デザインコンパスブログ「ポッカポカ日和」

猫も人も快適に過ごせるリビング

2023-7-5

Eさまのリビングにテレビボードを造作させて頂きました。
といってもご相談当初の目的はテレビボードではなく、「猫ちゃんが自由に遊べて居場所もある空間づくり」でした。

お住まいを拝見させて頂くと、高さが違う大きな梁と下がり天井が左右にドーンと存在していました。
そしてご新築当初に造作された飾り棚が正面の壁にもあります。
テレビは手前の壁に置かれていました。
2匹の猫ちゃん達が、右から昇って左の梁に沿って手前の壁に降りてくるようなキャットウォークが出来ればと考えていましたが・・・。


図にしてみると、既存の棚が干渉して自由に行き来することが難しそうです。
そんなお打合せの最中、Eさまよりこれは使えますか?とご相談頂きました。
猫壁(にゃんぺき)パネルです。
マグネットの壁パネルに、猫ちゃん達のお好みに合わせてアイテムを足していける何とも画期的な商品です。
お部屋中を駆け回るキャットウォークは断念することになりましたが、これなら自由度が高いかもしれません。


テレビ面がコンクリート壁のため、壁掛けテレビの配線用にバックパネルを設け、その両サイドに猫壁パネルを貼る方向で製作することになりました。
既存の飾り棚に色を合わせて統一感を図りたいと思います。


施工当日。テレビやコンセントの配線をしながら設置していきます。


3.5mの天板は搬入出来ないので中央で継ぎますが、継ぎ目がほとんど分からなくなります。


完成しました。
アイテムを付けてないので分かりませんが、両サイドにはしっかり猫壁パネルを貼っています。


下地がない為ふかしたバックパネルですが、厚みを持たせることで空間に奥行きが出来て、上下の家具も活きてきます。


目的に合わせた収納も増えました。
写真には写っていませんが手前の壁にも猫壁パネルを、そしてリビングダイニングのカーテンも明るく一新されました。
残念ながら猫ちゃんが新アイテムでくつろぐ姿はまだ見られませんでしたが、ご家族の居心地の良さが猫ちゃん達にも伝わるといいなと思います。

あまりに既存の棚と一体化しているので、上の棚も私たちが造りました!て言って良いですよ~とEさまとの笑い話でしたが、飾り棚は造ってません^^;
でもテレビボードが出来たことで、以前より何倍も飾り棚が活き活きして見えますね。
Eさま、この度はありがとうとざいました!

後日、猫ちゃんがくつろがれているお写真を送って頂きました。

何ともご満悦の表情ですね^^

和を感じる、ニュアンスカラーのサイドボード

2023-4-25

I様のリビングに、テレビ台を兼ねたサイドボードを製作させて頂きました。

初めてお伺いした際、お話し頂いたご要望は、
・今はテレビ台を兼ねたいけど、将来はテレビを置かない予定
・機器類やその配線をスッキリ隠したい
・3人目のお子様のご出産前に、収納場所を確保したい
・ピアノを左右どちらに置いても収納の開け閉めに問題のないようにして欲しい
・お部屋に合いつつ、ちょっと和の要素もあって他にない感じにしたい
とざっくりですが、このような内容でした。


コンパクトなテレビ台を置かれていましたが、間口は4.4m。
端から端まで収納を設けるだけでもお部屋が随分広く感じられそうです。
梁の下でどんよりと影になっている壁面も気になるところです。

初回のご提案をさせて頂きました。

壁に対してバランスの良い高さで間口いっぱいのサイドボードです。
素材や引出しの場所など、あえて色々なパターンでご提案させて頂きました。
木目じゃない方が・・・、和柄を取り入れたい・・・、ルンバは別の場所に置く方向で・・・
ベースプランを基に、色々なヒントを頂きました。

もう少しイメージが湧くような提案を~ということで、パースを作成しました。
自動で立ち上がる3Dパースではなく、線で描いて素材を貼り付ける古風なパースです(汗)

中央に和の要素のある素材を用いることで、全面が同じ扉よりも空間が締まります。
上下の絵は同じに見えますが、上は天板だけ木目、下は天板と台輪を木目にした絵です。
ほんのちょっとしたことで、印象が変わります。
下の絵の方向で製作させて頂くことになりました。


製作期間を頂いて、いよいよ設置の日です。
コンセント類を移設しながら家具内に取り込む準備をしています。


本体を設置しました。
壁から壁まで隙間なくピッタリです。
ピアノの前の収納をギリギリ引出せる奥行きになっています。


天板は中央でジョイントしています。
奥に間接照明も入ります。


多少の柄のズレはありますが、フラットに美しく納まりました。


間接照明も点灯しました。
梁の影でどんよりとしていた壁面が、まるで日の出のように幻想的で特別なスペースになりました。


完成しました!
イメージ通り、スッキリと洗練された絶妙なニュアンスカラーのサイドボードです。
難しいカラーバランスでしたが、中央の和柄がアクセントの唯一無二なオリジナル家具になりました。


和柄の扉以外は、引出しになっています。
こちらはDVDの背表紙が見える高さ設定の引出し。


そしてその中に内引出しを設けています。
高さの要らない細々とした筆記具、通帳、保湿剤・・・等々、何かと重宝して頂けると思います。


下段は下から手を掛けて開ける引出しに。
閉めたときに美しく見えるように、上の扉とは違うフラットな扉です。
閉めるときは全て、ゆっくり閉まるソフロクローズ機能の引出しになっています。


和柄の扉内は、機器類が入っています。
配線が見えなくなっただけで気持ちが良いですね。
扉の裏が繰り抜かれている部分は、リモコンが通るような加工をしていますが・・・


扉を閉めると全く分かりません。
この和柄の扉だけ、柄方向が間違えて入荷したため後日のお届けになりました。
待ちに待って頂いた主役の扉です。


和柄以外の扉は、なめらかなレザーのような手触りです。
少しくすんだ木目の天板の組合せはベストメンバーでした^^
木目が強い床と梁に、このニュアンスカラーは少しチャレンジでしたが、完成してホッとしました。


サイドボードが設置されたことで、以前より幅広さの認識ができたせいか随分広く感じられるようになりました。
このブログを書いていて気付いたのですが、スマホのレンズが曇っていたせいで写真がぼやけています(泣)
意図せず更に幻想的に見えるでしょうか^^;

後日、I様が夜のお写真を送って下さいました。

昼間とは違う神秘的な雰囲気です。
お子様が寝静まった後の一人の時間、ご夫婦二人の語らいの時間、日々の喧噪から離れて疲れを癒してくれる時間が生まれると良いなぁと思います。
便利で快適な機能以外に、家具ができること。たくさん増やしていけますように。

Iさま、積極的に参加して頂いて、また楽しんで頂いて本当にありがとうございました!
これからも末永く、よろしくお願い致します。

シンプルエレガントなテーブル&TVボード

2023-3-6

一昨年カップボードでお世話になりましたT様。
今度はテレビボードとダイニングテーブルでご相談頂きました。
テーブルは当初既製品をご検討されていましたが、テレビボードとお揃いでインテリアに合う色にされたいとのことでした。

テーブルは丸テーブルで、脚は出来るだけ座ったときに干渉しない形状で。
そして脚の色はシャンパンゴールドをご希望でした。

こちらは無垢材で製作した脚です。
3本脚をご希望でしたが、強度を保つと太くなります。
木目だとそれが良い印象になりますが、シャンパンゴールドは金属質が強く出そうです。
色や質感によって似合う太さが変わってくるので、とても難しく正直なところ正解が分かりませんでした。


こちらは色見本です。
シャンパンゴールドと一口に言っても人によって想像する色が違うので、ニュアンスを伝えて作ってもらいまいした。
本当は白っぽい絹ような色をご希望されていましたが、メタリックに白が入ると単色に近くなるそうで、塗装屋さんを悩ませました。
天板の色がほんのりピンクが入っているので、相性の良い一番左のシャンパンゴールドで製作させて頂くことになりました。
いつも頼りになる塗装屋さんです^^


設置させて頂きました。
遠方にお住まいでメールでのやり取りでしたのでとても心配でしたが、気に入って頂けました。
天板は削ぎ面にすることで、くびれた脚ともバランス良く美しい佇まいになりました。


ほんのりピンクのやさしい石目柄がエレガントでやさしい印象です。
奥のテレビボードもお揃いで製作させて頂きました。


シンプルですが、こちらも脚はテーブルとお揃いのシャンパンゴールドで統一されています。


シンプルですが、色や細かい形状にこだわって頂いたことでT様らしい家具になったような気がします。
これからお引越しされてアイテムが増えてもきっと良い役割をしてくれると思います。
T様、昨年から大変お世話になりました。
素敵な新生活となりますようにお祈りしております^^

リビングのトータルコーディネート

2022-12-31

今年も大変お世話になりました。
年内最後のお仕事ブログです。
今月施工させて頂きましたK様の家具をご紹介させて頂きます。

7月にお電話頂いたときは「フロート型のテレビボードにエコカラットを貼りたい」というご要望でした。
ご新築マンションの内装設計段階で、後日平面図をご持参頂きました。

お会いした時から設計以外のお話しも沢山盛り上がってしまい、時間を忘れて楽しいお打合せでした。
リビングにお仏壇を置きたいけれども、方角的にテレビボードの面しかないということで、お仏壇を含めたご提案。
そして窓側のベンチ収納、クローゼットも少し考えて欲しいとのことで、こちらも含めてトータル的に検討させて頂くことになりました。

テレビボードの最初のご提案です。
お仏壇の存在が大きくて頭でっかちな印象です。お仏壇を上下の扉でどう隠すか等を考えていました。
せっかくテレビボードを宙に浮かせても横の広がりがあまり感じられない窮屈な印象です。

テレビボードもそうですが、クローゼットも面積の割には有効利用しづらい間取でしたので、僭越ながらレイアウトからご提案させて頂きました。


リビングからクローゼットに出入りする必要がないとのことで、間仕切り壁を右側にずらし、テレビボードの幅を拡張しました。
クローゼットの面積的には狭まりますが、長い壁面が確保できるので収納量は圧倒的に増えます。
テレビボード面の壁も寝室に支障が出ない程度に上側にずらし、リビングを広くしています。
こちらの方向で、再度テレビボードをご提案させて頂きました。

以前より随分すっきりしてきました。
お仏壇は大きく隠さず、台に乗せる方向でのご提案です。ただ、設置する高さが問題でした。
お仏壇を拝む高さは胸より少し上が良いとされます。
立って拝むには上図の高さになりますが、テレビより上では何だか仏様も落ち着かない印象です。
かといって下図になると見下ろす高さになります。


そこで、座る方向で検討させて頂きました。このベンチの仕掛けは後程のお楽しみです^^

製作期間を経て、いよいよ施工の日です。

既に間接照明も入って素敵に仕上がりそうな予感がします。


テレビボードが取付きました。お孫さんが万が一乗っても大丈夫なように下に下駄を履かせています。


テレビボードの上に壁を造作していきます。
壁から15cm手前に出ますが、この凹凸があることで空間に表情が生まれます。


ふかしていない壁にパネル状にした格子を貼っていきます。
コンマ何mmの寸法で美しく納まるように格子を割付けて製作しています。


その上にお仏壇の台を設置しました。
歪な形状ですが、全て計算されたデザインです。


梁の凹凸に合わせてピッタリ。上部の格子も美しく納まりました。


3日目、テレビを設置して完成しました。
イメージ通りの優しいグレージュを基調にした素敵な空間に仕上がりました。


窓側のベンチ収納はリビングから寝室側へ約5.8m。
凹凸のないフラットな扉がより長さと奥行きを感じさせてくれます。


一見、何も分からない壁のような扉ですが・・・


お部屋の中心になる扉にはルンバが収納されています。
開けっ放しにしていても扉が邪魔にならず、ちゃんと出動してくれます。
余談にはなりますが、取説の寸法で設計していたため扉が閉まらず最後までご心配をお掛けしました。
背面を加工してなんとかスッキリ収納することができました。日々反省です。


そして、ルンバだけでなく、お隣の扉も実は仕掛けがありました。
お仏壇に一番近い扉をキャスターで移動できるベンチにさせて頂きました。


ちゃんとこうして座って仏様と向き合うことができます。


座るだけでは勿体ないので、中も収納BOXになっています。


シンプルだけど、全ての扉を開けるとこれだけの収納力です。
お部屋は広く見えて、ベンチにもなって、ルンバや椅子も収納されて・・・一石数鳥の効果です。


テレビボードも見た目は浅い奥行きですが、ふかした壁の奥まで利用しているので、深い引出しの収納力は抜群です。


見えないところも裏側まで木目を合わせて美しく納めています。
お仏壇のお供えするときにちょっと置けるようにというご要望でスライド式に。
ホワイトアッシュの無垢材を難しい色で調色しています。
いつもこちらのニュアンスを上手く読み取ってくれる塗装屋さんに感謝です。


完成してしまうと寂しい気持ちですが、K様がずっとイメージされていたカラーや雰囲気に近づけて本当に良かったです。
コンパクトな既成のお仏壇を置いて頂きましたが、お仏壇も合わせて作って欲しいとのことで、また唯一無二のものを考えたいと思います。

K様、お打合せから楽しい時間をありがとうございました。
大変お世話になりました。
また来年もどうぞよろしくお願い致します。

皆さま良いお年をお迎えください。

 

ニュアンスカラーのテレビボード

2022-11-25

Y様のリビング空間をご紹介させて頂きます。
最初のお伺いした時はまだご入居前の暑い夏の日でした。


ご要望は、リビング壁面の両サイドにあるクローゼットを撤去して、間口いっぱいのテレビボードとタイルで雰囲気づくりをということでした。
床や建具など、やわらかいフェミニンな印象なので、エレガントでクラシカルなインテリアも相性が良さそうです。
でも、選ばれている素敵なカーテンやアイテムから、甘くなり過ぎす、設え過ぎず、モダンで洗練された印象をご希望でした。


最初にご提案させて頂いたプランです。シックで少しダークカラーがベースでした。
配色や細かい部分は、壁を撤去してから決めましょうということで、先に撤去工事をさせて頂きました。


本来はクローゼットの撤去で良かったのですが・・・壁の中にエアコンの配管が入っていました。
急遽、壁全体をふかすことで対応させて頂きました。


本当は宙に浮いたフロートタイプのテレビボードをご希望でしたが、床もやはり補修が出るので、置き型でご検討頂きました。
解体・造作・クロス工事で家具工事前に3回工事。毎回お手数をお掛けしました。
照明もバランス良く2灯から3灯に増設しています。

そして4回目の家具施工の日。

家具本体が取付いて、タイルを貼っていきます。


細かいところですが、アールになった巾木に合わせて見えないところもピッタリ納めています。


扉はY様のご希望で、全ての扉の中央にガラスを入れたソフトダウンステーの扉です。
飛散防止フィルムを貼った強化ガラスで上下の扉が繋がっています。


扉を閉めると一直線。スッキリとして気持ちが良いです。


間接照明も点いて、完成しました。
ソファーやラグが素敵なので、とっても映えます^^


配色も、ご提案していたダークトーンよりこちらの方がずっと素敵でした。
扉やタイルの色もY様にセレクトして頂きました。
難しいニュアンスカラーが見事に調和しています。

仕上がってみて感じましたが、素敵なインテリアアイテムがあることで、全く違って見えました。
シンプルなフォルムですが、主役にも脇役にもなれるベーシックな家具になれた気がします。

Y様、この度は大変お世話になりました。何度もお時間頂きありがとうございました。
これからもどうぞよろしくお願い致します。

ページトップへ