デザインコンパスブログ「ポッカポカ日和」

和らぐナチュラルモダンなカップボード

2019-5-9

連休前に製作させて頂きましたIさまのカップボードをご紹介します。
築3年の戸建てにお住まいのIさま。お手持ちのカップボードにご不便を感じられてお声掛け頂きました。
ご新築時に製作する家具と違って今使われている状態やお部屋の雰囲気を拝見できて、より具体的にご要望を頂けたように思います。

冷蔵庫横は2m弱の設置スペースがありましたが、既存のカップボードは1.2mで作業台が足りていませんでした。

最初のご提案プランです。

家電をコンパクトにまとめて作業台を広く確保したプランです。
元々レンジをカウンターの下で使われていたので、家電を縦一列にまとめてスッキリさせました。
吊戸棚を冷蔵庫上までつなげたり、目線の高さをオープン棚や扉付きの棚にしたり・・・。
部分的でもIさんのお好みを知るためにカラーリングも変えてご提案をさせて頂きました。


形が決まってきました。
当初はゴミ箱専用引出しを左に配置したため引出しの数が多く少し窮屈な印象でしたが、引出しを2列にまとめると見た目に余裕が生まれました。
ゴミ箱スペースはどこへいったでしょうか・・・。答えは後程ご紹介します^^
天井に近い吊戸棚を壁紙に似た色にして、圧迫感をなくす狙いです。
ナチュラルな木目に合う自然な風合いのタイル、そして葉色のアクセントカラー。
少し和を感じるようなやさしい色使いになりそうで楽しみです。


 取付初日。コンセントの増設をして下台を設置しました。


天井いっぱいの吊戸棚を設置していきます。圧迫感が心配になるほどの大きさです。
オリーブ色のアクセントカラーが利いています。


幅も高さもピッタリ納まりました。
天井とのわずかな隙間は化粧板を現場で削り合せて貼ることでより美しく一体化します。


翌日、タイルの目地埋めをして無事完成しました。
桧の床板に合う木目と陶磁器のようなタイル、和の要素もありながら白い吊戸棚がモダンな印象を与えてくれる絶妙なバランスです。
見ていてとっても気持ちの良いカップボードになりました。


既にちらりと見えていましたが、ゴミ箱スペースは側面に設けています。
ユーティリティーからも使えて正面からは見えにくい位置です。
深い奥行きの半分を利用してのスペース。
この間取りだからできる場所ですが、扉を開け閉めする手間も省けて便利です。


目線の高さの収納は大きな1枚の扉が下から上に開くフラップ扉です。
正面から見渡せるので、グラス類や平皿に向いています。


トースターと炊飯ジャーはそれぞれ引出してご利用頂けます。


家電収納はあっても天板は冷蔵庫までつながっているので、ぐっと奥行きを感じられるようになりました。
磁器質の横長タイルの相乗効果も相まってより遠近感を感じます。


引出しのハンドルは主張し過ぎず程良い存在感のデザインです。


施工前から随分変わりましたが、ずっとそこにあるような自然な佇まいです。
主張し過ぎず、でもIさんだけのオリジナリティがあって誠実なカップボード。
自然で優しい色合いにヒーリング効果があるような気がします。
収納力たっぷりなので、お子様の成長と共にたくさん使って頂けると嬉しいです。
Iさん、引き続きよろしくお願いします!

ミニマルなテレビボード

2019-5-1

令和元年、おめでとうございます。
ふんわりと何だか良いことがおこりそうな予感がしてワクワクしております。
今月は施工が多い月なので、気持ちを新たに引き締めてお届けしたいと思います。

令和時代、第一号はEさんのテレビボードをご紹介させて頂きます。
リビングの壁面にスパーッと長いテレビボードをということで昨年具体化しかけたのですが一旦休憩。
設置を予定していた壁の対面側に設置しては?ということで、今年の春に声を掛けて頂きました。
どこかしっくりこない時は何かあるので、ピンと来た時に実行できて結果良かったと思います。
おかげ様で収納したい物とその場所もクリアになってスムーズに形が決まりました。


幅275cm、高さ36cmの低くて長いテレビボードです。
無駄を削ぎ落したミニマルなデザインに静寂さを感じるほどです。


一番右側はお掃除ロボットの基地になっています。
扉を閉めていると全く存在が分からないよう、ダミーの蹴込(扉と床の間の部分)を設けています。


ファイルボックスに合わせた高さ設定の引出しです。
扉の開閉方法はそれぞれ異なりますが、閉めていると全く分からないEさんだけの専用収納になっています。


レコーダー部分のみリモコンが利くガラスに。
当初は仕方なくのガラスでしたが、全てが扉よりも少し抜きができて良いバランスになったような気がします。


最初からそこに居たような凛とした佇まい。
シンプルが故の静寂さと高級感を感じられるテレビボードになりました。
Eさんのインテリアの名脇役になってくれると嬉しいです^^

ご提案受付を一時ストップさせて頂きます。

2019-4-18

いつも「ポッカポカ日和」を覗いて頂きありがとうございます。

現在、7月8月辺りまで製作予定のお客様にお待ち頂いている状況です。
既にご依頼頂いているお客様にご迷惑をお掛けするため、お問合せ(ご提案)受付を一時ストップさせて頂きます。
必要とされているのにお役に立てず、誠に申し訳ございません。
苦渋の選択ではございますが、お一人お一人大事にしたいのでご理解頂けると幸いです。

現在ご依頼頂いているお客様の製作見通しがつき次第、再開させて頂きます。
引き続きどうぞよろしくお願い致します。

チェリーの愛おしいカップボード

2019-4-11

I様のカップボードを設置させて頂きました。
ご新居の建築中にお声掛け頂いていましたが完成に間に合わせることができず、大変お待たせを致しました。
それでも予定していた吊戸棚の高さ設定など、お引越し後に現地で確認してから変更が出来たのが幸いでした。
たくさんこだわって頂いたチェリーのカップボードをご紹介致します。


お打合せ段階でご提案させて頂いたイメージパターンです。
チェッカーガラスが入った吊戸棚や框扉、タイルなどI様ご希望のイメージがはっきりされていたので、こちらもご提案がスムーズでした。
アイテムもそうですが、素材の組合せも選択肢がたくさんある中で到達点に辿り着くのは難しいことだといつも思います。
特に同じ実物が何もないゼロからの形造りなので不安だらけだと思いますが、その分プロセスと出来上がりのワクワク感につながれば・・・と願っています。


さて、最終的に扉はチェリーの天然木を使用することになりました。
引出しだけ框扉、吊戸棚は框のない扉でシンプルに。タイルとの相性が楽しみです。

塗装前の扉。今は顔色が優れませんが塗装を施すと元気に生まれ変わります。

いよいよ取付の日。タイル面にコンセントは避けたいので天板面に移設します。

本体が取り付きました。

天板は明るい白のメラミン。全体が木目でも良かったと思いますが、色を抜くことで垢抜けた雰囲気です。
吊戸棚の木目が繋がってイメージが出来てきました。


翌日、タイルの目地埋めと棚を取付て、無事完成しました。
愛おしささえ感じるほっこりとした温かみのあるカップボードになりました。


こだわって頂いた框扉です。無垢材はそれだけでデザインになります。
ハンドルもたくさんある中から選んで頂きました。


最近サブウェイタイル(ニューヨークの地下鉄で使われた始めたタイルの一種)は人気でよく見かけます。
長方形で光沢のあるシンプルなタイルが普通ですが、I様にはサブウェイタイルとはちょっと違う長方形より短くて可愛らしいマットなタイルをご提案させて頂きました。
目地はI様のご希望で鈴色にすることで、よりタイルが強調されてどこにもない雰囲気です。
棚が一つあるだけで、ずいぶん表情が加わりました^^


I様ご家族にぴったりの雰囲気あるカップボード。
今はまだ若い色合いですが、年月が経つごとに深い飴色に変わっていくのがとっても楽しみです。
記念すべき「令和」の発表の瞬間をご主人様と共感できて、忘れられない一日になりました。
ご新築と同い年、平成31年生まれのカップボード。ご家族に寄り添って愛される家具になりますように。

I様、大変お世話になりました。これからも末永くよろしくお願い致します^^

洗練された大人の空間 ~書斎編~

2019-4-3

引き続き、T様の書斎をご紹介させて頂きます。
快適にお仕事ができる空間にする為に、書斎はリビング以上にこだわって頂きました。

長方形の空間にL字にデスクカウンターを配置していきます。

L字の窓に面したコーナー部分にデスクスペースを設けます。


複合機からパソコン、コンセントまでの配線はカウンター下に綺麗に納まるよう配線スペースを設けました。


一番こだわって頂いたのは天板かもしれません。
長手に3.4m、短手に2.4mの長さのウォールナットの無垢材です。
脚立に乗って上から撮影しましたが入りきれませんでした。
正面のデスクスペースは奥行き80cmとかなりボリュームがありますが、L字につながることで圧迫感どころかより広がりを感じます。


天板はオイル塗装で仕上げています。
サラサラとした手触りが頬ずりしたくなるほどです。
L字で組んだ継手(ジョイント)部分も美しく納まりました。


長手の壁側にはトールキャビネットを設けています。
カウンター下は引出し収納がメインになるので、可動棚のある書棚はお役に立てるのではないかと思います。


引出しはウォールナットの無垢フレームにライトグレーがポイントになっています。
全体がウォールナットだと重厚感が強くなりすぎるところでしたが、単色を入れることでグッとシックでモダンな印象になりました。
お打合せのプロセスでは全く違う方向でご提案をさせて頂いておりましたが、選ばれているカーテン生地を見せて頂いてから大きな方向転換になりました。


配線ルートの終着点もすっきりしました。
収納サイドには熱抜きの通気孔を設けています。


デスクの左サイドには3段引出しを設けています。
取っ手のないプッシュオープン式の開閉ですが、ウッドフレームだけで充分なアクセントになっています。


全体が写真に納まらずに残念ですが、私もここで仕事がしたいと思ってしまうほど気持ちの良い空間でした。
家具が設置される前よりも明らかに広く開放的に感じるようになりました。
十字のウッドフレームのラインが利いてます。
ウォールナットの経年変化で表情がまた変わっていくのも楽しみです。

T様、長いようであっという間の時間でした。大変お世話になりました。
家具共々、これからもよろしくお願い致します。

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