッチンからの景色です。
シンメトリーが整然としていて心地良いです。
両サイドの隠れた書棚がとっておきのおこもりスペース。
キッチン、ダイニング、デスクワーク、読書、ちょっと休憩・・・全てがここで叶ってしまいそうです。
家事や仕事や育児にがんばっている私も含め全ての方が憧れる夢の空間になりました。

他のスペースもこれからご紹介させていただきます。

家電も隠す全面フラットなカップボード

2025-10-28

急に秋らしく・・・を通り越して、今朝は冬の気配を感じてしまいました。
肌寒くなってきましたね。

昨日、粕屋町のY様のカップボードを施工させていただきました。
5年前にリビングのテレビボード兼壁面収納、
4年前にダイニングの壁面収納やテーブルなどを施工させていただいて、今回は3度目のご依頼です。

最近リピートして下さるお客様が増えてきて本当に嬉しく思います。
ご新築前に一気に完成させるのも良いですが、個人的には住みながら少しずつ改善されるとより良いものができる気がしています。
ライフスタイルも変わってくるので、長く寄り添える家具をお届けできたらと思っています。


さて、今回カップボードですが、
・家電も全て隠してスッキリしたい
・どこに何を収納するか、ある程度の住所を決めたい
・リビングダイニングに調和したデザインやカラーにしたい
といったご要望でした。

レンジを隠す扉を中心に、その下は食器収納用5段引出し。
左は食品庫に引出し6杯、右は作業台も兼ねたざっくり収納、共に大きな扉で隠すプランです。

悩んだのは色や素材でした。
既存の家具に調和させつつ、良いアクセントにもしたいところです。
5年前に施工しました木目のリビング収納 ↓

4年前に施工しましたダイニングの壁面収納 ↓

全体を白ベースに、木目とブロンズガラスをアクセントにして、リビングダイニングを調和する色使いにしたいと思います。


施工当日、大きな家具なので一体ずつ設置していきます。


調整しながら着々と設置していきます。
冷蔵庫の上まで繋がりました。


これは完全に余談ですが、職人高瀬のこだわりが出る部分です。
採寸時、冷蔵庫上の梁の立ち上がった壁のラインが上と下で斜めになっていました。(マンションではよくあることです)
そこで家具の本体は真っ直ぐですが、表面の仕上げ材だけ斜めに伸ばして隙間を埋めようとしています。
「細かっ!」
太いコーキングで隙間を埋めるより、断然美しく納まります。
設計のこだわりとは違う、綺麗な納まりのための職人のこだわりです。


そんな細かすぎるこだわりを経て、完成しました。
本当にスッキリ、気持ちの良いカップボードです。


左の大きな扉を開けると、6杯の引出し。
食品庫として、細かく仕分けができます。


右の扉を開けるとちょっとした作業台。
ソーダストリームやミキサー、コーヒーメーカー等が使いやすい高さ設定です。
下はざっくりした収納に、上はコーヒーやお茶など手前ですぐ使える物が目線で取り出せます。


今回初めてブロンズ色のアルミ枠を使用しました。
ブラックだと強過ぎるけどブロンズだとより洗練された印象です。
この部分にレンジが入る予定です。


アクセントになる木目の引出しも5段と充実しています。
食器や下段には水筒が入る予定です。
ジムに行かれるときのミニタオルも入れたいのことで、用途は様々です^^


今まで空いていた食器棚上部も冷蔵庫上までズドーンと繋がってより広く長く感じるようになりました。
リビングとダイニングの家具をミックスしたようなカップボード。
お部屋の中心になるので、来客時やご家族団らんの時間にも是非ながめていただきたいです。

Y様、この度も大変お世話になりました。
家具共々、末永くよろしくお願いいたします。

 

 

 

 

 

 

限られたスペースを有効利用~広く見せる玄関収納

2025-10-11

少し間が空いてしまいましたが、引き続きF様の玄関収納をご紹介させていただきます。


カップボードと一緒にご相談いただいたご新築マンションの玄関スペース。

【図面左】がマンションの標準仕様の間取りでした。
玄関を入ってすぐ、クロスの壁が廊下の幅で迫ってくる印象です。

【図面中】は設計変更でマンションにご依頼されたオプション収納でした。
玄関は広くなりますが、柱とPS(パイプスペース)が邪魔して靴の収納は中央しか使えません。

【図面右】お打合せ後、実際に施工させていただいたプランです。
・扉を全面ミラーにして広く見せたい
・収納は宙に浮かせて足元に間接照明を入れたい
というご要望を含めて施工させていただきました。


設置場所です。
左の柱、右手前のパイプスペース、上の梁・・・箱型で製作する家具はとても入りません。
スペースを最大限活かすために箱型ではなくパネル状で、背中はクロスの壁をそのまま活かす方向で計画しました。


左手前は底板のない箱型の収納を付け、奥は棚受けレールを直接付けます。


底板は後から。足元の間接照明も何とか接続できました。


完成です。
ミラーの効果で何もなかった時よりもスペースが広く見えるようになりました。
廊下の壁のラインが玄関だったことを考えると効果は絶大です。


収納も充分です。
左側の小扉。靴がちゃんと入る奥行きがあります。


そしてメインの扉側はパイプスペースの裏側までしっかり出し入れできます。
写真に映っていませんが、傘用のハンガーも設けています。
あまり期待されていなかった収納量ですが、余る程の収納力です。
元々の天井ダウンライトも上手く利用が出来ました。


玄関は通過点ではなく毎日の大事なオンオフ切替え地点です。
実用性だけでなく、気持ちの上でもお役に立てていると嬉しく思います^^


そしてテレビボードも製作させていただきました。
カップボードと同じレザー調の素材を使用して、一部だけ色違いに。


窓側に置かれるお手持ち家具の写真を拝見して、この配色をご提案させていただきました。
お手持ち家具と上手くリンクしますように・・・。
そういう意味でもテレビボードはお引越し後に完成予定です。

F様、昨年の1月から長い間ありがとうございました。
家具共々、末永くお付き合いをよろしくお願いいたします。

框(かまち)扉って?

2025-9-23

夏を夢中で過ごしていたら、あっという間に秋が待ち構えていました。

暑さの耐性がついたからでしょうか?
30℃を下回ると急に秋を感じるようになりました。
虫の音が心地よいこの頃です。

さて、先日お客様に、「あの感じって何て言うんでしょうね?」とお尋ねされたので、ご紹介したいと思います。
枠がまわされたような扉を「框(かまち)扉」といいます。
フラットな扉に比べて、クラシカルにもエレガントにも、カントリーにもデザインの幅がグンと広がり趣きがあります。
一言で框扉といっても表情が様々なので、ご紹介します。

◆ストレート框
 
樹種によって雰囲気が違いますが、クラシックになり過ぎず採用しやすいデザインです。
シンプルモダンはもちろん、ヴィンテージモダンな空間にも、他とは違う空間づくりが実現します。

◆クラシック框
 
左右同じ形状の框扉ですが、カラーや金物のセレクトでこんなにも雰囲気が変わります。
とことんエレガントを追求したり、アメリカンな空間にも。使用する周辺素材で変幻自在です。

◆細框
 
さりげなく溝を入れた重たすぎない細框。
フラット扉とはちょっと違う、シンプルモダンやエレガントな空間に良いスパイスとなります。

◆変わった形の框扉
 
ぷっくり蒲鉾型の見切りをまわしてカジュアルに、めずらしい形の框扉で格調高い雰囲気にも。

◆ガラスやミラーの框扉
 
ガラスやミラーを入れるとお部屋がグッと広く見えたり、奥行きを感じられます。
エレガントな雰囲気でありながら、抜きができることで想像以上の相乗効果が生まれます。

化粧板の技術が上がり圧倒的にフラットな扉が多いこの頃ですが、これだけ表情を加えることが出来る框扉。
どこにもない唯一無二の空間づくりの幅が広がるのでおすすめです^^

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