デザインコンパスブログ「ポッカポカ日和」

スッキリ便利な玄関収納

2015-11-23

気付けば2週間ぶりの更新・・・1週間遅れのご紹介です(汗)
連日、製作を頑張っている相方が昨日久しぶりに寝込みました^^;
お待たせしている皆さま、申し訳ありません。
一生懸命頑張ってますのでもうしばらくお待ちください。

さて、先日ご紹介させて頂きましたYさま宅の玄関収納をご紹介します。
以前は玄関先の廊下の隅に、お子様のバットやヘルメット、吊竿が立てかけてありました。
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狭い廊下の幅を圧迫感なくすっきり収納されたいということで、ご提案をさせて頂きました。
幅77cm、奥行31cmの小さなスペースを有効利用した壁のように見える収納です。
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一見、もともとある壁のようにぴったり納まりました。
手前右側の洗面室からの出入りがしやすいように、収納のコーナーを斜めに仕上げています。また、姿見と圧迫感解消のために扉半分をミラーにしています。

収納内部はこのような感じです。
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左側は息子さんのバット掛け。バット同士が当らずに1本でも多く入るよう互い違いの形状にしています。
右側はご主人様の吊竿掛け。こちらはコーナー部分のデッドスペースを利用しています。

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ヘルメットや野球バッグ、帽子など、場所が自由に変えられてまたフックを足すこともできるレールを組込んでいます。
上部の棚も後々増やすこともできるので、靴や小物など玄関に入りきれないものの収納にお役に立てるかと思います。

狭いスペースに天井までの収納を設けるということで、圧迫感が心配されましたが、むしろ以前より廊下が広く感じられるようになりました。
姿見のミラーが、リビングからの光を反射して、玄関が明るくなったそうです。

Yさま、とても楽しい時間をありがとうございました。
これからもよろしくお願いします!

19世紀の椅子

2015-7-7

数年前からお世話になっているN様より、大切な椅子生地の貼替えのご相談を頂きました。
その椅子は長年、本当に貴重なアンティークの数々と共に過ごされてきたN様にとって、とても大切なコレクションの一つでした。

お聞きすると、19世紀のイギリスで作られたもので、生地の中身は馬のたてがみだけで成形されているとのことでした。
19世紀のイギリス、私にはせいぜい映画で目にするような貴族の生活を想像するくらいしかできませんが、当時から存在するこの椅子のストーリーを想像するだけでも本当にわくわくします。

何度も椅子貼り専門の職人さんとやりとりをしながら、ついにお預かりすることになりました。
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とても美しいフォルムです。
現代の技術でもなかなか手仕事で作ることは難しいかと思います。
しっかりとした造りで、傷んでいるのは生地だけでした。

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少々ためらいながらも生地を開けてみると、中には黒い馬のたてがみがつまっていました。
これまで二度ほど生地の貼替をされたということで、表面の白い綿は二度目の貼替のときのもののようです。
当時、馬は身近な乗り物だったのでしょう。
たてがみは熱湯消毒をして使用されていたそうです。 そんな背景をお聞きするほど気持ちが高まります。

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そして、無事に貼替をさせて頂くことができました。もちろん中身はそのままに・・・。
生地はイギリス人デザイナー、ウィリアムモリスの代表的なザクロ柄の作品です。
とてもやさしい色使いですが、椅子自体の存在感を惹き立てる絶妙なバランスで、お部屋がしあわせな空気に包まれるようでした。

普段なかなかお目にかかることができない形あるもの、だけでなく当時のお話をお聞きすることができて本当に楽しいひとときでした。感謝の気持ちでいっぱいです。

NさまのAV機器収納家具、お取付しました。

2014-11-21

先日、Nさまのご新築に合せてリビングダイニングの収納家具をお取付させて頂きました。

初めてお話しをお伺いしたのは4月。
当初はパナソニック製キュビオス(メーカーのセミオーダー家具)の取付だけを依頼できますか?とのお問合せでした。
お伺いするとお手持ちのAV機器が非常に多く、とても既製品では対応できなかったので、プランをさせて頂くことになりました。

お打合せを何度も重ねて製作段階に入りました。
プロセスはこちら
AV機器をリストに挙げて頂いて、ご新築マンションの設計変更側とのやりとりをさせて頂いて、ようやくお取付です。
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壁面のタイルの割付けも、スピーカーや家具に合せて施工させて頂きました。
AV機器がたくさん納まるフロアキャビネットの内部はこのようになっていて、後ろで配線の行き来が自由にできるようにしています。
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たくさんのAV機器があると熱処理も必要です。
タイル側のメッシュ状の金物はNさまにご用意して頂いたIH用のグリルカバーを使用しています。その横の黒いカバーは配線孔となっています。
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素材を最後まで悩まれていたNさま。他の建具とのバランスを考慮して、木目と色の濃さが絶妙な柄をお選び頂きました。主張し過ぎず、大人し過ぎない良い存在感です。
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納まりのところも少しご紹介します。
通常、既製品になると巾木(床と壁の間の化粧材)のところまで製作し、壁との隙間はフィラーで埋める形になりますが、予め巾木部分をかぎ込んで隙間なく製作しています。

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3.6mもの間口では必ず継ぎ手が入ってしまうので、取付した後の化粧材は現場で貼るようにしています。
それにより、吊戸棚の底面など一枚に繋がっているように美しく見えます。
同じ家具を取り付けるにしても細かいところの納まりにこだわることで、完成度が全く違うものになってくるので、打合せのデザインや形状と同じく私たちが大事にしている部分です。



ミルフィーユのようなテレビボード

2014-9-17

先日、K様のご新築に合せてテレビボードを製作させて頂きました。
ブラックチェリーの濃淡がまるでミルフィーユのようで、K様のリビングにぴったりでした。
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ゲーム機やオーディオをたくさんお持ちのK様。
細かく寸法をご指定頂き、機器が入る扉は空洞にさせて頂きました。
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センターのスピーカーとアンプが入った部分は、無垢材のボーダーが内部まで続いてみえるようにガラスの棚板で存在感をなくしています。
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扉を閉めているとわかりませんが、唯一の引出にはDVDや散らかりがちな配線器具・リモコンなどがとてもすっきり収納されていました。上段の引出はソフトの背表紙を上にしてぴったり入るような高さで製作させて頂きました。
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テレビとその下の機器をつなぐ配線孔も閉めていると分からないほどすっきりしています。
↓ こちらは開けている状態
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↓ こちらが閉じている状態
配線用の穴に指を掛けて開けるしくみです。
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バックの間接照明が赤みがかったチェリーをやさしく照らしてくれて素敵でした。
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お取付後、背板にそれぞれ開けた配線用の穴が小さくて、束ねたコードを通しにくいということで、大きく開け直させて頂きました。 K様、その節はお手数をお掛けしました。
ゲーム機やオーディオなど、設置する機器が増えている傾向にあるので、このあたりは特に注意したいと思います。

築40年、終の棲家へのリフォームです。

2014-7-17

今週から、H様が新しく住まわれるご新居のリフォーム工事が着工しました。

2年前にH様宅の立派な邸宅のほんの一部をリフォームさせて頂いたのですが、そちらに息子様ご家族が住まわれることになり、築40年近くの中古住宅にH様ご夫婦がお引越しされることになりました。
今まで住まわれていたとても広くて立派な住まいと異なり、老朽化は否めないコンパクトな中古住宅です。
2年前に新しくさせて頂いた玄関ドアや収納家具をとても気に入って頂いていたので、それを移設する前提でプランニングさせて頂きました。
プロセスを大事にしている私たちですが、打合せの様子はスルーしてプランをご紹介させて頂きます。

施工前の間取りはこちらです↓

収納スペースが非常に少なく、ドアの開き勝手など生活に不便なところがたくさん見受けられます。
H様の今のお住まいは収納スペースをとても工夫されていらっしゃったので、必然的に収納を重視したプランニングとなりました。

グリーンの部分が収納スペースです↓


書類や衣類の収納場所やその量、掃除機やロールにしたカーペットの収納方法など、普段のライフスタイルをお話し頂いたうえで、ご提案をさせて頂きました。
1階だけでご不便なく生活して頂けるよう、必要な場所に必要な量の収納スペースと段差無く開放的な間取りへのリフォームです。

お会いしたときは、この家にあまり期待をされていないような、半ば諦めのようなお気持ちを感じました。
H様の終の棲家として、今まで長く住まわれてきた邸宅以上に愛着を持って頂ける住まいにしたいとますます感じつつ、いよいよ着工です。

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