デザインコンパスブログ「ポッカポカ日和」

物づくり、いろいろ

2020-4-23

監督さん10歳の誕生日に、去年おばあちゃんからもらったドールハウスキット。
海辺のコテージのようなインテリアが素敵でこっそりリクエストしたものでしたが・・・あまりに難易度が高くて押入でスタンバイしていました。
これこそ今だからできること!3人で真剣に作ってみました。

なぜ尻込みしていたかというと、まず説明書。日本語が一つも見当たらないので絵で読み取るしかありません。

そして、かなり作り手まかせな材料。
このキッチンの壁にかけるS字フック達は1本の針金しか入っていないので、ラジオペンチで曲げて形にしていきます。
監督さん、なかなかの出来です。

ベースの壁が出来ました。壁紙や床もカットしてスプレー糊で貼るので本当に内装工事をしている感覚です。
奥のキッチンのシンクも1枚の紙から、ゴールドの蛇口も1本の針金から形にしました。

そして丸2日かけてついに、完成しました。

どうでしょうか。かなり本格的なインテリアです^^


天井に露出配線した電気も点きました。シャンデリアももちろん1本の針金から、緻密な作業でした^^;
こうして近づけて見るとまるでアリエッティの世界です。(←人間の道具を借りて生活する小人のお話しです)


シャワールームも素敵です。
かなり作り手任せで価格も安いキットでしたが、こんなインテリアの発想は日本製にはないかもしれません。
壁のタイルも貼り分けてあったり、小さなアイテムにセンスが感じられます。


勾配天井にトップライト、雲の壁紙にブルーの書棚、好きなアングルです。
1枚の布を切って綿を入れた枕、テーブルランプ、ベッドメイクも本物を作っているようでした。
子供の頃に入り込んだ世界観がいつかの糧になってくれたらいいなと思います。

ただ今、お問合せ後のご提案はメールでのやりとりとさせて頂いております。
現在製作中の家具の施工とお届けは来月以降にお願いをしておりますのでご了承ください。
公私共になかなか出来ないことが多い日々ですが、いま出来ていることに集中してプチハッピーをお届けできたらと思います。
今まで特に気にしなかったことに気付ける日々。頑張りましょう。

造作ならではの家具たち。

2020-4-8

昨年お問合せ頂いて、ご提案させて頂きましたK様の家具をご紹介致します。
中古のマンションを購入されて、ご入居前の家具の設置とのことでした。
内装を拝見するまでは、おおよその寸法などK様から頂いた情報を基に想像でのお打合せでした。

テレビボードを設置する幅は約5m。
上の図は現地写真を拝見する前の初回のご提案です。
5mのテレビボードに間接照明をつけてタイルを・・・というご要望でした。
下の図は現地写真を拝見してからのご提案です。
実際は梁がかなり低いところまで下がっていて、5mもの間口だと余白が多過ぎるので縦に間接照明を入れたプランです。
下のプランで製作させて頂くことになりました。


事前に現地採寸後、製作期間を経ていざ取付の日。
右側にしかなかったコンセントから中央と間接照明の位置に配線し、キャビネットを設置していきます。


キャビネットの天板も1mmの隙間もない状態でピッタリ納まりました。
その上にテレビ背面の下地を造っていきます。
元々下地が入っていない壁でしたので、壁掛けテレビの取付や配線をする為でもあるフカシ壁です。
間接照明の光がこぼれる調度良い距離で造作しています。


2日目にタイルを貼って完成しました。
マンションで5mの幅はなかなかありません。圧倒されるスケール感です。


消灯するとこんな感じです。
テレビ面の壁は厚みの部分までタイルを貼り込むことで、見える印象が随分変わります。


点灯するとこんな感じです。
あえてテレビ面はシンプルに、その奥のタイルは光の陰影が映える凹凸感のあるタイルでメリハリをつけています。


元々ウォールナットをご希望でしたが、現地に伺ったときに床のタイルに映えるようダーク系で引き締めましょうということで、着色ウレタン塗装で仕上げています。


テレビを付けるとこんな感じでしょうか・・・。(テレビ画面はイメージです^^;)
大きく下がっていたシャンデリアもスリムな照明に変わって随分お部屋が広く感じられるようになりました。

そして、ダイニングテーブルも設置させて頂きました。
当初はキッチンの腰壁に対面してテーブルの造作をご希望でしたが、インターホンが動かせず断念。
置くタイプのテーブルをシーンに合わせて向きを変えられる方が・・・ともお伝えしましたが造り付けで収納もご要望でしたので、下のような形状で製作させて頂きました。


そして照明も悩ましいところでした。
天井がコンクリートなので電源を移設できず、またダクトレールを使用しても微妙な位置でしたので、色々な器具をご提案をさせて頂きました。


施工当日。何やら看板のような出で立ちの家具ですがどうなるでしょうか。


こうなりました。なかなかない形状ですね^^
リビングからの動線を妨げない丸い形状は、お孫さんが来られたときの危険回避と、丸い部分に二人座ることもできます。
テーブル下の空間は、カトラリーケースやランチョンマットを収納できて両面に6分割あり重宝して頂けると思います。
ガラス扉の下は、コーヒーメーカーや電子ポット、扉の中にはグラス類が収納できます。


リビングから見るとこんな感じです。照明の電源がテーブルの中心から離れているので、こちらの照明をお勧めしました。
コンパクトですが、天井面にダクトレールなども付かずいろいろな位置やアングルが自由自在に変えられます。


天板はマットなレザー調のメラミン化粧板、木部はウォールナットの無垢材です。
お手入れに気を使うこともなく、単色を用いることで木目も映える効果があります。
全て木目で仕上げるよりも、重たくなくこなれた印象になったような気がします^^

現地を拝見するまでとその後も、実物がないものを想像するのはなかなか難しかったかと思います。
K様、色々と大変お世話になりました。
またお引越し後のご感想を頂けると嬉しいです^^

間仕切りを兼ねたテレビボード

2020-3-31

前回の更新から1ヵ月。
たった1ヵ月前は臨時休校にそこまでしなくても・・・と内心感じていましたが、日々の状況の変化に唖然とするばかりです。
緊張感と思いやりを忘れずに、いまできることに集中して頑張っていきましょう。

お仕事の面では、トイレなどの設備機器が一時発注すらできない状況でしたが、ようやく発注受付がスタートしました。
反面、ヨーロッパからの輸入金物類が一部4月いっぱい入荷しない状況です。
特殊な器具類はお待たせする可能性がありますので、ご了承ください。

さて、遅くなりましたが、昨年からお打合せをさせて頂きましたS様の家具をご紹介致します。
ご新築マンションのリビングに合わせて、テレビボードと書棚、クローゼット、飾り棚・・・と様々な用途を兼ね合わせた間仕切り家具です。


初回のご提案図面です。
窓が多くテレビを取付ける壁がないこと。書斎スペースを設けたいけど圧迫感は解消したい。
などからテレビボードを兼ねた家具で空間を間仕切りたいというご要望でした。
大画面テレビが設置できる壁量と通路幅の確保、難しい条件に答えが出るまで随分お時間を頂きました。


その後、ある程度フォルムが決まりましたが、私も同じ物を製作したことがないのでパースにして仕上りの確認です。
テレビを壁掛にした時に斜めから見た飾り棚が画面を干渉しないか、書斎側に設けたクローゼット扉とタイルの納まりなど・・・。
S様へのお伺いはもちろんですが、自分が仕上がりを確認する為の作業です。
テレビ画面を干渉しない下の寸法で、製作させて頂きました。


いよいよ設置の日。何もない空間にドシンと設置していきます。
テレビコンセント類を家具に組み込む作業からです。


下台と、テレビが取付く壁を設置しました。
タイルは予め、納まりが難しい部分だけ工場で貼っておきました。


こちらは書斎側です。右奥に見えている柱のような筒状の箱は壁掛けテレビの配線ルートとなります。


上部に収納が乗り、飾り棚を設置しました。なかなかない形状です^^


そして書斎側はこんな形で仕上がりました。
窓側には同じ素材でデスクを設置しています。


手前の扉はコート掛けになっています。
リビングからまわり込んですぐの場所に便利なクローゼットです。
奥の棚は書棚、下は大容量の引出になっています。


飾り棚の納まりとバランス、ぐるりと貼ったタイルが美しく見える決め手になっています。


テレビ側も充実した収納量です。上部はプッシュオープン式のフラップ扉になっています。
テレビが付いた状態を拝見できませんでしたが・・・と掲載する予定でしたところ、S様がお写真を送って下さいました。


テレビ画面が予定通りにピッタリ。飾り棚にも素敵に飾って下さっていました。


書斎側は・・・特等席にどなたか座ってらっしゃいます^^
最高のプライベード空間ですね!
コンパクトに必要なものが集約されていながら閉塞感がない、理想的なこもれるお部屋のような気がします。

S様、この度はご相談頂き本当にありがとうございました。
ご家族の新生活を心より応援しております。

シームレスな洗面とスマートなカップボード

2020-2-29

コロナウィルスの影響で刻々と変化する状況に戸惑うばかりですが、今できることを冷静に判断していきたいと思います。
そんな中、小学校も突然の休校で昨日はどんな顔して帰ってくるかと思っておりましたが「先生お世話になりました会」をしたとのことでした。
前々から計画していた先生へのサプライズは全て実行できなかったけど、皆んなからのメッセージは伝えられたそうです。
一年間、愛情を注いでこられた先生が終業式もできずに終了を余儀なくされ、教育業界は子供や親以上に先生もやりきれない気持ちかと思います。
不満や避難はどうしても出てしまいますが、子供たちの柔軟で思いやりのある行動にはっと気づかされた一日でした。与えられた時間を大事に頑張っていきましょう。

 

さて、昨年から打合せを重ねてきましたM様の洗面台とカップボードを施工致しました。
ご新築の工程に合わせての設置でしたので、設備や電気工事はハウスメーカーさんに予め図面で先行して頂きました。

こちらは洗面台。間接照明の通電した状態を確認できずのお引渡しでした。
間口180cm。横ラインをスッキリと強調したフォルムです。


こちらは洗面後ろの階段からの景色です。
降りてきながらハミングしてしまいそうです^^


お引越し後におじゃまして、照明がついた状態を拝見できました。
使いやすさと収納したい物が入る高さ、間接照明が映えてスッキリ見える高さ両方のバランスを図りました。


人工大理石の天板とボウルはもちろん、排水溝もシームレスで清潔感があります。
立上りの水撥ねも防水用のタイルなので気にならない以上に、タイルの陰影が美しく幻想的です。

カップボードも設置させて頂きました。

こちらは下のキャビネットの間口が約3.6m。
当初は下台だけの予定でしたが、吊戸棚もご提案させて頂きました。
洗面台と同じく、横ラインを強調したフォルムでスッキリしています。


引出の高さもMさんが普段使いやすい高さでミリ単位の設定です。
水筒や調理器具などに有効高さ30cm確保しつつ、内引出しを設けたスパンを1ヶ所。
食器類用の浅い引出しと別に高さ設定が違う引出しがあると便利です。


そして食品庫のスパンも一つ。
引出と違うメリットとしては、メッシュなので3段が見通せるところでしょうか。
お引越し後にお伺いすると早速たくさん使って頂けていました。


最近ご要望が多いのは取っ手は付けたくないけど引出し易い引出し。
ということで、よく使わせて頂いている引手です。
よくあるライン引手と違って正面から見える引手はわずか5mm。
扉と同じ面材で巻き込んでいるので設備機器感が軽減されて、楽に引出すことができます。

養生を剥がしてからの状態をしっかり撮影することができませんでしたが、リビングからの景色もスマートでスッキリしていました。
白いキッチンと木目の家具類に合うカップボードの素材をずいぶん悩んで決めて頂きましたが、両方を引き立てる名脇役になっている気がします。
M様、昨年から大変お世話になりました。
ご家族の新生活を応援しております!

シックモダンな大人のテレビボード

2020-2-24

随分お久しぶりの投稿になります。

昨年からお打合せしておりましたK様のテレビボードをご紹介させて頂きます。
3.3m程の幅があるリビングの壁面に、以前はスタンド型のテレビと高さの異なる家具を置かれていました。
画面の大きなディスクトップパソコンを頻繁に使用されるとこのことで、その他の機器もスッキリ見えるようにとのご要望でした。

まずはフォルムのご提案。
吊戸棚とテレビボードだけですと余白が多い反面、両サイドに収納を設けると圧迫感が・・・とのことで、Bをベースに具体化させて頂きました。

ある程度、フォルムが固まってきた段階で素材をご検討頂きました。
色はダーク系の木目、タイルもグレー系をご希望でした。

左の2枚はメラミン化粧板です。
色味はこのくらいの濃い色をご希望でしたが化粧板特有の反射が気になられるとのことで、右のウォールナットに着色ウレタン塗装を施す方向でサンプルを作成致しました。
天然木は樹種の特徴が一番活きるクリア塗装が多いのですが、素地の色だけですとインテリアの表現力としてはやはり限られてしまいます。

タイルに合わせるとより印象の違いが分かります。
下の素地のウォールナットに合わせると少しカジュアルに、上のダークトーンに合わせるとシックに、合わせる色味でタイルの印象も違って見えるから不思議です。
逆もしかりで、同じ扉に合わせるタイルが違うと印象がガラリと変わってきます。
だからインテリアは人それぞれ、自由で無限で楽しいんでしょうか^^

家具の取付の前に、下地工事をさせて頂きました。
コンクリートの壁なので騒音対策で梁と床の間に柱を立てます。こうすることで壁掛テレビの配線ルートも確保できて家具の取付がスムーズです。

5cm程手前に出てはきますが、予め電気の配線とクロス工事も同時に出来て騒音も抑えられました。


2週間後、いよいよ家具の取付です。
全く分かりませんが、先日ふかしておいた壁に取付けていきます。


吊戸下には間接照明のテープライトを仕込んでいきます。
カバーをするのでテーブライトの粒感もほぼ気にならず、収納にも影響なく最小寸法で抑えられます。


下地工事から二日目、家具の設置が終わりました。
家具だけでも以前より随分広く感じます。


最終日、タイルを貼っていきます。


タイルの割付けに合わせた両サイドの棚。
無駄な金物が見えないインロー式でタイルを貼りながら設置していきます。


テレビ、モニターを設置して無事完成しました。更に広く、すっきりとしてとても心地良い空間になりました。


充実した引出し収納は全てレールが見えないプッシュオープン式です。


両サイドは2段の引出ですが、中央は機器類の為に開き扉になっています。
ダミーの目地が繋がっているので、より幅広く見える効果があります。


テレビボードの間接照明は下からのアッパーライトを採用することが多いのですが、スピーカーや機器類で光が干渉されるので、今回は吊戸下に設けました。
光の量と、光の色を調節できる調光調色機能がついているので、様々なシーンを楽しんで頂けそうです^^


K様がご準備されていたパソコンのモニターアームをお預かりして、予め可動域を確認させて頂きました。
正面に向けた場合と右側面に寄せた場合。


実際はこんな感じで納まりました。右側の棚1枚はアームに干渉しそうで断念して頂きました。
自由に取り回しができそうですがどうでしょうか。


モニターアームの小さなデスクはキーボード用ですが、ソファーのサイドボードとしても配置を自由に変えてご利用頂けたらと思います。
明るい昼間の撮影でしたが、夜は間接照明だけの演出もとても素敵かと思います。
シックでモダンな大人の空間。
素材や機能性にこだわって頂いて、そしてお打合せも楽しんで頂いて、こちらもとても遣り甲斐があり楽しませて頂きました。
また感想などお聞かせ頂けると幸いです。
K様、大変お世話になりました。これからもよろしくお願い致します。

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