デザインコンパスブログ「ポッカポカ日和」

ミニマルな2体の家具

2017-6-27

昨年、ダイニングの壁面収納でお世話になりましたTさまより、今度はリビングの家具のご相談を頂きました。

お声をかけて頂いたのは3月。
L字の素敵なソファーとシャンデリアが印象的な雰囲気のあるリビングに、テレビボードを兼ねたどんな家具が良いものか、ご相談を頂きました。

一番最初のご提案は、化粧柱の存在をなくすように二面をつなげた低いローボードのプランでした。
シンプルモダンなデザインでしたが、正面の壁に絵を飾るには低いローボードだとバランスが取りづらいということで・・・、
二面それぞれ高さを変えた別体にすることと、全体を白にされたいというご要望で新たにご提案をさせて頂きました。

一度は宙に浮かせて造りつけの形状でご提案をさせて頂きましたが、置き型にされたいとのことで、また再度ご提案をさせて頂きました。

造りつけを得意とする私たち。この間ずいぶん悩みました。
高さの違う2体をどうリンクさせるか。
シンプルな形状の白は、間違えるとカジュアルに寄ってしまうし・・・。
そうこうしている間に数ヶ月。ずいぶんお待たせしてご迷惑をお掛けしました。

最終的にお打合せの中で、白でも素材に存在感のある人工大理石を使うことで、ミニマルな2体の家具を製作させて頂くことになりました。

絵を飾る正面の壁は収納は設けずにコンソール型にすることで壁のバランスをとり、テレビボードは素材をリンクしながら形状を変えて製作させて頂きます。

そしてただいま製作中です。

テレビボードの天板と両側面は12mmの人工大理石そのものの厚みになるので、木で製作するよりも薄くシャープな納まりが可能になります。

テレビボードは大きな一枚の扉が下に開く形です。
閉めたときの状態を見るのが楽しみです。


コンソールの本体も出来上がってきました。
何十種類もある人工大理石の中から白でも静かな雰囲気のあるシラスホワイトをセレクト。空を渦巻く雲や植物のツタにヒントを得た柄だそうです(デュポン社より)
化粧板では表せない存在感があります。

あとは、特注のスチール脚の完成を待つばかりです。
バランスと設置したときの雰囲気。正直なところ半信半疑です^^;
でもTさま、それ以上にお届けを楽しみにしております。

主役じゃないけど・・・名脇役な家具

2017-5-31

3年前にお世話になったDさまからご相談を頂きました。
最近リピートのお客様が少しずつ増えてきて嬉しい限りです^^

ご相談頂いたのは、玄関から丸見えのキッチンを何とかしたいという事と、トイレの空いたスペースに収納が欲しいとの事でした。
マンションでも戸建てでも最近は新築の殆どが吊戸のないオープンキッチンですが、Dさまの場合は更に玄関からキッチンが見える位置にありました。

キッチンに立って扉を開けたら玄関にいる人と目が合う位置。
インテリアを損なわずに目隠しになる格子を製作させて頂きました。


ん?目隠しになっているのか分からないスカスカの格子?
ではなくて羽の向きを変えられるようにしました。


傾けるとバッチリ隠れました。


キッチンからも元々あったかのような自然な感じに。
目隠しの目的ではなくても、インテリアの良いポイントになってお部屋が益々素敵になりました。

トイレも同じ色合いで収納を製作させて頂きました。

既製品の手洗い器の周りが中途半端に空いていましたが。


こちらも元々あったような収納が出来ました。


既製品とは微妙に色が違うのですが違和感なく納まりました。
ちょっとしたことですが、トイレでもお部屋感があっていいですね。

どちらも決して主役の家具ではないですが、無いと不便、あるとお部屋全体がよりグレードアップして見える名脇役のような気がします。
これからも良い役者たちを送り出せたらいいなと思います。
Dさま、また声を掛けてくださいね^^ ありがとうございます!

水周りの家具

2017-5-15

連休明けの先週から、Hさまの水周りを改装させて頂いております。

初めてお問合せを頂いたのは1月。
マンションの浴室、洗面所、トイレを変えたいけど既製品でこれ!というものがないんです。ということで最初は漠然とですが、お打合せをさせて頂きました。
ユニットバスとトイレは既製品の中で選んで頂きましたが、洗面とトイレの手洗いは動線と他のレイアウトを含めてご提案をさせて頂きました。

タンクが無いトイレと、手洗いがご希望でした。
手洗いの給排水が必要になるのですが、特にマンションリフォームの場合は配管が難しいので通常はトイレの給排水を利用した専用の手洗いが付きます。

トイレから配管をもってくるため樹脂のカバーが付くのですが、これをどうしても使いたくないということで、洗濯機側から配管をもってくることにしました。
洗濯パンが無駄に大きいこともありましたが、この配管を隠すために壁を造作する計画です。

洗面所に入ってすぐの収納庫も便利ですが、圧迫感があったので撤去して、
幅の広いカウンター収納にする予定です。

そして浴室といっしょに解体。

トイレの飾り棚があった部分の下はデッドスペースでした。ここを利用して手洗いを製作します。

配管の位置が1cmでもずれると洗濯機や家具が納まらないギリギリのラインでした。
解体してからしか寸法が出せない家具は2期工事にさせて頂いて、浴室やトイレを先に、明日は洗面所が使えるようになります^^

生活しながらで落着かない一週間でしたが、Hさまと職人さん両方のご協力を頂いて順調に進んでおります。
お客様にとっては大変ですが、毎日変わっていく様子を見て頂ける楽しみはあるかと思います。
あともう少し、よろしくお願いします!

隠して魅せるキッチンの背面収納

2017-4-25

キッチンの背全面に収納を設けたいということで、1月にお問合せを頂きました。Sさんのご要望は家電も含めて隠せる収納。
使用頻度や時間帯、収納量や種類など、「Sさんの使い方」を考慮してプランニングをさせて頂きました。


勝手口と冷蔵庫の間のスペースが大容量の全面収納になります。
遠方ということもあり、2日間かけて施工させて頂きました。


家電の設置場所を予め決めた位置に配線していきます。


勝手口横の収納から。収納には見えませんが立派な収納です。

 
初日の作業はここまで。からっぽですがかなりの収納量です。


2日目、ようやく完成しました。
正面左の収納からご紹介させて頂きます。


普段勝手口をあまり利用されないとのことだったので、スペースを有効活用して左側面からの収納にさせて頂きました。上は奥行きの浅い収納で・・・


下はコーヒーメーカーや隠したいものを。
コーヒー豆やセッティングの所作など、側面からならスマートに隠せそうです。


そしてその隣は、トースターと炊飯ジャー。
扉を閉めているとフラットに、開けっ放しにしても邪魔になりにくいスライド扉になっています。


操作中は引出して使用して頂く形です。扉を開けて、家電を使用中に他の収納が使えなくなることを最小限に抑えました。


中央の引出しは食器やカトラリーなどの収納です。
一番下は内側にもう一つ浅い引出しも隠れています。


スチームオーブンの中でも上面の設置寸法が余計に必要なヘルシオをご使用でしたので、熱抜きのガラリを設けて高さを多く確保しました。


冷蔵庫横には、幅の狭い引出しと、可動棚を。
食品ストックのイメージです。全面収納の場合、作業台が確保しにくいので、引出し上のカウンターがそんなスペースになると良いかと思います。
買い物の一時置きにも良いかもしれません。


ダイニングから撮影させて頂きました。
お打合せのときに、素敵なダイニングテーブルの木目がSさんのお気に入りということでしたので、その延長で木目が見えたら・・・と色あわせをさせて頂きました。
特注柄でしたのでずいぶん納期をお待たせ致しましたが、さりげない木目がLDKの雰囲気に合っていてとても素敵でした。

Sさん、この度は本当にありがとうございました。
家具と共に、これから永いお付合いをよろしくお願いします!

オープン棚のあるテレビボード

2017-4-18

先月末にお取付をさせて頂きましたT様のテレビボード。
ずいぶん遅れてしまいましたがご紹介をさせて頂きます。

お住まいになられて4年。なかなか納得のいくテレビボードに出会えず探されていたところでお問合せを頂きました。
昨年末にお話しをお聞きして、少しずつですがT様が望まれているものを繋げていき、図のような形で製作することになりました。

スピーカーやウーハー、ゲーム機などの配線を美しく隠すこと、テレビを壁掛にすること、テレビボードを宙に浮かすこと、その他収納のご要望をいろいろとお伺いさせて頂きました。


デザインについては、いくつかのイメージからピンとくるものとこないもの、答え合わせのようにお伝え頂きました。既製品のようにカタログや完成品がないなかでイメージすることはなかなか難しいことだと思います。


いよいよ施工です。コンセント類の移設や増設、壁の下地補強など取付け前の準備で半日近くかかります。
テレビボードを宙に浮かすので、背板を巾木まで伸ばしてテレビボードが前に下がらないようにします。写真はその為のボンドを塗ったところです。


梁の下に吊戸をつけると、梁の凹凸が気にならなくなりました。

オープン棚の下地です。
こちらは壁に下地を入れたところに金物を仕込みます。

そして棚を差込むことで余計な金物が表に出ません。

タイルの厚みに合せて棚の厚みを決めています。0.1mm単位での墨出しです。
エコカラットの施工はそんなに難しいことではありませんが、この寸法で仕上がりの良し悪しが決まります。

美しく納まりました^^

壁掛テレビでも、センタースピーカーとリアスピーカー、ウーハーなどボードに乗る機器の配線が必要です。
今回はテレビボードと同じ素材で蓋にさせて頂きました。

ごちゃごちゃした配線を隠すスペースにもなっています。


無事、図面通りに仕上がりました。
配線はご帰宅後、Tさまに繋いで頂いて壁の中にすっきり納まったそうです。
お会いしてから納品までゆっくりご検討頂きました。
出来上がりだけではなく、プロセスも楽しんで頂けていたら嬉しく思います。
Tさま、これからもよろしくお願いします^^

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