デザインコンパスブログ「ポッカポカ日和」

ラグジュアリーな黒の壁面収納

2019-12-11

7月頃にT様からカップボードのご相談を頂きました。
当初は幅1m15cm、奥行き43cmのカップボードをご検討されているとのことでした。
一度、簡単に作図と御見積りをさせて頂いて現地に伺いました。


キッチンはこれからリフォーム会社さんで取替されて、シンク横の壁も開口されるとのことでした。
右側のカップボードの設置スペースは、開口枠まで奥行きわずか42.5cm。
一般的な電子レンジも乗らない寸法です。

リフォーム着工前とのことでしたので、恐縮ですがご提案をさせて頂きました。

楕円の部分は元々移設を予定されていた壁ですが、家電スペースには足りない拡張寸法でした。
リビングからのクローゼットは必要でしたので、ハンガーの掛け方をブティックのように正面掛けにする方向で、カップボードの奥行きを広げるご提案をさせて頂きました。
B面とC面のみの収納ですと、横幅の方が広いレンジでB面が占領されて使えるスペースが狭まります。
家電をA面からの収納にすることで、B面の収納もより広く充実させることができそうです。


リフォーム後、採寸にお伺いしました。
以前とはガラリと雰囲気が変わって、身が引き締まります。
キッチン横の壁が移動して開口されたことで、以前の閉ざされたキッチンが開放感のある素敵な空間に生まれ変わっていました。
難しい納まりになりそうですが、何度も素材をご検討頂いていざ製作です。


施工当日。まずはキッチンサイド収納から設置していきます。
奥行きは浅いですが、幅の広い充実した4段引出し。
ダイニングへすぐ出し入れができるお箸や布巾など、またカウンターは配膳台として、重宝して頂けると嬉しいです。


配膳カウンターはキッチンの天板と同じ素材のクウォーツストーンを設置させて頂きました。
そして次は手前の食器と家電の収納を設置していきます。


全体がブラックで内部がよく見えませんが、上部が織機用の可動棚、下部が4段引出しの充実収納です。
奥行きも57cmと壁を移設する以前よりも断然収納量が増えました。


そしてキッチン側からの出し入れになる家電収納を設置します。
レンジと炊飯ジャー以外は扉で覆い、まるで黒いボックスのように極力壁に見えるような納まりを目指します。


扉が全て取り付きました。
窓面にカカシのような物が見えますが逆光でしたのでやむを得ず・・・失礼します。
早く広角カメラと逆光にも強いアイフォンに切り替えたいと思います^^;


キッチン入口の開口枠にぴったり納まるよう設置しています。
光沢のある素材は手垢が目立ちやすいので、黒いライン引手を使用させて頂きました。
T様が一番こだわられた扉の素材は近くで見ると分かるラメが入っています。


以前は暗く、視線を反らしてしまいそうなキッチンでしたが・・・


シンプルが故のラグジュアリー。
まさか使い勝手と収納量を重視したカップボードとは思えない、モダンでスタイリッシュな黒い壁の収納が完成しました。

トイレの収納も製作させて頂きました。

以前は手洗い付きの収納カウンターが付いていましたが・・・


T様が決められていた仕上げ材がより素敵に見えるように、シンプルな框扉で演出させて頂きました。


扉や天板の形状が変わるだけで、クラシカルでモダンな雰囲気に感じます。

今回は、T様が既に決められていた設備や内装に寄り添うかたちで家具を製作させて頂きました。
特に奇抜なデザインや特徴のある家具ではありませんでしたが、より空間が素敵に見えるような役割が出来ていれば嬉しく思います。
主役ではなく名脇役を目指して、これから住まわれるT様ご家族に寄り添える家具でありますように。
T様、大変お世話になりました。これからもよろしくお願いします!

 

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