デザインコンパスブログ「ポッカポカ日和」

リビングに~お子様2人の学習スペース~

2020-9-16

7月に工事をさせて頂きましたK様のリビングスペースをご紹介致します。
なかなか更新ができず今になってしまいました。K様、その節は大変お世話になりました。

お子様の学習スペースをリビングに設けるか、個室に設けるか、お子様の成長過程で考えられる方が多いかと思います。
我が家の小学5年生の娘はダイニングにスペースを設けていますが、中学・高校生になるとどうなるかなぁ。
こもるタイプではないのでこのままの気がしますが、楽しみではあります。

K様のご要望は、新しいお引越し先のリビングにお子様二人の学習スペースを設けたいということでした。
中古マンションの和室をリビングつながりのフローリングにして、お子様が高校生になってもずっと使えるデスク兼壁面収納を造作させて頂くことになりました。
物件のご契約まで細かい寸法が測れなかったので、想定寸法でのご提案です。

寸法次第では、お二人並んで学習するには少し狭い可能性があります。
左は間口寸法がクリアした場合の並列プラン。
右は間口寸法が狭かった場合、向き合って座るプランです。
右の場合はデスクを将来それぞれのお部屋に移動することもできます。
どちらの案もお子様が独立されたとき、中央の収納を抜いてテレビボードとして活用できることも考えています。


現地を測れるようになり、左の案で製作がスタートしました。
奥の和室がそのスペースになります。


壁が撤去されて一つの空間になりました。
ダイニングから正面の壁いっぱいにデスク兼収納が設置されます。
お母さんからの目線も届く良い距離です。


押入の襖が3枚連動の引戸になり、徐々に家具を取付けていきます。
壁いっぱいまでデスクがきても押入の出し入れは楽にできそうです。


完成しました。
もとが和室であったことを忘れてしまう程、爽やかで清々しい空間になりました。
中間のブルーグレーのアクセントは、K様が即決で選ばれたカラーです。
全てが同じお色目よりも、ちょっと入ることで空間がグッと引き締まります。


お子様がまだ幼稚園生で高校生まで使える寸法設定はかなり難しいところではありました。
勉強中に圧迫感がなく、且つ手の届きやすい高さと奥行き、そして正面から見やすいことも大事です。
手の届きやすい低い位置は奥行きを控えて、その上は教科書や辞書などの教材に合わせて奥行きを深く、そして扉で隠す収納は更に奥行きを深く。
用途に合わせて3段階、奥行きを変えて設計させて頂きました。
間接照明の下は磁石がつくマグネットシートになっているので、時間割や大事な情報をご家族で把握できます^^


お引越し後におじゃまさせて頂きました。
お二人ともすっかり使いこなされていて感動しました。
まだ幼稚園生なのに集中してお勉強されるそうです。
(帰って娘に話したことは言うまでもありません。環境が整えば・・・個人差があるようです^^;)


間接照明はお二人それぞれ別のリモコンで調光ができます。
リモコン一つでもそれぞれ操作をすることはできましたが、喧嘩をしないようにと職人の配慮です^^
トールキャビネットは習字道具や絵の具など、これからどんどん増えるお道具入れに重宝して頂けそうです。


可愛い妹さんの引出しには、ぬいぐるみがたくさん入っているそうです^^
小さなお子様でも、自分で自分の大切な物を整理整頓するというのは本当に大事なことだと思います。
これから成長されるにつれて収納する中身もどんどん変わっていくと思いますが、間違いなく愛される家具になるだろうなぁととても嬉しく思います。

お引越し前の良いタイミングでお声掛け頂けて幸いでした。
お子様のご成長を陰ながら応援しております!

プライベートルームが完成しました。

2020-8-16

以前ご紹介させて頂きましたN様のプライベートルームが完成しました。
空間は早くに完成していましたが家具が間に合わず、N様本当にお待たせ致しました。

 
左はデスク、右はクローゼットが取付く壁面です。


天井いっぱいまで収納で埋め尽くされていきます。
予め規格寸法で製作ができればお待たせせずに済みますが、それだと隙間だらけの空間になってしまいます。
空間が出来上がってからシビアに採寸して、それでも現場で削り合せながらの作業の末、ぴったり美しく納まります。
納まりは大事なデザインの一つなので・・・ご不便をお掛けしております。

 
巾木や廻り縁も家具に合わせて、たくさんあるモールディングの中からセレクトしました。
エレガント過ぎず、シンプル過ぎない形状で空間をさり気なく引き立ててくれます。


3日間の施工の末、完成しました。
こちらはクローゼット面です。まるでブティックのような空間に仕上がりました。


以前は奥行きのある布団収納だった場所に、壁に見立てた扉を設置しました。


開けるとそこは鞄収納です。
正面掛けのハンドバッグやショルダーバッグが1本に2つ3つ、余裕を持って掛けられます。


楽に抜き差しできるので、鞄によって高さを変えれば自由自在です。
ブティックのように、コレクションを見渡しながらコーディネートを楽しんで頂けたらと思います。


姿見のミラーも良い位置に付きました。気持ちがワクワク高まりそうです^^


正面の壁面には、かねてからN様がご希望されていた着物収納用の引出しも設けました。
外見からは予想がつきませんが、以前より気軽に出し入れして頂けそうです。


窓面にはデスクが取付きました。
凸型の壁ですが、天板を一枚つなげることで空間がより広く感じるようになりました。
窓の部分を床からせり出す増築をして頂いたので、脚を入れるスペースを確保できています。

右側の着物収納横の扉は、背面をミラーにすることで、空間に抜きを感じられるようになりました。
窓の景色が映り込んで、まるで別荘地のような癒しと解放感を与えてくれます。


広角カメラでの全貌です。
実際よりもかなり奥行きが出ていますが、床とのコントラストが美しいプライベートルームになりました。
白い収納と思われがちですが、まぶしくて疲れやすい純白ではなく、気持ちグレートーンに近い白をセレクトさせて頂きました。
壁紙も家具に近い色で統一することでより洗練された空間になりました。
言われても気付かないレベルの色の違いですが、生クリームのようにふんわりと包まれるような優しい空間に繋がった気がします。


そして、最後に主役のベッドが設置されました。
ヘッドボードのリビング側は腕時計やハンカチなど小物を入れられる小さな引出しを設けています。
こちらもクローゼット同様、モールディングの形状やバランス、塗装の調色など細部にわたって検討させて頂きました。
ベッド側からのアングルを撮影しそびれましたが、グレーのファブリックでボタン締めされたクッションが付いています。

プライベートな寝室ですが、是非扉を開けておいて頂きたいほど気持ちの良い空間が出来上がった気がします。
最後まで悩んで選んで頂いた床材が本当に活きていて、家具とお互いを引き立てているようでした。
収納量や使い勝手、そして居心地の良し悪しはしばらくお過ごし頂いてから本当の完成だと思います。
まだ少しご不便をお掛けしますが、引き続きどうぞよろしくお願い致します!

 

クラシカルな洗面台

2020-7-26

N様の2階に洗面台を製作させて頂きました。
普段はご主人様と息子さんが使用されていて、洗面の用途だけではなく掃除機などの収納と、ミニキッチンの要素も加えたいというご要望でした。

壁を囲うようにして、洗面台と側面の二面を利用して計画させて頂きました。


当初はデザイン的なご希望を頂かなかったので、シンプルに清潔感のあるイメージでご提案をさせて頂きました。
それからグレイッシュでホテルのような趣きのデザインを経て、クラシカルなイメージに行き付きました。
全てN様から頂いたイメージ写真がきっかけです。
一度はプラン7でご了承を頂いたのですが、素敵なブラケット照明を見つけたので少しデザイン修正をさせて頂きました。
ようやく自分なりに腑に落ちた感覚です。
格調高く、クラシカルで上質な空間を目指したいと思います。


既に工務店さんで既存の撤去と内装を仕上げて頂いている状態です。
まずは正面の家具から設置していきます。


もう一方の面は窓を覆う掃除機収納と、冷蔵庫との動線の良いレンジやケトルなどの家電収納を設置していきます。


少しずつ形になってきました。
掃除機収納は地板がないのでそのままスムーズに収納して頂けます。


ボウルと一体型の人工大理石天板が乗りました。
ウォールナットの扉とお互いの良さを引き出してくれる大胆な模様です。


そして、クラシカルで堂々とした洗面台が完成しました^^


趣きを出すために、框の形状に気を遣いました。
大きな扉を陣笠の形状にすることで、更にクラシカルな要素とやわらかさが増したように思います。
古美色のハンドルも随分悩みましたが、シンプルなデザインにすることでより扉の良さが活きた気がします。


家電収納の背面にあたる洗面台の側面。
また家電収納の側面が洗面台の扉と同面になります。
そこに大理石の天板が美しく納まるよう何㎜出すかなど、造り手と二人で細かいやりとりをしています。


洗面以外の用途になる収納と家電スペース。


左は掃除機などの日常の収納スペース、右は家電と食器や酒類などホテルのミニキッチンにあるような便利スペースです。
上段はレンジ、下段はケトルやコーヒーメーカーのイメージです。
一番下の引出は、焼酎ボトルが入る高さ設定です。
ちょうど右側に冷蔵庫があるので、ゼロ動線で物の出し入れをして頂けるかと思います。


ゴミ箱や使用済みのタイルなどに、ピッタリサイズのバスケット。
ハンドル付きなので、そのまま1階に楽に持ち運んで頂けます。


天板とボウルに継ぎ目のない滑らかな手触りの人工大理石です。
立ち上がりは水回りにも使用できで主張し過ぎないエコカラットを貼っています。


そしてこんな便利アイテムも。
洗面左の側面に拡大鏡。普段はフラットにしておいて、必要なときに手前におこすと拡大鏡としてご利用頂けます。
使わないときも何となくオシャレでホテルのような雰囲気です。

発注直前に出会ったブラケット照明も全体の印象を変える大事な要素になりました。
いろいろなアイテムが組み合わさって、一つの空間が出来上がりました。
既製品だと一台の洗面台かもしれませんが、ここにはN様のために集結したたくさんのアイテムたちが仲良く同居しています。
ご家族の皆様にたくさん可愛がって頂けると嬉しいです。

連日、現場の皆さんマスクをしながら大変な作業ですが、引き続きよろしくお願いします!

プライベートルーム ~寝室・クローゼット・書斎の空間づくり~

2020-7-5

現在、昨年の秋からお打合せを重ねてきましたN様宅のリノベーション工事中です。
きっかけはN様が長年お付き合いのあるリフォーム店さんから、設計デザインのお話しを頂いたことでした。
当初は和室を増築して奥様の寝室と充実したクローゼットにというご要望でした。(今となっては懐かしく感じます^^)
どのくらい増築するのかはレイアウト次第ということで、まずは増築面積によって考えられる方向性をご提案させて頂きました。


左は増築面積を広く、右はコンパクトに。上はクローゼットを集約させ、下はクローゼットを各所に設けたプランです。
まずは広く増築する方向で具体化させて頂くことになりました。

その後、動線や収納量、N様のライフスタイルなどたくさんお伺いして、このようなレイアウトになりました。
元あった和室の中央に空間を仕切るクローゼットを設けた大胆なプランです。

デザインはN様がストックされていた海外のインテリア写真を基に、N様仕様にアレンジさせて頂きました。
クラシックでエレガントな女性らしい雰囲気もありつつ、設え過ぎずモダンでシンプルな清々しいイメージです。

一時はこの内容で着工の予定でしたが・・・床材やその他のお部屋の関係もあり、急遽増築をしない方向で再検討ということになりました。
今の和室の面積で、寝室・書斎・クローゼットの用途を備えつつ、収納量やデザイン性を極力変えずにどこまでできるでしょうか。
一度ご要望を全て満たしたご提案後に縮小するのは、少なからず我慢が必要になってきます。
でも住宅メーカーのCMではありませんが、「考えよう、答はある」です。


答えは、ありました! 収納量を確保するために壁面は全てクローゼットとデスクを配し、ベッドを中央に設けたレイアウトです。
Aの窓は元々あった掃出し窓の幅で、床から出窓の面積をせり出すことで脚を入れて座ることができるスペースに有効利用ができます。
増築プランも好きでしたが、こちらの方が必要なものが全て集約され、家具に囲まれた素敵な空間になりそうです。ワクワクしてきました^^


収納も前プランと同じくらい充実しています。それぞれが大事な役割のある収納です。
ベッドが中心?と思われるかもしれませんがヘッドボードを素敵に設えることで、生活感を解消してむしろ素敵に映える空間になるかと思います。

コロナの影響などで着工までの期間が長かったので、いよいよ待ちに待った着工となりました。
以前は窓も締め切られた閉塞感のある和室でしたが・・・

リビングからの写真です。床、壁、天井全て解体して以前の面影が全くなくなりました。

混構造のため、解体してみないと分からない天井裏です。
H鋼が入っているのでダウンライトの配灯やエアコンの位置など、解体後に対応して頂くことがたくさんあります。

少し空間が出来上がってきました。
出窓のイメージも湧いてきます。

着工して10日程でここまで空間が出来上がりました。
大工さんの手際の良さと、現場管理のYさんの采配に頭が下がります。本当にありがとうございます。

以前の和室からリビングへのアングルです。

窓が変われば・・・とこれまたサッシメーカーのCMですが、本当にそうですね。
完成した家具に囲まれて窓辺でゆったりとした時間を過ごして頂くご様子を想像するだけで本当に楽しみです。

空間が出来上がってからの採寸、そして製作となるのでこれからまたしばらくお待ち頂くことになります。
お住まいながらの工事で、N様もそして現場で作業される職人さん方も大変なご苦労かと思います。
現場がスムーズにいくよう、そして素敵な空間が出来ますように、私たちも良い仕事をしたいと思いますので、
N様、現場の皆様、引き続きよろしくお願い致します!

白黒コントラストが美しいカップボード

2020-5-18

T様のカップボードをお取付けしました。
3年程前のご新築時に一度プランをさせて頂いておりましたがライフスタイルの変化もあり、時期を改めてお声掛け頂きました。
数年住まわれてイメージがクリアになったとのことで、当初のプランとは全く違うデザインで製作をさせて頂きました。


設置スペースです。左右の壁の奥行きが違うので、左の壁に合わせて製作しました。


コンセントの増設をしながら設置していきます。


本体を設置しました。白と黒の配色が目新しく感じます。
収納内部の配色もT様のこだわりでした。


完成しました。白と黒のコントラストが美しいスッキリとしたカップボードです。
キッチンとリンクさせるために随分悩まれた配色でした。


ダイニングから見ると、天井と扉の裏側の黒がポイントのキッチン。
当初は同じように黒のラインを効かせてリンクさせる予定でしたが・・・。

配色と同じく悩まれたのは、扉を開け閉めする際の手掛けでした。
キッチンは全て扉の隙間に手を掛けて引出す仕様のため、引出す力が要ります。

シンクやガスコンロ下の大きな引出しはかなり重たく、一日に何度も開閉する動作は気付かないうちにストレスになっていたようです。
打合せ中にT様から「指の甲にタコができるんです」と聞いて、これは避けなければと思いました。


黒のラインを強調するためのご提案を色々とさせて頂きましたが、最終的に白い引手で扉と同化させることになりました。
ずっと黒にこだわられていたので設置するまで少しの不安はありましたが、設置後に白にして良かった!との感想を頂いてホッとしました。


右側のトールキャビネットは、扉を開けると黒。少し気持ちが違います。


ちょっとしたペンや付箋、輪ゴムなどの小物収納が隠れています。


黒い引出しにはカトラリー類など。一つあると便利です。


カップボードにしては引出しの数が少ないのでは?
でも内部に内引出しが入っています。
高さ設定もミリ単位でこだわって頂きました。一番奥には炊飯ジャーが入ります。


爽やかで清々しいカップボード。
艶のある白とマットな黒のコントラストがより洗練された印象を受けます。
ご入居前にはイメージでしかなかったものが、生活されてみてより良い理想に繋がって本当に良かったです。
T様、この度はお声掛け頂いてありがとうございました。
今後ともよろしくお願い致します。

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