デザインコンパスブログ「ポッカポカ日和」

広い作業台のあるカップボード

2022-5-16

先月末にお届けしましたY様のカップボードを紹介させて頂きます。

以前は、引戸で作業台のない全面収納の食器棚をご使用されていました。

間口が2.5mあるものの作業台がなく、特にお菓子作りをされるお嬢様がご不便をされていたそうです。
初めてお伺いした際に、ご要望がとても明確でした。
・作業台の確保
・天井まで隙間なく収納
・家電は極力ひとまとめに
・カウンター下は全て引出しに
・お酒の時間を楽しめるムードづくりを・・・など
キーワードをたくさん頂けたので、ご提案もスムーズでした。
ご家族皆様お料理をされるとのことで、快適にそして気持ちがワクワクするようなカップボードにしたいと思います。

製作期間を頂いて、いよいよ施工の日です。
当日大雨でしたので、前日にご無理を言って搬入させて頂けたのが大変有難かったです。

電気工事を済ませて下台を設置していきます。
最近は、戸建てでもカップボードに2.5m以上確保できる間口は少ない気がします。
設置前から楽しみです^^


カウンターを乗せる前に、家電用の棚を下から連結しています。
箱状にして上からビス留めすると簡単ですが、美しく納めるための一手間です。


カウンターが乗りました。


そして天井いっぱいの吊戸棚と目線高さの吊戸棚を設置しました。
今までドア枠の高さまでしかなかった空間にこうして取付けていくと圧巻の迫力です。


間接照明が点きました。
圧巻の迫力=圧迫感だったのが、装飾を施していくことで段々と和らいでいきます。


そして無事完成しました。
木目の重厚感と、天板を反射する光の浮遊感が相まって、幻想的で高級感のあるカップボードに仕上がりました。


錆のような自然の風合いを感じる石調のタイル。
表面の凹凸が光の陰影をつくり、より奥行きのある表情を感じます。
天板を明るくしたことで、重々しさが解消されています。
ダイナミックな柄模様の天板は扉やタイルとの相性もバッチリでした。


引出しも充実しています。
引手のラインを揃えたことで奥までより遠近感を感じるようになりました。


引手のラインは極力崩さず、収納される物によって、引出しの高さを変えています。


中間高さの吊戸棚は、ブロンズガラスの扉です。
後日、お伺いした際にはグラス類が程よく透けて見えてとても素敵でした。


一番左側にはワイングラスホルダーを設けています。
限られた幅と奥行きに、大小互い違いに4連のホルダーを付けています。


キッチンカウンターからの眺めです。
木と石と光と、異素材がそれぞれを引き立ててくれて、隠れ家風のバーに訪れたような雰囲気でした。
毎日のお酒の時間がより特別なものになると嬉しく思います。

Y様、ご家族の皆様、この度はお声掛け頂きありがとうございました。
ご縁に心より感謝しております。
家具共々、これからもよろしくお願い致します。

お気に入りだけが詰まった空間づくり

2022-5-9

N様ご夫婦の新しいお住まいに合わせて、カップボードとテレビボードなど製作させて頂きました。
最初のお打合せは一昨年だったのですが、お引越後しばらく住まわれてからご検討されたいとのことで、本格的なお打合せは3月に入ってからでした。
でもその時期をずらして頂いたご決断が大正解でした。

大きな一戸建てからマンションへのお引越しということで、少しでも収納量を確保するために壁量が多い西面で計画をしていました。
図のようなプランで間口3.8m。どこに何を収納するか、隠すものと見せるものなど諸々イメージして頂いていました。
でもいざお引越しされると、テレビは東面でソファーは西面の方がゆっくりリラックスできるとのことで、仰られる通りでした。

こちらは東面です。西面に比べて1.2m間口が狭くなりますが、こちらの壁面を雰囲気が良くなるようご提案させて頂くことになりました。


以前のプランを残しつつ収納量を確保しようとすると上のようなイメージになりますが、お伺いした時にはお荷物をかなり片付けていらっしゃいました。
そして壁面に貼るタイルもセレクトして頂いていたので、そこから波及して下のようなイメージでご提案をさせて頂きました。
使う素材も既存のドアに相性の良いチーク材で統一感と高級感を図ります。


製作期間を経て施工当日。
壁掛けテレビの為の補強や電気工事などを済ませ、設置していきます。

窓側の壁からドア枠まで、隙間なく美しく納まりました。

以前はご近所のお客様に「ピッタリ王子」と名付けられていましたが、今は「ピッタリ親父」でしょうか・・・。
怒られそうなので素敵なあだ名を募集します。(笑)


冗談はさておき、着々と進んでいきます。
N様セレクトのタイルが貼られると随分雰囲気が出来上がってきました。


完成しました。
以前とは雰囲気がガラリと変わって、木と土の自然を感じる心地良い空間に生まれ変わりました。


洋室の出入り口ドア横はサイドまで無垢材のボーダーが美しく繋がって見えます。


どこで分かれているか見た目で分かりませんが、無垢材の高さに合わせて引出しを大小に分けています。
プッシュオープン式で軽く押すとほぼ全開に近いところまで飛び出してくる引出しです。


チーク材の美しい木目によって視線が自然と遠くへ向かいます。
以前とは比べられないほど広く感じられるようになりました。

そしてカップボードも、新しくなりました。

電気工事を経て、下台を設置していきます。
冷蔵庫スペースだけ奥に凹んだ壁面がどうなっていくでしょうか。


中間の吊戸棚を借り付けしました。


天井いっぱいまで吊戸棚を設置しました。
ここまでですと、幅よりも高さが強調されて多少の圧迫感を感じます。


冷蔵庫上の収納が繋がると、不思議なほど幅広くそして圧迫感も感じなくなりました。
前面は揃っていますが、冷蔵庫上だけ奥に広い収納庫になっています。


その後、間接照明やタイルを施工して仕上がりました。
リビングとまた違ったモダンでラグジュアリーなカップボードの完成です。


中間のガラス扉には、カップ&ソーサーが5組入れられるようにということで、奥行きの設定をしています。
奥行きを確保しつつ、頭を打たず取り出しやすい高さの折合いがお一人お一人違うので、大事なところです。
ガラスの透け具合、そして内部の色味も細かくお打合せさせて頂きました。


幅154cmと限られた作業台にレンジとトースターが乗るので、簡易的に引き出せる作業台をご希望でした。
こちらは2度目の採用となりますが、軽く引出せてロックがかかる作業台です。
解除も横のレバーと軽く上げるだけで引出しと同じようにゆっくり閉まる優れた機能でとても喜んで頂けました。


冷蔵庫の上は扉幅が大きいので、下から上に上がる扉です。
壁側の固定扉は、神棚が取付く予定なので棚の奥行き分を避けています。


タイルや間接照明が入るだけで一気に空間が華やぎました。
人工大理石の天板に照明が跳ね返り、より気分が高まりそうです。


最後にレンジフード裏のこのスペースにも収納を設置しました。
対面キッチンが主流になってよく見られるスペースですが、上手く利用すると良いディスプレイコーナーになります。


梁の凹凸や天井の段差も気にならない、元々あったような一体感のある収納になりました。
ガラス棚にすることで圧迫感なく、飾りたいものだけに目がいきます。


横から見てもピッタリです。
テレビボードとカップボードも含めて、LDK全体で隠すものと見せるものの収納がバランス良く配置されたような気がします。

N様、お会いして長い期間、大変お世話になりました。
たくさんの熱い思いをかたちに出来て安堵しましたし、喜んで頂けてとても嬉しかったです。
これからもどうぞよろしくお願い致します。

機能的な収納とプライベートな空間づくり

2022-4-27

Tさまのご新築マンションに合わせて、機能的な収納とプライベートスペースの雰囲気づくりをさせて頂きました。
昨年秋に初めてお会いして何度かやり取りさせて頂いて半年、お引越し前の先月にお届けすることが出来ました。
遅くなりましたが、ご紹介をさせて頂きます。

まず、機能面での家具はキッチンとクローゼット。
キッチンは引違いの扉だけ既に備わっていましたので、内部を造作させて頂きました。

扉を外した状態です。
なかなか引戸の中のこのスペースを既製品で工夫しようとなると、メタルラックを組み合わせて置くなど空間利用が難しいかもしれません。


お手持ちの家電や食器、食品ストックなど綿密にお打合せさせて頂きました。
左側は食器用の4段引出しと作業台、上部は可動棚になります。


右側はレンジ、トースター、炊飯ジャー、ゴミ箱等、それぞれ特等席を設けています。
中央の仕切りが分厚いのは、引違い扉の重ね代になります。


完成してお引越し直後に拝見しましたお写真です。
居場所が一目瞭然、気持が良いくらいスッキリ整理されていました。
左側にもお手製の大切な食器やアイテムを美しく収納されていて、こちらまで嬉しくなりました^^


多目的な収納場所になるフリースペースにも可動棚を設置させて頂きました。
ご新築でお引渡し後でしたので、棚を受けるレールは下地がある場所に直付けでしたが、フレキシブルに棚の高さが調節できるのでとても便利です。
右側の浅い奥行きには、正面掛けのコートハンガーが上下に数枚掛けられて自由な高さに設定ができます。

機能的な収納とは別に、リビングの装飾もさせて頂きました。

大画面テレビを壁掛けにされるのに、内覧会の際に画面サイズの紙をご用意して頂きました。
おかげさまで高さ設定などのやり取りがとてもスムーズでした。
テレビ面にエコカラットタイルをということでしたので、左側の折り返し壁まで貼らせて頂くことになりました。


大判のタイルを美しく貼っていきます。
正面だけ貼るよりも格段にお部屋が広く美しく見えます。


将来バータイプのスピーカーを置くかもしれないとのことで、テレビ画面より少し幅広い棚も設置させて頂きました。
テレビの機器類は背面壁裏の多目的スペースに格納できるよう配線処理がされています。
何もない白い壁にテレビ画面があるよりも遥かに素敵に見えました。

お仕事スペース兼寝室になるプライベートスペースにも造作させて頂きました。

コーナーに壁の凹凸がありますが、L字型にカウンター収納を設けていきます。


一体では到底入らないので、組み立てながら設置していきます。


窓側にはデスクカウンター、左サイドには書棚が設置されます。


Tさまがこだわられたウォールナット無垢の天板。
コーナーのジョイントが難しい形状でしたが、美しく納めていきます。


完成しました。
天板がL字に繋がったことで、何も無い空間に比べてより広がりを感じます。
無垢の滑々した手触りが気持ち良いTさまの大切なワークスペースです。


こちらもお引越し後にお写真を撮らせて頂きました。
すっかりTさまの空間になっていてとても嬉しかったです。
ふと自分のデスク周りを振返ってしまいました(汗)

Tさま、お母様、お打合せ時からたくさんのお心遣いをありがとうございました。
施工直後よりもお引越し後、お伺いする度に愛情がたくさんのお部屋が喜んでいるようで、こちらまで嬉しくなりました。
これからも家具共々、お付き合いをよろしくお願い致します!

タモ材と白。唯一無二のカップボード

2022-4-23

今月初めにお届けしましたEさまのカップボードをご紹介させて頂きます。

最初にお会いした時は、こちらにお越し頂いて、お話しだけお伺いしました。
その時は、「漆喰の壁なので、カップボードは白で、壁の凹凸を解消したい」というおおまかなご要望だったように思います。
そして最初は下のようにシンプルなデザインでご提案をさせて頂きました。

冷蔵庫の後ろの壁が凹んでいるので、カウンターもそれに合わせた旗竿型に。隙間なくスッキリ広く設置する方向です。
上部は扉のない箱状の棚のみ。見せるボックスを置かれては?とお話ししました。
極シンプルな家具に、飾られる物が映えるカジュアルな印象です。

後日、ご自宅にお伺いしてその印象が変わりました。
漆喰の壁と無垢の床、玄関からリビングに入るまでのワクワク感、大きなFIX窓から見える木々の景色、趣きのある薪暖炉。
新建材で作られた空間とは違うゆっくりした時間の流れを感じました。
その場で、白を基調にした中に天然木を入れましょう!ということで、ご提案をさせて頂きました。

フォルムは大きく変わりませんが、上部の棚受けは、Eさまのご希望で金物ではなく無垢材で造ることになりました。
オープンスペースに棚受けと同じタモ材を使用することで、当初のプランよりぐっとEさまのお部屋に近づいた気がします。
食器がどれだけ入るかのシュミレーションから、ミリ単位で高さ設定もさせて頂きました。


製作期間を頂いて、施工当日。
冷蔵庫後ろの壁が凹んでいるのが分かります。


造り手が閉じ込められているようですが、こんな形状で壁にぴったり造り付けます。


壁に設置しました。
以前はこの凹み部分が使えないデッドスペースになっていましたが、天板が伸びるだけで広い作業スペースになりました。
天板上にコンセントも増設します。


天板下は見えないところも美しく、壁の出隅に合わせてタモ材を使用しています。


棚を取付けました。
このブラケットは木の厚さや高さ、形状にも悩みました。
下台とのバランスから大き過ぎても不格好になります。かといって滑らかで華奢なラインでは雰囲気が合いません。
あえて無骨さを残して、コンパクトなサイズで製作しました。


完成しました。
爽快で清潔感を感じる白の中に、木目が映えるEさまだけのカップボードです。
たくさんある白の中からダイニングテーブルや漆喰に合う白を選んで頂きました。
天板の厚みもEさまのご希望で薄くしたことで、洗練された印象です。


収納量もたっぷりです。
内引出しには低い土鍋を入れられるとのことで、高さ設定をしています。


取付け直後、さりげなく棚の上に乗せられた蒸籠がそのままディスプレイのようで素敵でした。
お庭の草花を一輪挿すだけでもグリーンが映えて絵になりそうです。

Eさま、この度は大変お世話になりました。
これから益々、ご家族団らんが賑やかで楽しい時間となりますように・・・。
今後ともどうぞよろしくお願い致します^^

シンプルで機能的、清々しい家具

2022-4-13

桜の季節が終わり、寂しさを感じる間もなく色とりどりの花が咲き始めました。
「散歩中、いろんなところでお花の香りがするよ。全部食べられるといいのになぁ」(ポ)
「拾い食いはやめましょうね~」(主)

我が家のモッコウバラもポツポツ開き始めました。
植物の生命力に元気をもらえます。日々、頑張っていきたいと思います。

さて、ご紹介が遅れましたが先月施工させて頂きましたF様の家具をご紹介致します。

ご新築マンションに合わせてカップボードとテレビボード、クロスやタイル工事などご依頼頂きました。
カップボードは間接照明を取り入れるため、予め電気配線から行いました。


吊戸棚がついて、間接照明が点灯されました。


タイルも施工して無事完成しました。
吊戸棚が木目で下台が白という組合せです。
圧迫感を解消するために逆のパターンはありますが、上部に重きをおいた配色は少ないかもしれません。


でもダイニングから見た時に納得しました。
インパクトのあるキッチン扉に調和するタイル、フローリングに色調が近い吊戸棚、そこから白い天板に下りてくる間接照明。
やわらかい反射光でキッチン全体が包まれるような雰囲気になりました。
キッチンの扉が難しいお色目でしたが、だからこその組合せだったような気がします。


収納内部もシンプルですが、機能的です。それぞれ使い易い高さ設定にさせて頂きました。


シンプルで凹凸がないフラットな扉は気持ちが良いです。
引出しの配置を考慮しつつ、ラインを通してスッキリ見せています。


リビングの壁面も装飾させて頂きました。


F様がセレクトされたライトグレーのクロスにテレビボードを宙に浮かせて施工致しました。
こちらも間接照明を仕込んで、シンプルながら幻想的な雰囲気です。


収納は両サイドが引出し、中央が前に倒れる扉になっています。


配線が表に見えないよう、壁掛けテレビの配線は上下の配線孔を通して収納内部に入ります。

当初はカップボードだけのご依頼でしたが、クロスを貼替える前の下地工事や配線工事など、先行できて良かったです。
何より、カップボードと色柄をリンクできてお部屋の統一感が生まれました。
お写真は撮れませんでしたが、F様がご購入された同系色の木枠ミラーが更に2つを繋いでいるようでとても素敵でした。

玄関ホールにも真っ白な清潔感のあるタイルを貼らせて頂きました。
爽やかで良い運気がたくさん入って来そうですね^^
F様、昨年から大変お世話になりました。
これからもどうぞよろしくお願い致します。

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